『統合型リゾート(IR)の導入と大阪・関西の未来!』 (講演概要)
(平成29年7月24日  参加者数102名)

今回は、大阪府・大阪市IR推進局様と、IR推進協議会の事務局長で、大阪府立大学客員研究員の勝見博光様に語っていただきました。

 
先ずIR推進局の井谷推進課長様より、大阪の現状のお話があり、今後の大阪経済を支える新たな視点として「観光」や「MICE」に注目。国際会議はアジア太平洋地域の主要国別では開催件数を伸ばし、ここ数年は減少傾向にあるが、日本のシェアは、更に低下しており、大阪は日本の中でも4位に甘んじていると説明がありました。
日本のIRの基本的な考え方は、●国際競争力の高い滞在型観光の実現、●大きな経済効果、雇用創出効果、●IRを訪れる旅行客が全国各地を訪問(全国で経済効果)、●カジノ収益を幅広い公益目的に還元、●世界最高水準のカジノ規制の導入、●IRについての様々な懸念に万全の対策とあり、2017年度はIR実施法の審議に向けて準備が進められており、大阪としては、国の基本方針に沿って認定申請を行う段取りで進めている。ギャンブル依存症などの懸念材料も十分検討の上、万博も含めて、夢洲のまちづくりを進めてまいりたいとのお話でした。
 
勝見先生のお話は、シンガポールの事例として『IR(統合型リゾート)』はシンガポールが作った造語であり、政府が検討するのは「カジノ」ではなく、IRと名付けた新たな観光拠点開発であり、観光産業のさらなる発展や、MICE振興のための装置との説明から始まりました。
シンガポールも建国以来、何度もカジノ合法化議論があった。90年台後半からシンガポールの観光産業は競争力を失い、2003年のSARSの打撃を機にカジノ合法化が動き出し、2006年にカジノ法案を成立させ、2010年に二つのIRを誕生させ、大成功を収めている。
長引く不況で開発が止まっていたマリーナベイ地区、観光拠点として期待されながら魅力的な施設もないセントーサ島の活性化に向けた取り組みとして、カジノライセンスを二つの事業者に与え、カジノを基にした税金等による収益とともに、公的ミッションを入札時の条件として課す「税負担なき公共政策」という方策をとったといいます。
世界標準のIRは、カジノを通過しなければホテルやエンターテイメント施設、MICE施設にアクセスできない構造ですが、シンガポールはカジノを目的としていない人が安易にアクセスできない場所にカジノを設置するなど、カジノを最小化する工夫をしながらも、運営権を30年とし、10年間は新規免許を認めないことや、カジノを2か所に限定するというインセンティブを与え、事業の継続性を保護している。
富裕層を引き付けるため、MICE機能の充実や、世界的エンターテイメントの設置も条件とし、2000席以上の劇場や、世界の一流シェフを誘致する提案や、デザイン性の高いマリーナベイサウンズの提案などが事業者決定に大きく寄与したといいます。
また美術館などの公共性の高い施設や、市民の誰もが利用できるプロムナードや遊歩道の整備など、民営事業でありながら、公共性を担保したところにIRの本質があると説明されました。
このようなIRの原型と言われるのが、オーストラリアのメルボルンだともお話しされました。
 
今、大阪もインバウンドの増加を受けていますが、今後は、まちづくり的にもインバウンドの数の増加は問題になる可能性が秘めているといいます。IRやMICEにより世界の富裕層を集める仕組み、量から質へ転換を目指す必要があるとのお話で締めくくられました。
 
 
添付資料の出典:大阪府建築士会報「建築人」2017年4,5月号

 

勝見先生記事(建築人201704).pdf
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『日本を世界に営業するFREEPLUSが語るインバウンド!』 (講演概要)
(平成29515日 参加者数:72名)


今回は、株式会社フリープラス 地方創生本部本部長の三澤茂毅様から『日本を世界に営業するFREEPLUSが語る インバウンド!』について語っていただきました。 

株式会社フリープラスは、2007年に代表取締役社長の須田健太郎氏が設立され、2010年に訪日観光業に参入されました
三澤さまは、2012年に入社し、海外営業担当として、タイ、マレーシア、カンボジア、ベトナム、フィリピン、ミャンマー、インド の旅行会社を開拓され、年間13万人のお客様を送客する事業を牽引された実績をお持ちです。
2016年度より地方創生本部長に就任。現在、滋賀県大津市兵庫県養父市など全国各地の地方自治体と情報発信から誘客に至るまで、同社のネットワークを活かしたインバウンドのソリューションの事業に従事されています。

冒頭、フリープラスの理念、世界中の素敵なお客様に『人生に残る思い出をプレゼントする』こと、そして『日本の観光立国を成し遂げ、日本のファンを世界に広げ、日本の元気の原動力になる』ことを強調されました。
 
数ある旅行関係のなかでフリープラスは、アジア向けの団体旅行に軸足を置かれています。訪日外国人が増えているなかで、個人旅行が増えていると言われていますが、団体旅行も増えている。その団体旅行を取り扱う現地の旅行会社に日本の観光情報が伝わっていないことが問題と捉え、現地の旅行会社との架け橋になることで、フリープラスは業績を伸ばしてきたと説明がありました。
そして訪日旅行業(ランドオペレータ)に止まらず、新今宮に「FP HOTELS難波南」というホテルを41日にオープンさせ、将来は航空機事業にも進出し、観光事業の垂直統合を図りたいとのビジョンも語られました。
 
このようにランドオペレータの業務に携わっていると、現地の旅行会社から日本に送客するオファーを、また日本の自治体から送客してほしいというオファーを受けることが多くなり、両者をマッチングさせる意義を感じ、地方創生本部を立ち上げたそうです。
具体的には、富山県立山市から、立山黒部アルペンル-トを訪れるタイ人も増えているが、「タイ人にとって立山市は魅力があるか」の調査依頼を受け、仏教国であるタイ人が、立山信仰を持つこの地域に魅力を感じるとの結論に至った話は、頷けるものでした。
 
質疑応答も活発に行われました。
どこの地域からも果物狩りのオファーが多いが、「どこも同じ魅力を訴求するのではなく、地域の特徴を生かした差別化」が求められると、今日の講演を締めくくられました。

【講演資料】観光のひろば.pdf
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『文化財のレッドクロス 〜瀕死の文化財を救う仕組み〜』 (講演概要)
(平成29年3月15日 参加者数:33名)


 

 

 

 今回は、元京都市観光政策監の清水宏一さまに『文化財のレッドクロス 〜瀕死の文化財を救う仕組み〜』ついて語っていただきました。 

清水宏一さまが、観光政策監としてやられた仕事は、京都市の観光客5千万人にする構想を持ち、実際に観光客を5千万人に増やしたことで、“京都の奇跡”と言われたといいます。
当時、観光は物見遊山のように思われていましたが、産業としての観光に取り組まれました。国にも働きかけ、産業統計に観光の分類ができたことも大きかった。観光庁の設置にも寄与したとも語られました。成功の要因は、当時の桝本市長などのリーダーシップが大きく、京都市が全国に先駆けて観光統計に取り組み、観光を可視化した積み重ねが大きかったそうです。
成功の秘訣は「戦略」「宣言」「宣伝」「先鞭」と四つの“セン”です。

当時、大学に観光学部がなかったので、京都の全大学に観光学部を作ってくれと交渉されましたが、なかなか設置が認められない中、平安女学院大学が創ってくれることになり、退職後、大学教授になったエピソードなども語られました。
京都市の取り組みが凄いのは、ビルの高さ制限を下げたこと。看板の撤去(屋外広告物条例)。四条通の歩道拡幅です。この歩道拡幅では、商店街の売り上げが倍になったといいます。
これからの観光は「量から質」に転換する必要がある。京都市は2014年と2015年にアメリカの旅行雑誌に連続世界1位に輝いたが、2016年は順位が6位に下がった。理由は「混雑している」だった。VIPへの対応が大事だと語られました。

保津川下りやトロッコ列車で有名は亀岡市の専務理事になられた頃は、亀岡市の河川敷にサッカースタジアムを作って大型バスの駐車場としてパーク&ライドにする構想に取り組まれました。
サッカーをしていない時のスタジアムの稼働率を上げるためにも素晴らしい発想です。

その昔、京都市が「古都税」を導入しようとした時に寺院は観光を拒否し、大変な問題になりました。それも稲盛さんが中に立ち解決させましたが、寺院としても入場料が入らないので運営にも支障をきたしたようです。
京都の弱点の一つに“文化財保護”があります。多数の文化財の補修に回せるお金もなく、老朽化が進んでいます。昔は寄進者、篤志家、檀家、そしてお布施や賽銭で補修の費用も賄われてきましたが、今は賽銭でさえ集まりません。
1998年に稲盛和夫さんとともにデジタルアーカイブの京都宣言を行いました。“人間は、大地と人々の記憶に歴史と文化を刻んできました”に始まり、高らかに ”新しい文化と地の大地の創造”を謳いあげたと言います。

このときの精神を元に、“社会貢献”と“観光”を軸に基金を集め“文化財保護”の構想を思いついたそうです。そしてメビウスの輪のように無限に続く仕組みにこれから取り組むとの決意を表明されました。
京都の世界遺産の仁和寺に無料Wi-Fiを設置して、観光客がスマホでログインすると、仁和寺の歴史や文化財の情報が日本語・英語・中国語で配信するシステムで、広告収入を文化財保護のため仁和寺に還元する実証実験を行うそうです。緊急時は、避難場所情報を母国語で表示するという優れものです。
この構想が、総務省の『ICT活性化大賞2016』の奨励賞を受賞したともいいます。
この構想は、観光客、寺社、企業、投資家にとって四方良しだといいます。これまで起こった問題やこれからの課題などエピソードも交えながら、愉快で、志に満ちたお話でした。

そして、「人生は一度きり、悔いなく生きよう」と今日の講演を締めくくられました。

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『お客様の“あったらいいな”を実現する戦略!』 (講演概要)

(平成29116日)

参加者数:48

 
 
今回は、株式会社 王宮(道頓堀ホテル)の橋本明元専務に『お客様の“あったらいいな”を実現する戦略!』について語っていただきました。

 

集客に苦しむホテル業界をよそに、常時稼働率90%を超える宿泊、キャンセル待ちのビジネスホテルに再建。社員さんに20万円の決裁権を持たせるなど、業界の常識を打ち破る戦略で業績アップを実現されています。

 
 

道頓堀ホテルは客室もシンプルなビジネスホテル。料金も8500円と強気の価格。稼働率90%を超える人気の秘密は“オモテナシ”だといいます。

橋本さんは中国で5年間修行を積み、日本の“オモテナシ”は世界一と実感したといいます。そして日本に帰国した時は、ホテル業界は価格競争の真っ只中。道頓堀ホテルも厳しい経営状況だったといいます。橋本さんは中国での経験と人脈を活かして東アジアをターゲットに戦略を転換。「海外の旅行会社が決定権を持っているので、その旅行会社に日本の魅力をうったえる」必要があると、海外への営業に走られています。

 

お客様を呼び込むポイントは“無料サービス”!

飲み物、インターネット、マッサージチェアー、インターネットを活用した国際電話、レンタサイクルすべて無料。お客様も「なんでも無料で使えて嬉しい」と言います。時には放置された自転車を引き取りに行くこともあるといい、スタッフの負担も少なくはありません。

橋本さんは「ホテルは簡単に値引きをするが、この値引きを経費と考えたら莫大な経費になる。無料サービスにかかる経費はわずか。そして、お客様の満足度は非常に高い」と言いきります。
戦略転換することにより、道頓堀ホテルの業績は急回復。橋本さんの狙いは的中しました。

しかし、成功の秘訣は従業員の“オモテナシの心”だと橋本さんは言います。

ロビーの飾り付けも従業員が自ら考え、オークションなどで安い経費で実現させています。

秘訣は「自分で考えること」。自分で考えてやることは楽しい。楽しいと良いものができる。それが“オモテナシ”に繋がるのです。

道頓堀ホテルでは20万円まで上司の承認不要のオモテナシ予算があると言います。

毎日10時から提供される「屋台ラーメン」、誕生日には人気ケーキ店の「ケーキプレゼント」も従業員から生まれた“オモテナシ”です。毎週火曜日に開催する“にぎり寿司”や“たこ焼き”など「日本文化体験」も従業員のアイデアで運営されています。

橋本さんは「自主性こそ従業員を本気にさせる!」と言います。

そんな道頓堀ホテルの“オモテナシ”とは、「お客様にとって“あったらいいな”を実現していくこと」をやり続けることだと、橋本様は熱く語られました。

 

読売新聞 27年12月31日の記事.pdf
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『国際リゾート戦略! 〜都市とリゾートに賑わいをもたらす〜 』 
(講演概要)
(平成28年11月10日)
参加者数:44名
 
観光カリスマで、有馬温泉 御所坊の主人、有馬温泉観光協会長の金井啓修様。
先日、経済産業省のDMO先進地視察でスイスのツェルマットを訪れた話題も取り入れ、東京オリンピックまでに“有馬温泉を日本一の温泉地にしたい”との野望について語っていただきました。
 
1、有馬温泉は日本一になれるか?
 
有馬温泉は古事記に出てくる希少な温泉。古いことと歴史があるとは違う。有馬温泉には歴史の話が多数ある。舒明天皇(じょめいてんのう)(593年)の頃の話だが、舒明天皇といっても誰も分からない。分かりやすい物語が必要だと思っている。
有馬には火山が無いが、200mの所から98度の湯が出てくる地質学的にも希少な温泉だ。
 
 
2、有馬のインバウンドは台湾から
 
台湾に「哈日族(ハーリー族)」と呼ばれる、日本が好きでたまらない若者たちがいる。
peachもアジアの人が“桃”が好きだから“peach”と命名した。「KANO」という映画がある。日本統治時代の台湾、嘉義(かのう)農林学校の監督として迎えられた日本人の近藤兵太郎によるスパルタ式訓練により、甲子園球場で行われた全国中等学校野球大会で準優勝する。2014年の台湾で最もヒットした映画。今も、甲子園ミュージアムを訪ねる台湾人が多い。
有馬に「KANO」の主役二人に来てもらった。有名ブロガーに来てもらう取り組みも多いが、台湾をターゲットに選ぶなら、このような取り組みのほうが効果が高い。
台湾を訪問して驚いた。商品のパッケージがダサい。中華系の人は“パッケージをきれいにすると中身が良くない”と感じるという。有馬でも“手ぶら観光”に取り組んだが、荷物を他人が運搬するのを信用できなくて失敗した。学んだことは“中華系の人は人を信用しない”ということ。
赤色も、日本人が好む赤色、韓国の赤色、中華系の赤色と違う。このようなことも合わせて外国人目線で見ることが大切になる。
 
 
3、三次交通について
 
富山の光岡自動車が製作しているトライクという100kgまで積載する2人乗り電気自動車。1台160万円。月3万円程度のレンタルなら1時間千円程度で貸し出すことも可能と考えて、4人乗れるように改造し採用した。超小型モビリティより効率的だ。すると他の旅館も欲しいということで6台購入。LOTAS CLLBのメンバー資格を取り、保険料80%offにもなった。
有馬のように道の狭い所の三次交通に適したコンパクトカーを自ら開発する意気込みで、陸運局とも交渉して、トライク運行にこぎつけた。
 
 
4、山椒は小粒でピリリと辛い
 
有馬の料理といえば山椒を使った料理だった。しかし、かつて生育されていた有馬山椒が地域から消えていた。「有馬山椒を復活させよう」と活動し、有500本に増やした。
絶滅危惧種を復活させて登録し、プレシディア(特別な場所)と認定されると、プレシディアを使用したメニューが開発され、スローフードインターナショナルに登録される仕組みがある。有馬山椒はこのプレシディアに認定されたことにより、ステータスにしていくことができる。
各地で伝統野菜の復活に取り組んでいるが、このように戦略を持って、プレシディアに登録する取り組めばよい。
 
 
5、DMO
 
スイスのツェルマットには170万人の観光客が訪れており、有馬と同規模になる。
ツェルマットのDMOを訪問して驚いた。宿泊税の7億円をDMOの合議で観光開発に使っている。7億円あればロープウェイでも何でも建設できる。
また支配人クラスでフェラーリーに乗っている。48室程度のホテルでシーズン中の従業員は21人、オフシーズンは18人という。有馬で同規模のホテルなら従業員は100人。提供するサービス、オペレーションが違う。日本の宿泊施設もサービスを効率化しなければならない。
人を教育するのに時間がかかるが、スイスはマイスター制をとっており、ホテルであれば3年以上の経験を積んで1段階の認定を得る。何段階かの経験を積み、さらにマネージメントを学ぶ学校を経て支配人になる。このようなマイスターの制度も学ぶところがある。
 
 
 
懇親会では、関西の観光のキーマンを集めた『有馬の湯の談合』を開催しようとの密議も飛び出しました!

 

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『東海道新幹線の歩み! ~開業からリニア建設に至るまで~』 (講演概要)
(平成28年10月4日)
参加者数:63名

 


東海道新幹線が開通したのは昭和39年10月。政府から「東京オリンピックに間に合わせろ」の大号令のなか、突貫工事でなんとか間に合わせた。

しかし路盤が安定せず、安定するまで1年半を要した。当初予算も大幅に超過するなど、鉄道のようなインフラは無理な建設計画は決して良くないと学んだ。
当初の列車本数は60本、乗客数1日平均6万人であったが、現在は323本+臨時便で400本強の運行、乗客数は41万人となっている。 

次の波は、昭和45年開催の「大阪万博」だった。入場者数6400万人のうち、新幹線による輸送は1000万人だった。
入場者の目的は、①パビリオンの見学、②外国の食事を楽しむ、③新幹線に初めて乗ることだった。“ひかり”の16両化など輸送力増強に力を入れた。

経営的には「大阪万博後の乗客確保」が命題であり、乗客確保には「観光」しかないとキャンペーンの検討に入った。
この時、力を発揮してくれたのが電通の藤岡プロデューサー。
旅行キャンペーンどこそこに行こう」と言うようなものでなく、「旅に行きたいなあ」というムードを作ることの理念から、川端康成からとった標語「美しい日本と私」のディスカバージャパンキャンペーンを行い、これが大ヒットした。
昭和47年は岡山までの延伸。昭和50年には博多への延伸があった。

昭和50年代は不景気で、毎年1兆円の赤字になり、運賃値上げも8回行った。
しかし運賃値上げは乗客を減少させ、“こだま”の減便などで対応した。
労働争議も頻発し、ストライキのため検査・補修ができず、半日運休することもあった。

昭和62年、JR東海が東海道新幹線を継承した。“新大阪駅”は新幹線ホームをJR東海、在来線をJR西と分割した。
「そうだ京都へ行こう」などの観光キャンペーンを展開して、“のぞみ”の投入など高速化と輸送力増強に力を入れた。
今や、JR東海の全収益の85%は東海道新幹線が稼ぎ出している。

平成15年、第2世代の新幹線として、品川ターミナル開業。
“のぞみ”中心のダイヤに刷新。最高時速300km/hへの挑戦などが始まった。

鉄道は「安全安定輸送の確保」が絶対条件だ。新幹線は50年間1度も事故を起こしていない。しかし阪神淡路大震災の時に新幹線が走っていたらと考えると恐ろしい。今後、南海トラフ大震災も起きるといわれている。
脱線防止ガイドレールの建設など、震災工事に年間1000億円を投入している。

しかし新幹線の輸送力は限界にきており、50年経過による老朽化も進んである。これらに対応するため、リニア(中央新幹線)によるバイパスラインの建設に着手した。
今後の輸送は、在来線、高速道路、一般道、バス、乗用車など2次輸送を充実させることが重要になる。リニアを念頭にしたまちづくりが求められることになる。


質疑応答も活発に行われ、リニアの建設ルート、構造、新幹線を活用した貨物など多岐にわたる質問にも、明確に、的確に答えられる須田さまの魅力に圧倒される時間だった。
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『1970年大阪万博から今日のインバウンド観光までの流れ!』講演概要


「時代の流れを読む」事業を通じて学んだ事
〜1970年大阪万博から今日のインバウンド観光までの流れ〜
(平成28年9月5日)
参加者数:35名

亀岡育男 様
(株式会社初亀 代表取締役)


亀岡育男さまは、1970年大阪万国博覧会に20歳で出店され、以来45年で国際博覧会・地方博覧会・大規模イベント等に200店を超える飲食店を出展された。

1970年「大阪万博」は、入場予定者数4500万人であったものが6400万人入場され、食単価600円で384億円という食マーケット規模になった。
4500万人のところに6400万人来られたので、本当に大きな成果を上げることができた。
1975年の「沖縄海洋博覧会」は、マーケットとして厳しいことが予想されたので出展しなかった。
1985年の「つくば技術博覧会」は、予定入場者数を2000万人とされているが、4000万人は入るだろうとの思惑のなかで計画され、2033万人しか入場されなかったため、客単価1000円になったが全体の食マーケット規模は203億円と厳しいものになった。 
情報を入手した時は間違いなく大きなビジネスチャンスになると思い、6店舗を応札し、600人を雇用し万全の体制で臨んだが、初日から入場者は少なく、”失敗する”ということを味わった。
それ以降、マーケット予測として、何店舗の出店があり、何㎡あるかを計算し、しっかりとした需要予測をするようになった。

この時期から「地方博」ブームが来て、毎年4ヶ所程度開催された。
1990年、大阪市政100周年を迎え「国際花と緑の博覧会」が開催された。実務者のボランティアとして運営企画に参画することになった。これまでの博覧会では、営業者は金儲けに来ているのだからとヨソ者扱いだったが、「お客様と接するのはコンパニオン、ガードマン、店舗の従業員。これらの意見を大切にしないでどうするのか」との意見が出て、実務者も交えて検討を進めたのが大成功の要因だったと思う。
この博覧会の「マジカルクロス」という遊園地でビアフェスタをやることとなり、ミュンヘンのオクトーバーフェストをモデルに実施することとなった。

この頃「ラスベガスが凄いことになっている」との話が聞こえるようになり、視察に行った。
ラスベガスの歴史は、1931年にギャンブルが合法化され、1946年にマフィアが入り「フラミンゴ」が作られ大歓楽街になった。1966年にはハワードヒューズがマフィアを追い出し健全化した。1989年スティーブ・ウィルがホテル「ミラージュ」を開設してMICEの原型を作った。
当時ショーマンの憧れは、ブロードウェイに出演するかムーランルージュに出演するかだったが、ギャラの高いラスベガスを目指すようになった。
飲食業の視点でも、世界のトップクラスのレストランが並んでおり、食事を楽しむ場所となっていた。
ラスベガスがMICEの方向に進むこととなったが、マカオは賭博シティになっている。これはお客様がその雰囲気を作っているのだと感じた。

2005年、行政もお金がなくなり、地方博も開催されることがなくなった。
博覧会が大きなビジネスだっただけに打撃を受けたが、「国際花と緑の博覧会」で経験したオクトーバーフェストの簡易版を天王寺公園で展開することとした。オクトーバフェストは、ドイツビール、ベルギービールを飲むイベントだが、フォークソングで老若男女が踊る”盆踊り”のようなイベントにしたいと思い、そのため盛り上げのスタッフを増やしている。

これまでの経験のまとめとして、
①時代の変化に適応する(今良いものが明日も良いとは限らない)
②独自性(オリジナル)と多様性をあわせ持つ(強みの育成)
③攻める (常に攻めていて現状維持・挑戦により人財は育つ)
④己を知る「知っている事と出来ることは異なる。」(規模の拡大より長寿企業をめざす。幸せな成功を実感する)

博覧会のフードビジネスにおける成功と失敗についてノウハウから、企業の理念まで奥の深いお話を聞く機会になりました。
亀岡さま、ありがとうございました。

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『日本酒3.0 世界化戦略を考える!』講演概要

『日本酒3.0 世界化戦略を考える!』
(平成2872
参加者数:53名

11回「観光のひろば in 白鶴酒造」は白鶴酒造資料館の見学から始まりました。

 

 

豊富な展示物を見学した後、

VISIT JAPAN大使で、日本酒の利酒師の資格を持つ、大阪経済大学・関西国際大学 客員教授の李 容淑(イ・ヨンスク)先生に『日本酒3.0 世界化戦略を考える!』について語っていただきました。



インバウンド観光客は確実に増えており、外国人が日本の伝統文化や日本食、そして日本酒に触れる機会が増え、日本酒の輸出量も確実に増えています。
外国人が評価する日本の魅力は『匠』です。「現代技術」は、車の自動ドア、自動販売機にインバウンドは感動します。さらに焼き物、和紙、日本酒のような「伝統技術」に感動します。
日本酒の輸出先の1位はアメリカ、2位は香港、3位は韓国です。韓国における日本酒の消費量は過去10年間で15倍と飛躍的に伸び、日本酒の海外輸出の22%が韓国です。

韓国人が日本酒を好む理由は飲酒文化の変化があります。マッコリ⇨焼酎⇨ビール⇨ウィスキー⇨ワインと好みが変化し、今、日本酒が人気となっています。それは日本酒の品質の良さ、日本の匠の技や技術への信頼の裏付けがあります。これまでアルコール度の強い焼酎を飲んできた韓国人は、日本酒を健康的、二日酔いがないとして好まれるともいいます。日流ブームで居酒屋などが急激に拡大したのも大きな理由です。

韓国のお酒、「マッコリ」「百歳酒」や、韓国で作った米のお酒「雪花」、野いちごで作った「覆盆子」などのお酒の紹介がありました。またビールととウィスキーを混ぜた「爆弾酒」の動画は圧巻でした。

https://www.youtube.com/watch?v=3uQa6xhsFFk
韓国ではお酒の飲み方も楽しむので、テーブルに置けないお猪口などを日式専門店に投入するなどの提案もありました。
1万円する日本酒と千円の日本酒の違いは飲み比べないと分からないので、利き酒で本当の味を知ってもらう必要があるとのお話でした。

日本酒を作るときに、酒米を使用する理由、精米する理由、精米による品質の違い、数秒を争う洗米、麹による糖化、酵母によるアルコール発酵など、複雑な製造工程を理解してもらわなければ本当の日本酒の良さは伝わりませんと結ばれました。

日本人でさえ知らない日本酒の話をお聞きして、日本人がもっと日本のことを学ばないといけないと気付かされる講演となりました。
(配布)白鶴日本酒3.0.pdf
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『インバウンド時代がやって来た! 〜『観光のひろば』から見えるもの〜』(講演録)

『 インバウンド時代がやって来た! 〜『観光のひろば』から見えるもの〜 』
(6月1日)
 
第10回『観光のひろば』は51名の参加をいただきました。
 
星乃 勝 様 
(NPO法人スマート観光推進機構 理事長)

『観光のひろば』にどうしてこれだけ人が集まるのだろう…
あらためて名簿を見ると参加する人が”多様”なことに驚きます。それだけ『観光』は”多様”であることの表れだと思います。これまでのゲストも”多様”な内容でした。
”多様”な人が『観光』について学び、語り合える場は『観光のひろば』の場のほかでは見当たらないと改めて思いました。
 
講演は「何故、インバウンド観光に取り組むのか」から始まりました。
1940年代は子供が多くて高齢者が少ない時代から2050年には高齢者が多くて子供が少ない時代に人口構造が逆転する。これは労働人口の減少を指し、高齢者を支える人が少なくなることだ。このような時代だからこそ、新しい産業として『観光』に注目が集まっている。
昨年のインバウンド1974万人。アジア83%だが、欧米も増加している。世界中で海外旅行が増え11億8400万人になっている。
ある国際ブランド力調査で日本は6位だった。そのなかで「最先端のアイデア、新しい考え方を生み出すクリエイティブな場所」が1位なのは嬉しい。逆に「豊かな自然があるか」が16位なのは、まだ日本が知られていないからだ。日本に来て「良かった」とのクチコミから、さらに日本の良さが伝わっていくことだろう。

『観光のひろば』のゲストの話を振り返ります。

8月は、観光庁観光地域振興部長 吉田雅彦様に「期待が高まる関西の観光」について、観光統計と地方で頑張っている事例の紹介をいただきました。また、元京都市観光政策監の清水さまには「京都の観光」について語っていただきました。
京都市の観光は中高年の女性が10回以上訪問している。それにはたゆまぬ努力がある。最近の出来事では、四条通りの拡幅工事がある。これにより道路が2車線に減り、歩道が6.5mに倍増した。歩行者が増え、商店街の売り上げが倍増している。カンバンの撤去も素晴らしい。
9月は、李 容淑先生に「日本酒と観光」について語っていただきました。
韓国では日本酒の輸出量が10年で15倍。日本酒の輸出の22%が韓国。日流ブームとアルコールの強い焼酎から日本酒へと変わる健康志向が日本酒の消費量を増やしている。
10月は、関空の石川執行役員には「関空のインバウンド戦略」について語っていただきました。
関空は2014年度に国際線旅客数の外国人利用が日本人を越し、2015年は外国人利用が1100万人。日本人利用が610万人。今年の2月に外国人利用で成田を抜き日本一になった。
関空の案内所「関西ツーリストインフォメーションセンター」は日本一! 王さんという副所長が「台湾の同胞に日本を好きになってもらいたい」と頑張っている。質問で最も多いのは「鉄道パス」の話。「私のプランに一番良い鉄道パスはどれですか」の質問だという。
11月は、(株)シーズの三宅さまに「ムスリムへのおもてなし」について語っていただきました。
2030年、􏰁イスラム教徒が全世界の26%になる。ムスリムの観光客はイスラム教の戒律に厳しい人から、それほど厳しくない方まで個人差が大きい。そして困られているのは食事。豚肉は戒律でも禁止されており口にする人はほとんどいない。しかしお酒は飲まない人もいるが、旅先では飲む方も多い。「私のお店ではこの条件で料理を提供します」と表示する「ムスリムフレンドリー」を提唱されている。
1月は、グーグルの杉原執行役員に「グーグルを使った地方活性化」について語っていただきました。
過去3年でGoogleにおける旅行関連検索数は2倍に増えた。そのなかでもスマホ利用が増えているのは、旅中でスマホを利用する人が多いということ。スマホへの観光情報の提供が重要だ。しかし国や地域によって検索の傾向は異なる。国や地域に合わせたプロモーションが必要になる。
2月は、ぐるなびの杉山執行役員に「ぐるなびの観光戦略」について語っていただきました。
ぐるなびの月間総アクセス数11億PVと右肩上がりに増えている。2013年は日本からのアクセスが59%だったが、2015年には海外からのアクセスが59%と逆転している。トリップアドバイザーやミシュランとの連携でさらに海外からのアクセスが増えるのだろう。
3月は、(株)マイルストーンの谷川様には「中国人の医療ツーリズムの動向」について語っていただきました。
外国人患者を受け入れたことがある病院は79%、訪日外国人の医療が15%、医療ツーリズムという検診と観光を組み合わせたものがが6.4%。
今年の春節期間中に海外で過ごした中国人は600万人という。その2割が健康・医療。美容や健康を求める中国人も増えている。
4月は、エクスポート・ジャパン(株)の高岡様には「インバウンド観光におけるICT戦略」について語っていただきました。
「ジャパンガイド」という日本一の訪日外国人向けの日本情報ポータルサイトを運営しており、「ジャパンガイド」は、47都道府県、179地域、1700ページが掲載されている。これは代表のステファンさんが日本が好きで、自分の足で歩き写真を撮り集めた生地だからこそ成し遂げたもの。CMベースでは地方の情報を掲載することは難しいとのお話でした。
5月は、エール学園の長谷川理事長と西村様に「留学生をインバウンドに活かすため」について語っていただきました
渡日留学生は24万人と増えている。留学生の感性や語学を活かした観光プロモーションや市場調査など『おもてなしプロジェクト』に取り組んでいる。特に効果が高いのは留学生によるSNSによる発信。『国際人財活用ネットワーク交流会』も多様な人の交流を生んでいる。
15年ぐらい前から留学生に地域清掃をさせることによって地域の人の心が開いたという。相手を立てる理念を吸収することによって、関係性が豊かな人材が育成される。この留学生が日本で雇用され、母国に帰るときに「平和の使者」になると語られた。

政府目標の2020年4000万人、2030年の6000万人という数字は、本当にこれを推進しても良いのだろうか?
清水寺の参道は歩けない状態だといいます。もし事故が起こったら… 
宿が足りない、駐車場・観光バス・運転手が足りない、通訳ガイドが足りない、見直す必要があることがたくさんある。
「民泊」に注目が集まっている。ホームステイ型はトラブルも少なく、ホスピタリティが高いが、家主不在型は、騒音などトラブルがあるという。万が一事故が起こった時、誰が責任を取るのか。損害は誰が保証するのか。国で真剣に議論してもらいたい。
『観光』を考える前に、『住民生活の場』であることを認識する必要があると、スマート観光推進機構は考え方をご紹介しました。

最後にスマート観光推進機構の取り組み「インバウンドツアー・体験教室カタログ」「インバウンド村構想」をご紹介しました。
質疑応答の中で『観光』の真の目的は「世界平和」であることも確認されました。

交流会にも多数の方が参加していただけました。
大切なのは、”多様な人”が交流すること。良い話を聞いただけで終わるのは何とも勿体ないと思います。

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『 留学生をインバウンドに活かすために 』
(5月9日)
 
第9回『観光のひろば』は84名の参加をいただき超満員でした。
 
長谷川惠一様 
(学校法人 エール学園 理事長) 
西村康司様 
(学校法人 エール学園キャリア支援室長)
 

訪日外国人の急増で、外国語ができる従業員が求められています。そのようななか留学生の人材育成、雇用に力を入れてこられたエール学園の取り組みをお聞きしました。
冒頭、「何の対策も打たなければ2030年には1300万人の生産人口が減り、GDPも下降していく」、対策は「女性、高齢者、外国人の活用」との問題提起から始まりました。
世界の留学生は増加しており、日本での受け入れも徐々に増加していますが、先進国のなか決して多いとはいえません。
日本にいる外国人人口は2014年で212万人、留学ビザは18・4万人。2030年に留学生を30万人にする計画があり、2015年の入国管理局のデータでは24万人が渡日しているといいます。

専門学校の留学生は、大学入学のための日本語学習と、手に職をつけるため学ぶ学生がいます。職業教育としての留学生は、IT、自動車整備、デザイン、観光、建築などの分野で、海外の大学と提携することができます。日本で就労できない分野は、調理師(2年前から和食が2年間のみ許可)、美容師、医療技師などの分野があり、今後、政府に働きかけたいといわれていました。
エール学園には留学生が1100名在籍しており、中国40%、ベトナム35%、ネパール、台湾、韓国などその他の国25%となっており、なかでもベトナムの留学生が急増しています。

20年前、留学生は生活習慣や文化の違いにより地域から疎外されていました。15年前ぐらいから地域清掃に取り組むようになり、地域の人が心を開くようになったといいます。

エール学園では「おもてなしプロジェクト」として、留学生が外国人の感性を活かした地域貢献に取り組んでいます。
商談会の通訳や覆面調査、観光プロモーションやファムトリップのお手伝いなどがあります。3ヶ月以上の長期インターンシップもあり、関西空港観光案内所などはとても忙しいそうです。
(インターンシップは授業時間に実施するので無償で、交通費の支給だけお願いしているとのお話でした)
留学生の観光への貢献は、外国人の目線の気付き、提案・アドバイスも貴重ですが、何といっても母国語でSNSに発信してくれることです。地方創生の取り組みも始まっているといいます。
そして地場産品などの輸出のお手伝いもしたいともいいます。
これらの取り組みは、エール学園だけで取り組むことは不可能であり、産学官連携で取り組む必要があります。そのため「国際人財活用ネットワーク交流会」を開催されており、前回は493名も参加したといい、次回は6月23日だそうです。
http://www.ehle.ac.jp/blog/archives/1785

「国際人財活用ネットワーク交流会」の動画
https://www.youtube.com/watch?v=NBVmtpAhLbU

留学生の就職率は全国平均で30%ですが、エール学園はインターンシップの効果もあり100%を達成しているといいます。


エール学園における留学生のボランティア活動やインターンシップの取り組みは本当に素晴らしい。
留学生にとっても日本文化を知りきっかけとなり、人生の良き教訓を学んでおられます。
それらの成果が、就職率100%につながっているのだと強く感じました。

 

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『インバウンド観光におけるICT戦略』
(4月6日) 

 

エクスポートジャパン株式会社

代表取締役
高岡謙二様


8回「観光のひろば」41名の参加をいただき超満員でした。

 訪日外国人の「おもてなし」不満ランキングの1位は「外国語サービスが少ない」、2位「無料Wi-Fiの整備が遅れている」、3位「食券システムが分からない」、4位「食べ方を教えてくれない」、5位「現金しか使えない」となっています。
鉄道の時刻表も赤字、黒字、マークを付けて特急や普通電車などが分かるように作られていますが、英語で説明を加えても複雑すぎてわかりません。“QRコード”を使って翻訳・読み上げをする「QR Translator」で世界を言語バリアフリーにすることを高岡さまは目指しておられ、関空、伏見稲荷神社、セブン-イレブンなどで展開されています。
セブン-イレブンでは、おにぎりの具材やラッピングの外し方を絵と文字で提供されており、単なる翻訳でないコミュニケーションの取り方を工夫されています。
聴覚障害者には手話で答える工夫も考えているとのことでした。

訪日外国人向け日本情報ポータルサイトでNo1の『ジャパンガイド』を1996年から運営(UU:184万人、月間PV:920PV)されており、47道府県179地域1700ページにも及ぶと言います。
利用者は10代から30代で79%。訪日経験6回以上が51%というから驚きです。当然、個人旅行が89%を占めます。
観光ウェブサイトは広告収入で成り立っており、地方では広告収入が取れないため取り扱わないメディアが多いが、ジャパンガイドを創業したスイス人のステファンは、“日本が好き”で地方の情報もくまなく発信したため、日本全土を網羅することとなったと言います。
地方の観光サイトのあり方を考えさせられる話でした。

「“関西”を世界にプロモート」するポイントは『食』ではないか。世界中の料理を食べることができ、リーズナブルな料理から高級な料理まである。この多様性こそがポイント。
10年前の訪日客は、アジアはショッピング、欧米は歴史・文化を1位にあげていたが、今は「日本食を食べる」であり、『食』が大きな動機になると語られました。

また、外国人目線の欠如の事例として日本の予約画面の“○”“△”“×”を示され、日本語のインターフェイスは日本独自のもので、世界共通ではない。
プロモーションは、表面的な情報を少しずつ出すより、尖った情報を出したほうが伝わりやすいと締めくくられました。

懇親会場でもデモ機材を持ち込み応援していただいた同社の伊奈さま、黒崎さまにも感謝申し上げます。

 

 

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『医療ツーリズム 〜中国人の動向〜 』 

(3月2日)

 


第7回『観光のひろば』
も44名の参加をいただき超満員のなか、有意義な時間を過ごすことができました。



中国人観光は、黄金ルートの観光と爆買いから、個人旅行に変化し、テーマ性のあるもの、体験、高付加価値のあるものへと変化しています。そのなかに医療・健診、ヘルスケア、美容におけるニーズも高まっています。

日本政策投資銀行のレポートには、2020年における日本の医療ツーリズムの潜在的市場規模は5507億円、経済波及効果を2823億円と試算され、来日する医療ツーリスト数は42万5000人とし、うち中国人は31万2000人といいます。

中国人の中間層・富裕層にとって、海外での医療のほうが、費用対効果も高いので需要は大きいのですが、日本の医療機関は“地域医療優先”や“医療通訳者の問題”“マンパワー不足”から積極的に受け入れる体制とはなっておりません。コミュニケーションの問題も大きく、トラブルや訴訟への対応、食事や宗教への配慮の心配もあります。
中国人患者のマナー不足による問題や、受診料の不払いや値切り交渉、直前の変更やキャンセルなど習慣の違いも大きな問題です。また日本で治療したから必ず治るなど“過剰な期待”による問題もあります。
医療ツーリズムへのリスクコントロールとしては、受け入れフロー確立、医療機関・コーディネート機関・旅行会社が一体となりノウハウ共有、医療通訳者の養成、前払い・キャンセル料の徹底などがあげられますが、これから取り組まなければならない問題がほとんどです。
中国の経済成長や生活水準の向上から、不健康な生活様式に起因する糖尿病が急増しています。糖尿病を日本で治療したいというニーズも高まっています。また、日本の美容へのニーズも高いです。
“医療・健診”だけでなく、“健康・美容”、“日本文化や生活に触れる体験”、“グリーンツーリズム”なども組み込んだ総合的なヘルスケアツーリズムを、ニーズに応じてフレキシブルに提供できる仕組みを構築してまいりたいと締めくくられました。

2016年の春節(旧正月)期間中に国外に旅行に出かけた中国人の数は600万人に達し、その2割が“健康・医療”を目的に出かけたと中国メディアが伝えています。
医療ツーリズムは、「日本再興戦略2015」にも“医療の国際展開の促進、医療・介護・ヘルスケア産業の活性化”が盛り込まれるなど注目される産業の一つです。これからの発展が期待されます。
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『 ぐるなびのインバウンド戦略 』

(平成28年2月5日)
 
第6回『観光のひろば』は45名の方に参加をいただきました。
今回も、とても評判が良く、内容も充実しておりました。交流会には“ぐるなび”のデモ機を持ち込み、講演内容を実際に体験してもらったり、質問してもらったりと、交流以上に充実した内容になりました。


・・・・・・・・『“ぐるなび”のインバウンド戦略』・・・・・・・・


“ぐるなび”は掲載店舗数が約147,000店、月間総アクセス数11億PV、ユニークユーザー数5,200万人/月、会員数1,363万人という、『食』の一大サイトを運営されています。
インバウンドの訪日目的の1番は「日本食」です。1位「寿司」、2位「ラーメン」、3位「刺身」と並びますが、“ぐるなび”でアクセスが多いのは、英語圏では「寿司」、台湾・香港では「和牛」、中国では「食べ放題」だと国により嗜好が違うといわれました。
しかし、インバウンドの方からは①日本のメニューがよく分からない・食材が分からない。②店の雰囲気が分からない・誰と行ってよいのか分からない。③外国人が行ってもよいのか分からない。との声が多いそうです。
テレビ東京の「ガイアの夜明け」でも、多くの外国人が訪れるようになった街で、外国語メニューがないためコミュニケーションもとれない、食材の説明がないため注文と違うなどのトラブルが紹介されていました。
http://www.tv-tokyo.co.jp/gaia/backnumber3/preview_20151013.html

そこで登場したのが「メニュー情報一元変換システム」でした。日本語で料理名、料理の内容、食材、などを入力すると、外国語に変換されるシステムで900万にものぼり、これでは外国人は理解できないので2500に変換するといいます。
外国語メニューがあるだけで、外国人は大喜びされています。
外国人のアクセスも、2013年は日本でのアクセスが58.7%でしたが、2015年には海外からのアクセスが58.6%と逆転しています。
またネット予約はドタキャンが怖いと、ほとんどの飲食店が導入しておりません。“ぐるなび”ではコンシェルジュが予約代行するサービスを展開しており、実来店99.6%を達成しておられます。

「日本の食文化体験」も人気です。
「にぎり寿司体験」では、最初に紙芝居で説明したうえで、体験指導に入られます。そして、最後に卒業証書が授与れるとのことで、とても満足度が高いといいます。

今、ミシュラン社やトリップアドバイザー社と本格的なコラボレーションが始まりました。
「食」を通じて、充実した訪日観光をインバウンドの方に楽しんでいただき、さらにリピーターになってもらいたいとのお話でした。

観光のひろば 公開資料(株式会社 ぐるなび).pdf
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『 グーグルを使って地方活性化ができるか ?! 』 
(平成28年 1月 8日)

第5回『観光のひろば』は70名の参加を得て賑わいました。
今回も多くの方から「良い講演だった」と好評を博しました。交流会も40名と過去最高!

皆さんに喜んでいただきました。

次回の『観光のひろば』は、2月5日(金)ぐるなびの杉山執行役員様です。
ソールドアウトになる可能性が高いので、早めにお申し込みください。


・・・・・・『 グーグルを使って地方活性化ができるか ?! 』 の講演概要・・・・・

現在、世界のインターネット人口は30億人。2025年には50億人になると予想されています。
そして、Googleの世界中の検索件数は毎月1000億件以上。Googleマップの世界中の検索件数は毎月10億人以上。YouTubeも毎月10億人以上が利用します。
Googleは、「世界中の情報を整理し、世界中の人々がアクセスできて使えるようにする」ミッションを持って活動しています。
Googleにおける旅行関連検索数は、過去3年で2倍に増加し、スマホが大きなけん引役になっています。
世界における「日本」キーワードの検索数は、増加傾向にあり、1位が「食」、2位が「衣」、3位が「観光」です。
地域に応じて傾向は違いますが、一般に欧米は「食」が多く、アジアは「観光」の検索が多いようです。しかし同じ欧米でも、イタリアは「ファッション」への関心が高いなど、国によっての違いも見てとれます。
性別、年代、興味関心、そして居住地に合わせた広告を打つことにより、より効果の高いプロモーションが可能です。
タイの水害のあと観光は大打撃を被りました。
国をあげたキャンペーンで美しい写真が11万枚アップされたことにより、タイへ􏰂訪問客が19%も増加しています。
日本でも伝統文化などの匠の技を伝えることが大切ではないでしょうか。
89%の旅行者が、旅行の検討にインターネット検索を行います。
そして、訪日旅行者の93%がインターネットを活用し、スマホなどのモバイルを活用します。
このような変化を先取りすることが必要です。
旅行者、競合国、日本の現状からも、地域おこし施策にICT(Web)の活用は重要な戦略の柱です。
その為にも、デジタルマーケティングの活用や人材の強化をおすすめします。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
160108 Googleレジメ.docx
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『観光を考える大交流会』

日時:平成27128日(火)

場所:道頓堀ホテル
多様なジャンルの60名が参加

60名の熱気で汗を掻くほどでしたが、皆さまから「良かった」の声をたくさん頂戴いたしました。
内容があり、かつ人間味の溢れた交流会になったと喜んでおります。

「スマート観光推進機構」の新事業も発表させていただき、大きな節目を飾れました。
あの熱気を短い表現でお伝えするのは難しいですね…
ご参加いただいた皆さま、誠にありがとうございました。

 

冒頭、『観光のひろば』の講師の方からメッセージをいただきました。
 大阪経済大学 客員教授、(株)リンカイ 代表取締役社長、VISIT JAPAN 大使  李さま
 新関西国際空港株式会社 執行役員  石川さま
 株式会社シーズ 代表取締役  三宅さま

続いて私どもNPOと関連の高い団体の方からメッセージをいただきました。
 「なにわ名物開発研究会」の野杁会長
 「公益財団法人都市活力研究所」の近藤事務局長、
 「大阪デジタルコンテンツビジネス創出協議会」の山田事務局長、
 「大阪産業創造館」の上田さま、
 「(株)いろどり」の福島さま

「スマート観光推進機構」の新事業の発表
 ・インバウンドビジネス展示会・商談会
 ・インバウンド村構想

乾杯の音頭は、近畿運輸局 観光部長 阪部さま
途中、約10名程のショートプレゼンの時間を持ち、これも有意義でした。

中締めの挨拶はエール学園の長谷川理事長
「なにわ名物開発研究会」の野杁さまの大阪締めで幕を閉じました。


『ムスリム訪日客へのおもてなし対応』 
(平成27年11月2日)

 

2030年に􏰁世界人口􏰂うちイスラム教徒が26%に至るなか、 アジア太平洋地域から􏰂海外旅行者数が2019年まで前年比 10.0%前後􏰂ペースで増加すると言われています。


訪日されるムスリムの方にとっての”おもてなし”とは何か、株式会社シーズの三宅基生様に語っていただきました。

訪日旅行されるムスリムの方は”戒律に厳しい方から、飲酒を嗜む方まで個人の宗教観の違いが大きい”のが特長です。
厳格なムスリムの方は旅行先に日本を選ばないと言われ、旅行先では礼拝の回数を減らすなど宗教観を緩めて、日本の文化を楽しむ方が多いようです。
訪日旅行で困られるのは食事です。ムスリムの方は戒律で豚肉の禁止です。アルコールも戒律では禁止なのですが旅先では嗜む方も多いといいます。ようはムスリムの方に「私のお店では、このような条件で料理を提供できます」と表示することが望まれており、このような表示がムスリムの方に対してフレンドリーだと伝えることになります。
大勢の懇親会の時などは、ハラル料理とハラルでない料理に区別して提供することがポイントのようです。
また、空港や大きなターミナルでは専用の男女別の礼拝所があり、ホテルなどにはお祈りの方角を示すキブラ表示も大切だといいます。

ムスリムフレンドリーは、イスラム教やハラルについて知ること、ムスリムの方の立場で考えること、身の丈にあったおもてなし、正しい情報を伝えること、評価はムスリムの方に委ねようの5か条だとし、「ハラル認証にこだわらない、ムスリムレンドリー」という考え方が必要だと締めくくられました。




ムスリムセミナー レジメ.docx
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「関空のインバウンド戦略」 

(平成27年10月7日)

 

新関西国際空港株式会社 執行役員、コーポレートコミュニケーション部長の石川浩司様に関西国際空港の現状とインバウンド戦略について語っていただきました。

 

 関空における航空旅客数は順調に推移しており、2014年度、14年ぶりに2000万人を突破しました。国内線旅客数も増加しましたが、特に国際線外国人旅客数は699万人と大幅に増加し過去最高でした。

 理由は、国際線LCCの就航の伸びが大きく、現在16社 21都市 週283便にもなっている点にあります。外国人のうち約75%が台湾・韓国・中国・香港で、2015年度の外国人旅客数は更に増加し1000万人を超える勢いだといいます。

 今後のインバウンド戦略は、成田より1時間近い地理的優位性を活かして、中国・台湾・韓国・香港などの東アジアのさら強化することと、成長が期待できるASEANの強化、アメリカの直行便の増加、ヨーロッパに関西の魅力のさらなる発信があげられていました。

 関空の取り組みとしては、自動チェックイン機の導入、出入国検査場における自動化ゲートの増設、保安検査場ブース増設、優先レーンの設置など出入国手続きを進めておられ、無料WiFiの強化やムスリム対応などおもてなしアップにも取り組んでおられます。

 空港別では、成田の出国外人数が最大ですが、来年にも関空が日本一の空港になる可能性もあるそうです。

 このように関空にインバウンドが押し寄せていますが、ホテルが満杯、観光バスが手配できないなどの問題もあり、関空へのアクセスを含め、総合的にインバウンド対策を立てなければならないとのご指摘でした。

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2020年オリンピックを目指すインバウンド観光ビジネスと日本酒世界化戦略」

(平成27092)

 

VISIT JAPAN大使で、日本酒の利酒師の資格を持つ、大阪経済大学客員教授の李 容淑様にインバウンド観光と日本酒について語っていただきました。

 

 インバウンド観光に何故、力を注がなければならないのか? それは日本の人口減少とともに鈍化する経済を支える一つの柱に育つところにあります。

 インバウンド観光客は確実に増えており、今年は2000万人を達成。今後3000万人達成も可能です。また2014年の旅行消費額は2兆円を超えました。

 このように順風満帆にみえるインバウンド観光ですが、宿泊施設や観光バスが不足しています。なかでも通訳士の不足は深刻です。訪日韓国人のガイドの99%は韓国人です。日本人ガイドがいないので韓国人がガイドをしますが、日本文化については日本人ガイドでないと十分な説明ができません。

 外国人が評価する日本の魅力は『匠』です。匠には「モノ」と「精神」があり、モノは技術で、「伝統技術」と「現代技術」に分けられます。車の自動ドアや自動販売機にインバウンドは感動します。さらに日本酒のような伝統技術に感動します。その伝統技術は日本の精神が根付いているからです。

 日本酒の需要が低下しています。しかし韓国における日本酒の消費量は過去10年間で15倍と飛躍的に伸びています。

 日本酒は酒米で作りますが、韓国では酒米はありません。なぜ酒米を使用するのか、なぜ精米するのか、精米による品質の違い、数秒を争う洗米、麹による糖化、酵母によるアルコール発酵など、複雑な製造工程をストーリー化して伝えなければ日本酒の良さは伝わりません。

 『観光』と『伝統産業』と『ホスピタリティー』で、インバウンドの3000万人達成を目指してまいりましょう。

150902李先生講演資料.pdf
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第1回『期待が高まる関西の観光』

(平成27年8月1日)


【ゲスト】

観光庁 観光地域振興部長 吉田雅彦氏

元京都市観光政策監    清水宏一氏

 

観光庁 観光地域振興部長の吉田雅彦さんをお招きして、国の立場で観光の最前線で指揮されて来られたをお聞きしました。また、元京都市観光政策監の清水さんから京都市における観光の取り組みについてお話しいただき、中央と現場の双方から見た観光への取り組みについてクロストークしいただきました。 

150801 案内状.pdf
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150801 (清水・配布)地域創生と観光事業創造.pdf
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150801(吉田・配布)期待が高まる関西の観光.pdf
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