奈良少年刑務所ホテル化計画と、これからの奈良観光を学ぶ(レポート)

『観光のひろばin奈良』

 

〜 奈良少年刑務所のホテル化計画と、これからの奈良の観光を学ぶツアーのレポート〜

 

日時:平成30年10月13日


 

 

 

近鉄奈良駅に13時集合、奈良県庁の屋上から興福寺や東大寺などを眺望しました。明治の廃仏毀釈により、興福寺や東大寺の敷地が国に召し上げられ、それが奈良公園になったとか。
奈良の位置関係を学んでから、本ツアーの目玉「奈良少年刑務所」に向かいました。
14時に「奈良少年刑務所」に到着。上地支所長様から丁寧なご説明をいただきました。

・ 26歳未満の初犯の者に手に職をつけさせることも目的とした696名収容の刑務所だった。
・ レンガ造りの建物の全てと、木造建物の一部が重要文化財に指定されている。
・ 江戸時代の牢屋と、明治時代の刑務所を展示として残す計画。
・ 全国7カ所の少年刑務所の一つで、明治41年に竣工した山下啓次郎設計による「明治の五大監獄」の一つ。敷地は10万㎡以上。
・ レンガ造りの刑務所は地上2階建の独居房、3人部屋、雑居房、作業場などからなり、放射状の形状を取るのは、少ない人数で監視(夜間は2名で監視)できるように放射状にした。また、半地下部に風呂施設が設けられている。
・ 明治時代、外国との不平等条約を解消するためにも、刑務所の近代化に力を入れた。
・ 平成28年度末に閉鎖。平成29年コンセッション方式で運営権をソラーレ ホテルズ&リゾーツ(株)など8社に売却。今後、建物の耐震補強や改装をして、2021年春にホテル等の複合施設をオープンさせる計画。(契約期間は30年+30年)
・ 2019年10月に史料館をオープン。
・ ホテル転用後に、近接する鴻ノ池運動公園などを含めた奈良市北西部の観光振興を図るため、奈良県と奈良市、法務省は包括連携協定を結んでいる。
・ 設計した山下啓次郎氏は外国の施設を視察し、外国でも標準的だった放射状の形状のものを設計。

広大な敷地、広大な煉瓦造りの建物と圧倒されました。建物中央の監視所を中心に放射状に配置された2階建の棟があり、通路の中央が鉄格子。1階も2階も監視できるように作られた異次元を感じる建物でした。
牢獄は狭く、収容されている人はかなり圧迫感を感じそうです。内部は洗面、トイレ、小窓があり、入口の扉も頑丈で、当然内部にはノブがありません。間仕切りレンガの厚みは200mmを超えており、簡単に脱出できるような構造ではありません。
江戸時代の牢獄が保存されているのにも驚きました。何処にあり、どのように使われたかは不明ですが、西郷隆盛が遠島になった牢獄を彷彿させる建物です。江戸時代の牢獄と明治時代の近代的になった牢獄との差に不平等条約解消への意気込みを感じさせるものを感じました。

1時間少しの見学を終え、次の見学場所「吉城園」に移動しました、
「吉城園」は興福寺子院の摩尼珠院があったものが、明治期に民間所有となり、大正8年に現在の建物と庭園が造られた後、奈良県の所有となったそうです。
隣接する知事公舎とともに富裕層向けの宿泊施設の計画があるといい、現在、知事はここを退出されているそうです。隈研吾のプロデュースで、2020年の春にまちびらきさせるようです。

最後は県庁の東側のバスターミナルの工事現場でした。敷地8655㎡に3階建ての建物。展示施設やレクチャーホールも備えた広大な施設で、単なるバスターミナルではありません。ここを起点に周辺にバス網ができると素晴らしいアクセスが期待できそうです。
宿泊施設の計画も次々に浮かんでおり、このバスターミナル、少年刑務所などがリンクする新しい奈良の観光の姿を見せていただくことができました。

奈良県まちづくり推進局の竹田博康所長さま、素晴らしい計画のお話をありがとうございました。

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パネルディスカッション

『インバウンド観光 関西は、一つずつ』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

関西観光本部事務局長 森 健夫 

京都市:京都市産業観光局 観光MICE推進室 観光戦略課長 西松卓哉 氏

大阪市:大阪市商店会総連盟理事長 千田忠司 氏(中央区商店会連合会会長)

神戸市:有馬温泉 瑞泉御所坊主人 金井啓修 氏

奈良市:NPO法人スマート観光推進機構 理事 中西弘之

   コーディネーター:NPO法人スマート観光推進機構副理事長、

              関西ベンチャー学会理事

              清水宏一 (元・京都市観光政策監)

 

清水:関西の観光連携は、京都、大阪、神戸の三都物語から始まっています。

言葉についても、関西には「関西弁」という定義はなく、京都は「京都ことば」、大阪は「大阪弁」といい、それぞれの特徴のあるのが関西の特徴です。

それでは京都、大阪、神戸、それに奈良に加わってもらってご意見をお聞きいたします。

千田:「大阪ミナミの挑戦 時代を先取りしたミナミの努力 モノからコトへ」のお話をさせ

   ていただきます。商店会も最盛期の1/3に商売人が減っています。

   「何とかせなあか ん」との思いで集客活性化に取り組み、2000年に「人づくり・まちづ

   くり・モノづくり」+文化の再構築を始め、2007年にインバウンド対策に取り組み「銀聯

   カード」を導入、2010年に「多言語指差しシート」を導入しました。5年前に黒門市場で

   「食」をSNSで発信しようと取り組みが始まり、3ヶ月で今の賑わいを作りました。こうし

   た地域ネットワークの集大成として「大阪活性化事業実行委員会」を立ち上げ、商店

   会や企業、行政が連携して観光振興に取り組むため、2017年に国土交通省の「地域

   DMO」の候補法人にも登録されました。今後、「大阪万博」や「IR」の活動にもつなげて

   いきたいと思っているところです。

 

最後に皆さんにお願いしたいのは、大阪市の「ふるさと寄付金」です。この寄付金の「経済振興関係」に寄付をいただいて、商業振興に活用させていただきたいと思っています。

http://www.city.osaka.lg.jp/seisakukikakushitsu/page/0000006525.html

金井:神戸市は1981年の頃、「風見鶏の館」ブームやポートピア開催により、神戸は日本

    の憧の観光地になりました。しかし、当時の神戸市観光白書に「有馬温泉は神戸観

    光のお荷物」と書かれていたそうです。

有馬の泉源は地下200mから97℃湯が沸いています。六甲山の標高は932m、有馬の標高は400mで、海抜200mから温泉が湧いていることになります。塩分濃度は神戸港で3%。有馬の湯は6%。世界一塩分濃度が高い湯になります。関西に火山はありません。98℃の湯は、有馬温泉の地下60kmから沸いています。

人間の塩分濃度は1%。海水が3%、それより塩辛い6%が有馬の湯。「せっかく有馬の湯に来たのでと長湯すると、浸透圧の影響で“湯あたり”を起こす」これが有馬の湯です。

また、泉源から汲み上げるパイプは34日で交換しなくてはならない、高コストの温泉でもあります。

一昔前、高級旅館とリゾートホテルがよく対比されました。高級旅館に行っても、朝は布団を引っ剥がされるし、食事も指定時間に強制的に食べさせられるとの悪い評判がたったのが、日本中の温泉旅館でした。

そのような時期、休業していた古い旅館を改装し、新しいコンセプトの宿を作りました。すると人が来るので、古いお店を改装した手焼きの煎餅屋さんができ、お好み焼き屋が昔風にリニュアルして、客を呼び込む人気のスパイラルが起こって、インバウンドが来る現在の有馬温泉になりました。

京都や姫路は欧米豪の比率が高く、有馬はアジア比率が高いですが、京都・有馬便や姫路・有馬便のバス路線を増やしてもらい誘客に努めているところです。

山椒使用した料理を日本料理の世界で“有馬煮“とか”有馬焼“と言われています。その有馬山椒が無くなっていたので、兵庫県や神戸市、近郊の農村とで有馬山椒の復活プロジェクトを行っています。スローフードインターナショナルに絶滅危惧種の認定を受け、有馬山椒をキーに六次産業化にも取り組んでいます。

神戸は、150年前に開港した程度の歴史しかない街ですが、六甲山の水にはラジウムが溶け出し放射線が含まれるので殺菌効果があり、赤道を越えても腐らなくて美味しいというのが「神戸ウォーター」です。また、伊丹の日本酒もこの六甲の水を使っています。またこの水力を使って精米したから美味しい日本酒ができています。

神戸市で日本遺産に認定されているのは「北前船」だけですが、これに「日本酒発祥の地の伊丹」、有馬に行く道「湯山街道」とともに、六甲山を核としたストーリーを作って、「世界遺産」の登録を狙っています。

西松:京都市観光は、2001年に「観光客5000万人計画」で観光客を増やす計画から、2008

   年に5000万人を到達、2010年には量を増やす戦略から転換、経済だけでなく、都市

   のブランドにも効果があるMICEにも力を入れた観光戦略を策定しています。2014年に

   は「感動の先を目指す」目標を持ち、観光消費額も1兆円に目標をおき、国際会議の

   世界のランキングも目標を定めて取り組んでいるところです。

インバウンドの増加で、外国人宿泊者数も確実に伸びてきているところではありますが、H29年は無許可民泊への宿泊も110万人と推計されるなどの課題もあります。H29年の観光消費額も11268億円あり、京都市民の年間消費支出の約78万人分、人口の53%に相当しているので、観光の効果も正しく市民に認識してもらう必要があると考えています。

京都観光を取り巻く課題は、マナー問題、観光客の集中と混雑、観光の経済効果が広く行き渡らないなどあり、観光振興計画も見直したところで、今まで以上に「市民生活と観光との調和」が強く求められているところです。

観光客の混雑では、“季節の分散”として「花灯路」のような閑散期への誘客があり、“時間帯の分散”としては「朝観光」や「夜観光」があります。“場所の分散”では、昔、最も観光客が多かった「大原」などへの誘客に取り組んでいく必要があると認識しています。

「バスの混雑」も市民生活に影響が大きいので、ホテルにスーツケースを送る「手ぶら観光」や、市バスの「前乗り後降り」の取り組みを今年度から実施致いたします。

民泊については、家主居住型の民泊は推進していく考えですが、違法民泊は許さないという姿勢を示しているところです。

MICE戦略も、世界遺産二条城をレセプション会場に活用してもらったり、参加者へのノベルティに伝統産業のものを使ってもらう取り組みも進めています。

市長は「京都は観光都市ではない」と申しており、神社仏閣だけでなく茶道・花道など、「文化」を守る取り組みを進めないと、持続可能な観光が守れないとしているところです。

「景観」についてもH19年から高さ規制、デザイン規制、眺望景観・借景の保全、屋外広告物の規制、歴史的街並み保全などにも取り組んできたところです。屋外広告物規制では、四条通りの看板が激減しており、セブンイレブンなどの看板も落ち着いた配色に変えてもらうなど効果も出てきています。

課題解決に向けては、10月から導入される「宿泊税」を原資に活用してまいりたい。

清水:これから先の関西の観光のチャンスについて語っていただきたいと思います。

森 :これから先の関西のチャンスは「万博」です。日本人も当然来ますが、外国人を増や

   すチャンスです。外国人をどのようにして引っ張ってくるか皆で知恵を出し合いたいと

   思います。

IRについては、いろいろ議論がありますが、大きな会議場ができるのであればMICEの話にもつながってきます。

千田:来年からいろいろなスポーツイベントに世界中から来られるので、このビジネスチャ

   ンスを活かさなければならない。そのため商店会の個店が努力をしなければならない

   と考えているところです。その先には万博やIRもあり、「商都大阪は変わりますよ」と発

   信していきたいと思います。

清水:別府温泉のような宣伝の取り組みは有馬では行わないのでしょうか?

金井:六甲有馬ロープウェイは赤字で困っていますので、シースルーにする提案をしまし

   た。

六甲ライナーの窓ガラスを、住宅街を走っている時は見えないようにして、眺望の良いところに来たら透明にする窓にしたら面白い。クラウドファンディングを行ない、ニーズ調査ができると神戸市に話していますが、「年寄りが怖がったらどうする」など、神戸市が心配しているので革新的な取り組みは難しいと思います。

清水:文化庁が京都に来ますが、何かチャンスになりますか?

西松:地元として強く要望してきたので、絶対に成功させなければならないと考えています。

京都には現場がたくさんあるので。京都に来たから、これまでできなかったことができたというように持っていかなければならないと考えています。

文化庁には関西の自治体からも出向されている職員が大勢おられるので、京都に止まらず、関西全体に貢献できるような取り組みもできるものと思います。

清水:今日のシンポジウムで感じられたキラーコンテンツは何かありますか?

森 :道具屋筋商店街で、商店街をあげて取り組んで来られた内容を知りませんでした。こ

   れを関西観光本部でも、インバウンドに伝えないといけないと感じたところです。

また、金井さんのシースルーなロープウェイ提案も面白いので、実現に期待いたします。

清水:サイクリング体験を通じて感じられた、外国人と日本人の感性の違いはいかがです

    か?

中西:日本人の良さでもありますが、遠慮したり、気遣いしたりするところは、外国人にはま

    ずありませんね。自己主張が一番強いのはインド人だと私は感じています。

清水:オーバーツーリズムや手ぶら観光について、大阪で取り組まれていることはあります

    か?

千田:南海電鉄に手荷物の預かり所を要望して作ってもらいました。荷物を持つお客様は

   買い物をしないので、いかに手ぶらにするかが重要です。空港からホテルに荷

  物を送る取り組みも要望しているところです。

最近、京都で着物を着る外国人が増えましたが、着物の着方が教えられていない。京都でも、この点をしっかり取り組んでいただきたいと思います。

清水:着物の件ですが、あの業者は全て中国の業者です。

森 :関西観光本部でも、本当の着物の着方を見せる取り組みが必要と話している所で

   す。

清水:京都市バスの「前乗り後降り」の仕組みはどうなっているのでしょうか?

西松:前乗りで料金を払って、降車地でそのまま降りる方式です。バスは前輪のところが狭

    くなり降りるのに時間がかかってしまうので、後からだとスムーズに降りることができ

    ます。

清水:大阪は食の都ですが、ハラールの方への表示どのようになっていますか?

千田:厳密な「ハラール」と言われると飲食店も取り組めませんが、「ムスリムフレンドリー」

   として食材などをシ—ル表示して、MAPを作って5年ほど前から取り組んでいま

  す。

ただ「ハラール」の規制を恐れて、「ムスリムフレンドリー」取り組み店がさほど増えていないのが実態です。

インドネシアでも豚肉以外は問題ない方も多く、「ムスリムフレンドリー」で十分ではないかと思っています。

清水:有馬温泉でのハラールの取り組みはいかがですか?

金井:元々ムスリムは人前で裸を見せないので、温泉に入りに来るはずはないと思っています。それでも来る人は、それほど厳格ではない。料理も、豚肉を出さなければ基本的に問題ない人が多いと思っています。今までの経験でシーフードのお好み焼きを出せば大丈夫と思っています。

清水:近隣諸国を回る旅行はビザやパスポートが難しいと思いますが、どうでしょうか?

森 :近隣諸国を回る旅行はビザやパスポートについては外務省にお願いしているところ

   です。

今の所はプランとして見せることに注力しています。

 

事例報告 『インバウンド向けサイクリングへの挑戦

NPO法人スマート観光推進機構 理事 中西弘之

 

自身がサイクリング体験を始めるなかで感じたのは、インバウンド向け体験教室に「アソビュー」など数々ありますが、「エアビー(Airbnb)」の体験が一番だと思っている。

2017年に日本全国で「エアビー」で宿泊した人は585万人で、訪日外国人の2割に相当する。

東京180万人、大阪162万人、京都67万人が利用されているが、提供される体験は、東京443件、大阪153件、京都175件、広島は6件にすぎない。インバウンドの半数が広島に行くといっているのに体験は少なすぎる。

私のサイクリング体験(約5ヶ月)に参加した人は826人。うち309人がレビューを書いてくれて、「平均4.9」の評価をいただいている。アメリカ、オーストラリア、中国の順に多い。

 

サイクリング体験を始めて得られたことは

①自身のメンタルが鍛えられたこと(5ヶ月で35カ国の外国人を1ツアー10名まで案内しているが、「良かった」との評価を受けていくなかでメンタルが鍛えられた) ②続けることで勝手に英語が上達する ③副収入が得られる(私の場合、サラリーマン時代の月収を超えた) ④世界中に自分を受け入れてくれる家族のような存在ができる ⑤インバウンド観光経済(柿の葉寿司、ほうじ茶のペットボトル、レンタル自転車)に貢献して、地域活性化の一翼を担えている。

インバウンド誘致が難しい地域でも、誰か一人が「エアビー」の体験を始めれば、その地域が変わるかもしれない。その醍醐味を伝えていってほしいとの思っている。

 

サイクリング体験で気付いたことは

①家族旅行が多い ②学生が多い(学生もお金持ち) ③アジアからカナダやオーストラリアの移民が多い ④予約のタイミングはバラバラ(1時間前から半年前まで) ⑤お金元が多い(高収入の職業、チップやプレゼントをくれる) 

 

今、観光革命が起こっている。

これまで旅行代理店が観光客とガイドをつないでいたが、「エアビー」の体験は、「エアビー」が仲介しているが、“旅行者”と“ガイド”の直接的なやりとりになっている。だから個人的な思いが深まる。ただトラブル対応もあり、しんどさとともにリスキーな面もある。

「エアビー」の体験は組織で登録できない。個人だけが登録できるシステムをとっている。

良いテーストの写真がないと掲載が許可されない。また「エアビー」が20%の手数料を取るが、この20%には1億円までの保険も含まれているので、決して高いと思わない。

 

自分の体験で胸を張って言えること

①インバウンドに喜んでもらって ②自分の好きなことをやって ③地元に貢献できて ④英語が上達できて ⑤精神的にメンタルも鍛えられて ⑥効率よく収入が得られて ⑦世界中に友達の輪が広がること。

 

何かあればいつでも相談に乗りますよと話をまとめられました。

 

スライド資料

https://www.slideshare.net/hironakanishi/airbnb-111270670

180829(中西)観光シンポ.pptx
Microsoft Power Point プレゼンテーション 4.9 MB

基調講演
『オール関西でインバウンド誘客を! ~広域連携DMO「関西観光本部」の取り組み~』

関西観光本部 森 健夫事務局長

 

 

 

 

 

一般財団法人関西観光本部は、関西の10府県と4政令市、経済団体、観光団体、事業者、国の地方支分部局などが参画し、関西全域へのインバウンド誘客する、関西唯一の「広域連携DMO」として、20174月に設立された団体です。

主な取り組みには、海外プロモーションとインバウンド受け入れ環境の整備、インバウンド向けICカード「KANSAI ONE PASS」や、関西広域で使える「KANSAI Wi-Fi」アプリ、地方都市向けの機械翻訳による「コールセンター」、そして「関西文化の日」などの文化振興の取り組みがあります。

 

全国の2017年の訪日客は2869万人のうちアジアが2434万人(84.8%)。関西では1207万人のうちアジアが993万人(82.3%)になり、アジアの観光客が多い。また、関西といっても大阪府の1111万人と京都府の742万人(宿泊客数は大阪府1171万人、京都府559万人)。ほとんどが大阪市と京都市に集中しています。アジア比率が高いといっても京都府は42%、他は80%近い数字で一律ではありません。

旅行消費額は、全国の44千万円に対し、関西は1兆8千万円です。

政府の2020年の目標、訪日客4000万人は関西で1800万人になり、「インバウンドで地域経済を活性化する」という目標に向かっていくのが関西観光本部です。

2025年には万博がやってくる可能性があります。また、2020年は東京オリンピックがあり、2019年にはラグビーW杯、2021年はワールドマスターズゲームズ関西とスポーツ競技が目白押しですが、これらの行事で訪日客が自然と増加するというのは幻想で、これらのチャンスに日本の良さをしっかりPRすることだと捉えています。

また2021年に「文化庁」の京都移転が完全に完了します。この文化庁移転も「文化」と「観光」をつなげる重要な仕事です。

 

関西広域で取り組む必要性は、「世界に通じる京都」と「アジアに人気の大阪」というコンテンツを中心にしながら、関西一円にいかに巡ってもらうかという点にあります。京都・大阪に来たお客様をプラスワン、地域を巡ってもらう戦略を考えているところです。

 

訪日客の集中による問題も懸念しています。訪日客にとっては「宿泊施設の確保が困難」であり「混雑による満足度が低下」する懸念。住民が直面する問題として「違法民泊も含めた住環境の悪化」や「公共交通機関の混雑」などへの懸念。そして“熱狂のあとに残るもの”が、「訪日客の減少」や「住環境の荒廃」であってはならないと考えています。

 

とはいっても、関西全体をどのように振興していくのか? 関西全体の名の下に始まる悪平等を排しつつ「京都、大阪を巻き込んだ関西ブランドを確立」、「広域連携団体間のプラスワン連携」や「海外の都市とのプラスワン連携」にも取り組みたいと考えています。

180829観光シンポ(チラシ).pdf
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180829観光シンポ(配布資料).docx
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180829 シンポジウム登壇者へのヒアリング.pdf
PDFファイル 102.7 KB

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【関西観光本部の森 健夫事務局長】

 

有馬温泉 陶泉 御所坊 金井啓修様

大阪市商店会総連盟理事長の千田忠司様】
のお話をお聞きしてきました。

829日のシンポジウムでもかなり突っ込んだお話が聞けると思います。
お楽しみにお出でください!
【関西観光本部の森 健夫事務局長にお話をお聞きしてきました】
森さまは多くの経歴をお持ちですが、観光面では関西広域機構(KC)に始まり、関西広域連合や現職の関西観光本部(H29年4月設立)の立ち上げに関わってこられています。またワールドマスターズゲームズ2021関西組織委員会にも関わっておられます。 

観光の組織は、従来は行政の下請けのような組織であったものから、民間のノウハウを活用した官民連携の必要性を訴え「関西観光本部」を立ち上げるに至ったそうです。しかし官民連携の組織といっても、各組織の歴史や風土から一枚岩になるのは簡単ではなく、確実に「できるものからやっていく」と語られました。
観光の組織も大きく変遷している最中ですが、組織の変遷から見る本音もお聞かせいただけそうです。

「関西観光本部での実績としてはインバウンド向けICカード「KANSAI ONE PASS」がありますが、今回は組織の壁を超えたカードを作ることに腐心した。このカードをさらに進化させるには、利便性をあげる必要がある。またこのカードは3千円という手に取りやすい価格から販売を始めたが、インバウンド向けという視点からは、安価だけでなく、利便性を高めながらアッパー層向けの商品もあってもいいのではないか」とのお話でした。

バックパッカーの訪日客を増やすことも大切だが、アッパー層向けのサービスにも取り組みたいと語られていました。


※ 関西観光本部は関西の各府県・政令市・経済団体・観光団体など官民62団体による広域連携DMOとして2017年4月に設立された。関西全域へのインバウンド推進を目的とし、誘客方策の方向性を示した「KANSAI国際観光指針」をまとめた。指針では2020年に関西への訪日外国人訪問率を現状の40%から45%に高める目標を掲げている。

【参考資料】
関西圏における観光統計総合分析の結果について(2018.08.13)

 

http://kansai.gr.jp/ktb/wordpress/wp-content/uploads/2018/08/○関西圏における観光統計総合分析参考資料.pdf

 

有馬温泉 陶泉 御所坊 金井啓修にお話をお聞きしてまいりました】

 

梅田からバス1時間で有馬温泉に到着。その中心部にひっそりとたたずむ木造の宿「御所坊」の金井啓修(かないひろのぶ)様をお訪ねしました

有馬温泉は、阪神淡路大震災により102万人にまで落ち込んだ観光客を平成28年には169万人にまで回復させたといいます。その立役者の金井様は観光庁の「観光カリスマ百選」にも選ばれておられます。

 

大阪からの直通バスも増便され、京都からの直行便もできて来訪者は増加傾向。私たちが乗車したバスも満席でした。乗客の半数は訪日客で、外国人は確実に増えているそうです。

 

有馬の源泉は1600万年前の地層が隆起したもので、世界的にもユニーク。1400年の歴史を持つ有馬温泉とともに訪日客の誘因にもなる。また周辺の三田市などと連携して「湯山街道」を日本遺産として申請したい。また日本遺産を目指している、灘五郷の日本酒や北前船と連携して、最終的には世界遺産の登録を目指したい。

 

今は、「有馬山椒」の復活に取り組まれています。

「スローフードの魅力と、絶滅危惧種としての付加価値を発信することで、成熟したグルメ客や旅行者が有馬の名前を自然に広めてくれる」と金井さんは語られました。

 

【参考記事】

『すごいすと取材記』 (一社)有馬温泉観光協会 金井啓修さん  兵庫県

http://www.hyogo-intercampus.ne.jp/sugoist/interview/kanaihironobu

 

 【千田会長にお話をお聞きしてまいりました】

829日のシンポジウムでもかなり突っ込んだお話が聞けると思います。
お楽しみにお出でください!
 
 
大阪の訪日客はアジア系、それも圧倒的に個人旅行者が多い。大阪のホテル稼働率は90%を超えている。
ミナミの千日前道具屋筋商店街も訪日客でごったがえしている。
たとえば、商店街の包丁専門店。1本あたり2万~30万円の包丁がよく売れているという。

千田さんが商店街振興組合の理事長を引き受けられたのはバブル崩壊後の1994年。「もう内需だけではダメだ。世界中にファンを作って観光都市として進化しなければ」と決意したといいます。
当時、関空に到着した訪日客は大阪を素通りして京都に向かっていた。「大阪が訪日客にウエルカムであることを伝える」必要があるとして、「銀聯カード」などいろいろな取り組みをしてきた。
17
年には「大阪活性化事業実行委員会」が国交省の「地域DMO候補法人」にも登録されている。

今、大阪は「万博」に向けて一丸として誘致に取り組んでいる。
IR
(カジノを含む統合型リゾート)も他人事ではいけない、当事者意識を持つ必要がある。
夢のある話もたくさん聞かせていただきました。
シンポジウム当日、千田節が爆発して新しい取り組みが聴けるものと思われます。

1時間以上お時間を頂戴しましたが、ワクワクする内容でした。
 
【参考記事】
訪日客が殺到!老舗商店街のスゴい「仕掛け」 〜数万円の高級包丁が飛ぶように売れるワケ〜
(東洋経済ONLINE 2016/02/24
https://toyokeizai.net/articles/-/105945
 

 

『関西のインバウンド観光を見つめ直す』 〜関西は、一つずつ〜
  
開催日時:8月29日(水) 午後1時半~4時半 
開催場所:大阪大学中之島センター 佐治敬三メモリアルホール (定員:100名)
 
基調講演:『オール関西でインバウンド誘客を!』 
      一般財団法人 関西観光本部 事務局長 森 健夫 氏
事例報告:『インバウンド向けサイクリングへの挑戦』
      NPO法人スマート観光推進機構 理事 中西弘之
パネルディスカッション:『インバウンド観光 関西は一つずつ』
  関西観光本部事務局長 森 健夫 氏
  京都市:京都市産業観光局 観光MICE推進室 
              観光戦略課長 西松卓哉 氏
  大阪市:大阪市商店会総連盟理事長 千田忠司 氏
     (中央区商店会連合会会長)
  神戸市:有馬温泉 瑞泉御所坊主人 金井啓修 氏
   コーディネーター:関西ベンチャー学会理事
    NPO法人スマート観光推進機構副理事長 
     清水宏一 (元・京都市観光政策監)
 
参加費:1,000円
 (スマート観光推進機構、関西ベンチャー学会の会員は無料)

申込み:下記のサイトからお申し込みをお願いいたします。
      URL: https://kankou1.peatix.com

『“秋津野ガルデン”と“ぶどう山椒”を訪ね、”いなみかえるの宿”に農家民泊する旅』

(8月4日〜5日)

(宿泊9名、日帰り4名)

 

 

 

 

 

 

 

 

昨年10月に開催した「ぶどう山椒・キミノーカ・湯浅を訪ねる旅」がとても好評でした。また今年4月、『観光のひろば』で「秋津野ガルデン」の講演も好評だったことから、『“秋津野ガルデン”と“ぶどう山椒”を訪ね、”いなみかえるの宿”に農家民泊する旅!』を企画し、行ってまいりました。


大阪を8時までに出発したのですが、事故渋滞に4回ほど会い2時間近い遅れのスタートでした。
“秋津野ガルデン”は廃校となる小学校を地域住民で買い取り、農家レストランや宿舎、加工品生産などの拠点として運用され、年間6万人、売上げ1億円以上という地域活性化の拠点になります。玉井常貴社長さまから「地域のことは地域が考える」がポイントとのお話をお聞きしました。

日経プラス1(2018年7月14日)の『郷愁の廃校、食や湯も満喫』ランキングで、『秋津野ガルデン』が堂々の1位でした!
http://agarten.jp

次に“かんじゃ山椒園”にお邪魔しました。ぶどう山椒は和歌山県が日本一の産地だそうです。
ここ“かんじゃ山椒園”の永岡冬樹代表は、ぶどう山椒の生産から加工品生産、販売と努力されている姿を見ることができました。NHKの“ためしてガッテン”や“うまい”に紹介された名店です。
http://www.sansyou-en.com

夜は、農家民泊「いなみかえるの宿」での交流会からスタートしました。手作りのお料理に舌鼓を打ちながら、民泊の方でも深夜まで語りつくしました。やはり“交流の深さ”は“時間”に比例します。宿の方ではそれぞれお土産も用意されており、満足度の高い“おもてなし”を受けました。
5日も“いなみかえるの宿”の辻井 修会長、庄田登紀美前会長に同行いただき、印南町について、より深い理解を得ることができました。
「いなみかえるの宿」は、教育旅行を受け入れる「印南町教育旅行誘致協議会」です。
旅館2軒を含め約50家庭で、最大80名の受け入れができます。農業体験や農家民泊、観光を融合したものを目指しておられ、平成29年度は、海外からの教育旅行152名、国内の教育旅行149名、外国人の個人旅行15名の計316名を受け入れておられます。
体験教室も豊富で、身の丈にあった取り組みでありながら、満足度の高いシステムを構築されています。
https://kaerunoyado.jimdo.com

皆さん、山葵(わさび)発祥の地が和歌山だとご存知でしたか? ここ真妻山葵は太くて味も良いとのことですが、生育には普通の2倍かかり育てにくいと言います。それも水害などで山葵田が全滅する危機にもなんども遭遇しているとか… 平成23年の紀州大水害で埋まった山葵田を復活させる平井農園の平井 建代表さまでお話をお聞きしました。
http://www.nagomi-shop.jp/info/mazuma-wasabi.shtml

また「かつおぶし発祥の地」も和歌山県の印南だそうです。印南の漁民“初代角谷甚太郎”が土佐沖にカツオの漁場を発見し、鰹節の生産を始め、2代目が燻乾カビ付け法を編み出したと言います。
https://www.town.wakayama-inami.lg.jp/contents_detail.php?co=kak&frmId=169

和歌山の食材の広さは亜熱帯と温帯の境で農産物も豊富だそうです。しかしこれら優れた商材が知られていないとのお話なので、「なにわ名物開発研究会」をはじめお役に立つ方法を考えたいと思いました。

観光も、棚田百選で有名な“あらぎ島”“切目川ダム”、印南町のシンボル“かえる橋”、またCMにも登場する“顔の家”、熊野古道の“切目王子”、安珍清姫の“道成寺”と盛り沢山でした。

往路に渋滞で大変な目に遭いましたが、帰路は、ほとんど渋滞もなくスムーズに帰ることができ、
満足度800%のツアーになったことを報告させて頂きます。

また、大阪から飛び出して、地域の方と交流するツアーを企画したいと思います。

 

これからの日本の観光!』 (第24回『観光のひろば』 講演概要)

(平成30年 6月 4日)
参加者数:47名

 

 

 

 

案内チラシ
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講演資料(展開図)
180604『観光のひろば』展開図(須田).pdf
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講演資料(提言要旨)
180604『観光のひろば』要旨(須田).pdf
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『和歌山県田辺市の'秋津野ガルテン'における農村多角化と観光の取り組み!』 (講演概要)
(平成30年 4月23日)
参加者数:35名


 

 

 

 

今回は、和歌山県田辺市の『秋津野ガルテン』に草創の頃、田辺市地域連携コーディネーターとして関わられた、和歌山大学食農総合研究所の岸上光克先生にお話をお聞きしました。

田辺市は、日照時間が長く80種の柑橘類が年間を通じて出荷できる地域だといいます。
しかし外国産オレンジなどの輸入とともに、ミカンだけでは収入を得るのが難しくなるなか、ウメ単作を選択する地区が大半を占めるなか、上秋津地区は「ウメとミカンの複合産地」の道を選びます。選んだ理由は、ウメの単作にして不作が起こった場合、生計を立てることが難しいこと、またミカンの生産技術継承が重要と考えて、複合産地の道を選んだといいます。
また、昭和50年以降、農地の宅地化が進み、新住民が増えるなか、新旧住民による地域のあり方を議論する場を平成6年に設立しています。このような「地域のことは地域が考える」風土が、その後の発展に寄与していきます。
平成11年、農産物直販所を開設してみようとの声があがり、31人が10万円を出資して農産物直販所「きてら」を開設させます。しかし売り上げが伸びず倒産の危機、客が来ないならこちらから売りにいこうと、「ミカンを軸に、青果物や加工品の詰め合わせセット」の販売に力を入れます。平成20年の売上高は1億円にもなったといいます。
「きてら」が凄いのは、①住民が出資 ②チャレンジ精神、でも身の丈 という考え方です。
平成16年にはミカンの格外品を無添加の果汁ジュースとして商品化するため、31人が50万円を出資、「俺ん家ジュース倶楽部」を作ります。農協より高い買入価格なので、農家所得の向上にも繋がっているといいます。

次に「都市から来てもらう」ことを考え、都市農村交流(グリーンツーリズム)に取り組みます。
平成14年、自治体の「秋津野マスタープラン」ができて、上秋津小学校の移転が盛り込まれます。平成15年に、地域住民による「上秋津小学校現校舎活用検討委員会」を組織し、「この木造校舎は地域の財産だ。壊すべきではない」との考えを、田辺市に提言を行います。平成18年、上秋津小学校新築移転とともに「秋津野ガルデン建設委員会」を立ち上げ、小学校用地購入を決議、運営会社「農業法人(株)秋津野」(資本金4180万円)を設立し、平成20年11月に「秋津野ガルデン」をオープンさせます。
「秋津野ガルデン」では、農家レストラン、宿泊施設、市民農園、ミカンの樹オーナー制度、農作業体験・加工体験、地域づくりの視察・研修の事業を行っています。
農家レストランは地域の女性30人で運営されていますが、スタートする時「私たちにはできない」と言われたといいます。全国の農家レストランを見に行ってもらい、「自分たちが普段作っている料理でよい」と気づき、客から「肉がない」と言われたら「他所で食べてくれ」と、地元で採れたものを食べてもらうことにこだわったといいます。また「地元で作ったものを地元の人が加工するので、地域からお金が出ていかない」こともポイントだと話されていました。
「秋津野ガルデン」の現在の年間交流人口は6万人だと言います。「紀州熊野地域づくり学校」(現在の「地域づくり戦略論」)などを開講し、「地域づくり」と「地域経済」の両立を目指す地域づくりの人材育成の場にもなっています。

近年の訪日観光ブームのなか、「秋津野ガルデン」にも訪日客が年間500人程度来られているといいます。また「秋津野ガルテン」のキャパを考えると500名が限界かもしれないとの話もありました。「秋津野ガルデン」は、もともと観光施設として作られたものではなく、「地元で作った作物を、地元の人が加工して、食べてもらう」地域に根ざした活動が根本にあることを忘れてはいけないと話を締めくくられました。

8月に『秋津野ガルテン』を訪問する企画を立てていますが、是非、皆さんも「秋津野ガルテン」をお訪ねください!

180423 「秋津野ガルデン」岸上(掲載用資料).pdf
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なぜ熊野古道に外国人観光客が殺到するのか?』 (講演概要)
(平成30年 1月11日)
参加者数:40名

 

今回は、民宿「霧の郷たかはら」オーナーの小竹治安(シノ ジアン)様をお招きしました。
熊野古道に2008年にオープンした『霧の郷たかはら』。標高320mの場所にあり、「雲海が漂い、幻想的な雰囲気を味わえる」として口コミが広がり、トリップアドバイザーの2016年ホテルアワード旅館部門で全国5位に輝いた、熊野古道屈指の人気の宿です。

『霧の郷たかはら』の立場から見て、“なぜ熊野古道に外国人観光客が殺到するのか?”“なぜ『霧の郷たかはら』に宿泊されるのか?”について語っていただきました。

 

小竹さまの経歴もユニークです。15歳で祖父から強制され英国に留学。英国で出会ったスペイン人の影響でスペインに留学。母の他界で帰国し、関空で開業予定のフランス料理店を引き継ぐが、大赤字で撤退。上海の木材工場に従事。和歌山でスペインバルを開業。そして、タクシー業の手伝いをしていた時に和歌山県の「熊野古道の旅館の経営者募集」を知り応募。採択されて「霧の郷たかはら」を運営し、今年で10年になるといいます。

熊野古道は外国人、それも富裕層に人気だといいます。その理由は「日本は安全だから」が大きいようです。また熊野古道を選ぶ大きな理由は「何もない」からだといいます。「何もない」ことが豊かな自然を生み、スピリチュアルな環境を作ります。海浜リゾートの白浜は料金が高くつくのでプーケットなどのリゾートを選ぶ。熊野古道はリーズナブルだとの話もありました。
熊野古道には5〜7泊かけてウォーキングされる方が多く、1箇所での連泊ではなく、次の宿に移られるスタイルが多く、コース全体に案内板や設備が整っている点も評価が高いといいます。荷物搬送サービスも整っており、外国人はこのサービスを使って大きな荷物を運び、自らはナップザック一つで歩いて移動されます。
宿泊客は国内52%、国外48%です。欧米諸国とオーストラリアのお客様で9割近くを占め、香港、中国、シンガポールのお客様も増えつつあるといいます。季節は、春が最も人気で外国人が8割以上、夏は3割程度、秋もシニアの人気が高く、冬はオーストラリアのお客様がニセコでのスキーの帰りに寄られるなどの特徴があるようです。
宿で過ごすスタイルも、日本人は「個室でゆっくりする」のに対して、外国人は「共有スペースを楽しむ」ようです。「霧の郷たかはら」は客室以外は広々と使えるオープンな配置にしています。

「霧の郷たかはら」はスタッフ14人全員が外国語を話せます。オープン当初、外国語を指導しようとしてもなかなか受け入れられなかったそうですが、食事と宿泊場所を無料提供する代わりに6時間の労働力を提供する「ウーフ」という制度を導入したところ、地元採用スタッフの外国語コミュニケーション力が自然と身についたといいます。過去2年間で12カ国100名以上の働き手を受け入れており、どんな国・文化圏から来る利用者にも対応できるというから驚きです。
またこのウーファーによるSNS(ヨーロッパでは「WhatsApp」の利用が多い)による情報が世界に拡散されたことも、「霧の郷たかはら」の認知度を上げたようです。


今後は、「霧の郷たかはら」を拠点とした半日周遊コースの企画を進めたり、イタリアのトスカーナ州にあるヴィラとスローツーリズムで連携する考えもあるそうです。
「霧の郷たかはら」は、和歌山県が10年間の期限で公設民営されていたので、この施設を買い取り、来年度からは民営としてスタートさせるそうです。 

私も仲間4名で10月に「霧の郷たかはら」で宿泊しましたが、雲海の素晴らしさ、食事を含むおもてなしに感動した1人です。是非、皆さんも熊野古道、「霧の郷たかはら」をお訪ねしてくださいと話を締めくくりました。

 

たかはらUR(配布).pptx
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『自ら方程式をつくるまち 〜大分県竹田市からの地域づくりへの挑戦〜』 (講演概要)
(平成29年11月20日)
参加者数:43名


 

 

 

 

今回は、大分県竹田市の首藤勝次市長に「地域づくり」や「観光」について熱く語っていただきました。
まず、これからの日本は基礎自治体が自立するしか再生ができないのではないかとのお話でした。地域が変わってきている潮流があるにも関わらず、国は一律の方向で再生できるという幻を見ていたことが最大の問題だった。そこで、改革を「お前がやるべきではないか」との思いを持って市政に携わった。
「自立を促す力」は、「人間力」「地域力」「行政力」「自治体の経営力」がなければならない。「人間力」は、地域に住む人や過去に生きた人、全国のネットワークの人間の力、「地域力」は、地域をどこまで知っているかにつきる、「行政力」は、これまで自治体に行政力がなかった。「ふるさと創生事業」にあたっても、過疎化が進行する自治体の99%が「何をして良いか分からない」と応えていた。政策力、企画力がいかに大事かを感じる事件だった。また良い企画も、「自治体の経営力」がなければ地方は路頭に迷うということを北九州市市長の末吉興一さんに教えられた。
竹田市では「TOP運動」を展開している。Tは竹田市、そして挑戦(トライ)の頭文字、Oはオリジナル、オンリーワン、Pはプロジェクト、パワーです。「TOP運動」は、住民との対話がなければ成り立たないので、全地域を巡り対話した。この時の記録から起こした政策が64本あり、これが竹田市の総合計画とともに重要な柱になっている。

「政策をブランド化」する必要がある。
「政策のブランド化」として、移住・定住促進という言葉が出る前から「農村回帰運動」を展開していた。「竹田総合学院」としてクリエイティブな作家を集める政策を立てた。「地域おこし協力隊45名」の多彩な人材を活用した。地域おこし協力隊の中には、帰化している外国の方が案内所で勤務したりするなど活躍している。地域おこし協力隊の活用では日本で一番で、国が一人400万円まで負担してくれるので、年間2億円を負担してくれており、地域で活躍するとともに、定住にも繋がっている。

「観光」とは何なのかを考えてみた。
観光の原点は「誇り」と「憧れ」が循環するものだと思い至った。“ディスカバージャパン“により観光は大衆化するとともに、歴史的建造物が損なわれ、文化の拠点も壊されてきた。他所から来る人にとって「憧れ」であるものと、地域の人が「誇り」を持つものとが重なり合わさったところに、観光の原点があると思われる。
今、危ないと思っているのがインバウンド。インバウンドを節操もなく取り込むため、地域の大切なものが失われる危険性があると思っている。

28歳の時に教えられた逸話にタイタニック号の話がある。遭難の後、素晴らしい遺品がたくさん回収されるなかに立派な旅行カバンがあった。そしてそのカバンの中は海水に侵されていなかった。そのカバンを作ったのがルイビトンだったという。一流には一流のエピソードがある。地域づくりでも「一流のエピソード」がなければならないと感じた。

直入町の頃、ドイツの温泉地形成に注目していたが、昭和8年からヨーロッパの温泉地を意識したまちづくりを考えていたことを知らされた。このような「地域に浮遊する遺伝子」が時空を超えて引き継がれ、長湯温泉が日本一の炭酸泉であると知り、平成元年に「全国炭酸泉シンポジウム」を開催することにつながった。
そして、ドイツのバート・クロツュインゲン市などと交流を始めた。
チェコ・カルロヴィヴァリ飲泉場で学んだことは、日本は経済大国かもしれないが、「後世に、誇りを持って残すべきものを残してきたか」と語られたことだった。飲泉場の銘板に刻また内容から、後世に何を語って、何を語り継いでいくかという精神の崇高性を感じた。

「世界に通用する個性的な温泉地形成」を目指し、「飲泉文化」「外湯めぐり」「温泉保養保険制度」をテーマとした。「飲泉文化」は、炭酸泉を飲むという文化。「外湯めぐり」は、内湯を持っていない住民が外湯を楽しむ文化であり、外湯は古老から学びの場でもあった。
また、長湯温泉療養文化館『御前湯』をはじめ、ラムネ温泉館、温泉利用型健康増進施設「クアハウス」の建物、また隈研吾氏の設計の「センターホール」を建設している。わずか半径2kmのなかに、日本建築学会賞を受賞した日本を代表する建築設計士の方4名の建物がある。これらが世界に通用する個性的な温泉地形成にもつながると確信している。

その後もドイツとの交流は続き、バート・クロツィンゲンの門外不出のワインを、輸出のための会社「NAKRO」を作り、直入町に輸出してくれることとなった。まだドイツや温泉の話が理解されない雰囲気の中、海の向こうの友人たちが身を削る思いで、理解を示してくれたことに感動した。
今日、そのNAOIRIのパッケージに入った白ワイン「フロイントシャフト(友情)」を持ってきたので、交流会で味わってほしい。

最後に、今日が亡くなった親父の生誕百年を迎える。親父の残した言葉だが「誰もやってないことに立ち向かう時、大切なのは夢のある展開を信じることであり、失敗を恐れて批判家になっている者の言動に左右されないことである。歴史という道はいったものではなく、行った者の後にこそ残って消えない」と話を締めくくられました。

171120『観光のひろば』首藤市長スライド.pptx
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『由布院温泉の観光まちづくりから全国へ、そして静岡県小山町のまちづくりの挑戦!』 

(講演概要)

(平成29年9月22日)

参加者数:36名


 


今回は、元由布院温泉観光協会 事務局長で、静岡県小山町まちづくり専門監の溝口 久さんに語っていただきました。


由布院に危機が襲ったのは1975年(昭和50年)の大分県中部大地震だったといいます。「由布院は観光どころではない」という風評被害がたち、この風評被害から立ち直るため、「辻馬車」を走らせ、「ゆふいん音楽祭」や「湯布院映画祭」「牛食い絶叫大会」とイベントを矢継ぎ早に打ち、由布院は元気だと伝えることだったといいます。当時、中谷健太郎さんは「宣伝するな、表現しろ」と、「由布院は元気です、頑張っています、来てください」の宣伝は行わなかったといいます。

そのような流れの中で、平成8年に由布院温泉観光協会の事務局長の公募があり、静岡県職員でありながら、事務局長に応募したいと人事などを説得し、全国から応募があった20名ほどの中から溝口さんは選ばれたといいます。

由布院温泉は、人口1万人、年間観光客数380万人、年間宿泊客数80万人で、60%以上がリピーターだそうです。
由布院のまちづくりは、昭和45年「由布院の自然を守る会」発足、昭和46年「牛1頭牧場運動」などが始まったといい、全国の中でも先駆的な取り組みの地域でした。しかし、ドイツ研修旅行でドイツの町議員から「町にとってもっとも大切なものは「緑」と「空間」と「静けさ」。その大切なものを創り、育て、守るために君たちは何をしているのか」と言われ、その精神に学び、由布院の目指すべき観光は「団体旅行による歓楽型ではなく、自然、気候風土を活かした生活型観光地」、「最も住み良い街こそ、もっとも優れた観光地だ」との理念に至ったといいます。
「牛食い絶叫大会」を開催したのも、ゴルフ場の乱開発により牧草地を失いことにつながりかねないことから、畜産振興を図るため、牛1頭のオーナー制度を導入し、そのオーナーさんにバーベキュウを楽しんでもらう余興として始まったといいます。
また、宿泊施設の料理も、かつては総理大臣賞を受賞したような料理長が取り仕切っていたようですが、「料理人にクロウトはいらない」として、若い料理人たちが中心となり、地産地消による、由布院らしい郷土料理などを提供する流れに変えたといいます。

そのようにして作り上げられた由布院も、バブルの頃には観光入込客数は400万人を突破。宿泊施設や商業施設も増え乱開発が続いたといいます。
今は、これまで由布院を守ってきた人々と、外部資本で観光協会や旅館組合に加入しない人々との間で、新しい由布院を作らなければならない苦労があるようです。

溝口さんは今、静岡県小山町まちづくりの仕事につかれています。
豊門公園の修景、森村橋復元、フィルムコミッションのスタジオ事業などのプロジェクトに取り組まれています。そのため“ふるさと納税”を活用されていますが、小山町のふるさと納税は全国23位といい、募集をかける時から使途を文化財保全に使うなど明確にされているそうです。
小山町でのプロジェクトの精神も「地域住民が豊かになることにある」といいます。

2016年の熊本地震により由布院は閑散としているといいます。
そのようななか久しぶりの常連さんが由布院を訪れ、「久しぶりにここの静けさを思い出した」との声を聞きハッとした。私たちは大切なものを忘れかけていたと、現事務局長の小林さんは語っておられます。

由布院が、本来の由布院の良さを取り戻すため、少しでも応援していきたいものです。

(溝口)講演のレジメ.docx
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160505由布院が、いま取り戻すべきは.pdf
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170922『観光のひろば』第20回HP告知.docx
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『統合型リゾート(IR)の導入と大阪・関西の未来!』 (講演概要)
(平成29年7月24日  参加者数102名)

今回は、大阪府・大阪市IR推進局様と、IR推進協議会の事務局長で、大阪府立大学客員研究員の勝見博光様に語っていただきました。

 
先ずIR推進局の井谷推進課長様より、大阪の現状のお話があり、今後の大阪経済を支える新たな視点として「観光」や「MICE」に注目。国際会議はアジア太平洋地域の主要国別では開催件数を伸ばし、ここ数年は減少傾向にあるが、日本のシェアは、更に低下しており、大阪は日本の中でも4位に甘んじていると説明がありました。
日本のIRの基本的な考え方は、●国際競争力の高い滞在型観光の実現、●大きな経済効果、雇用創出効果、●IRを訪れる旅行客が全国各地を訪問(全国で経済効果)、●カジノ収益を幅広い公益目的に還元、●世界最高水準のカジノ規制の導入、●IRについての様々な懸念に万全の対策とあり、2017年度はIR実施法の審議に向けて準備が進められており、大阪としては、国の基本方針に沿って認定申請を行う段取りで進めている。ギャンブル依存症などの懸念材料も十分検討の上、万博も含めて、夢洲のまちづくりを進めてまいりたいとのお話でした。
 
勝見先生のお話は、シンガポールの事例として『IR(統合型リゾート)』はシンガポールが作った造語であり、政府が検討するのは「カジノ」ではなく、IRと名付けた新たな観光拠点開発であり、観光産業のさらなる発展や、MICE振興のための装置との説明から始まりました。
シンガポールも建国以来、何度もカジノ合法化議論があった。90年台後半からシンガポールの観光産業は競争力を失い、2003年のSARSの打撃を機にカジノ合法化が動き出し、2006年にカジノ法案を成立させ、2010年に二つのIRを誕生させ、大成功を収めている。
長引く不況で開発が止まっていたマリーナベイ地区、観光拠点として期待されながら魅力的な施設もないセントーサ島の活性化に向けた取り組みとして、カジノライセンスを二つの事業者に与え、カジノを基にした税金等による収益とともに、公的ミッションを入札時の条件として課す「税負担なき公共政策」という方策をとったといいます。
世界標準のIRは、カジノを通過しなければホテルやエンターテイメント施設、MICE施設にアクセスできない構造ですが、シンガポールはカジノを目的としていない人が安易にアクセスできない場所にカジノを設置するなど、カジノを最小化する工夫をしながらも、運営権を30年とし、10年間は新規免許を認めないことや、カジノを2か所に限定するというインセンティブを与え、事業の継続性を保護している。
富裕層を引き付けるため、MICE機能の充実や、世界的エンターテイメントの設置も条件とし、2000席以上の劇場や、世界の一流シェフを誘致する提案や、デザイン性の高いマリーナベイサウンズの提案などが事業者決定に大きく寄与したといいます。
また美術館などの公共性の高い施設や、市民の誰もが利用できるプロムナードや遊歩道の整備など、民営事業でありながら、公共性を担保したところにIRの本質があると説明されました。
このようなIRの原型と言われるのが、オーストラリアのメルボルンだともお話しされました。
 
今、大阪もインバウンドの増加を受けていますが、今後は、まちづくり的にもインバウンドの数の増加は問題になる可能性が秘めているといいます。IRやMICEにより世界の富裕層を集める仕組み、量から質へ転換を目指す必要があるとのお話で締めくくられました。
 
 
添付資料の出典:大阪府建築士会報「建築人」2017年4,5月号

 

勝見先生記事(建築人201704).pdf
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170724『観光のひろば』告知文.pdf
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『日本を世界に営業するFREEPLUSが語るインバウンド!』 (講演概要)
(平成29515日 参加者数:72名)


今回は、株式会社フリープラス 地方創生本部本部長の三澤茂毅様から『日本を世界に営業するFREEPLUSが語る インバウンド!』について語っていただきました。 

株式会社フリープラスは、2007年に代表取締役社長の須田健太郎氏が設立され、2010年に訪日観光業に参入されました
三澤さまは、2012年に入社し、海外営業担当として、タイ、マレーシア、カンボジア、ベトナム、フィリピン、ミャンマー、インド の旅行会社を開拓され、年間13万人のお客様を送客する事業を牽引された実績をお持ちです。
2016年度より地方創生本部長に就任。現在、滋賀県大津市兵庫県養父市など全国各地の地方自治体と情報発信から誘客に至るまで、同社のネットワークを活かしたインバウンドのソリューションの事業に従事されています。

冒頭、フリープラスの理念、世界中の素敵なお客様に『人生に残る思い出をプレゼントする』こと、そして『日本の観光立国を成し遂げ、日本のファンを世界に広げ、日本の元気の原動力になる』ことを強調されました。
 
数ある旅行関係のなかでフリープラスは、アジア向けの団体旅行に軸足を置かれています。訪日外国人が増えているなかで、個人旅行が増えていると言われていますが、団体旅行も増えている。その団体旅行を取り扱う現地の旅行会社に日本の観光情報が伝わっていないことが問題と捉え、現地の旅行会社との架け橋になることで、フリープラスは業績を伸ばしてきたと説明がありました。
そして訪日旅行業(ランドオペレータ)に止まらず、新今宮に「FP HOTELS難波南」というホテルを41日にオープンさせ、将来は航空機事業にも進出し、観光事業の垂直統合を図りたいとのビジョンも語られました。
 
このようにランドオペレータの業務に携わっていると、現地の旅行会社から日本に送客するオファーを、また日本の自治体から送客してほしいというオファーを受けることが多くなり、両者をマッチングさせる意義を感じ、地方創生本部を立ち上げたそうです。
具体的には、富山県立山市から、立山黒部アルペンル-トを訪れるタイ人も増えているが、「タイ人にとって立山市は魅力があるか」の調査依頼を受け、仏教国であるタイ人が、立山信仰を持つこの地域に魅力を感じるとの結論に至った話は、頷けるものでした。
 
質疑応答も活発に行われました。
どこの地域からも果物狩りのオファーが多いが、「どこも同じ魅力を訴求するのではなく、地域の特徴を生かした差別化」が求められると、今日の講演を締めくくられました。

【講演資料】観光のひろば.pdf
PDFファイル 13.6 MB
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『文化財のレッドクロス 〜瀕死の文化財を救う仕組み〜』 (講演概要)
(平成29年3月15日 参加者数:33名)


 

 

 

 今回は、元京都市観光政策監の清水宏一さまに『文化財のレッドクロス 〜瀕死の文化財を救う仕組み〜』ついて語っていただきました。 

清水宏一さまが、観光政策監としてやられた仕事は、京都市の観光客5千万人にする構想を持ち、実際に観光客を5千万人に増やしたことで、“京都の奇跡”と言われたといいます。
当時、観光は物見遊山のように思われていましたが、産業としての観光に取り組まれました。国にも働きかけ、産業統計に観光の分類ができたことも大きかった。観光庁の設置にも寄与したとも語られました。成功の要因は、当時の桝本市長などのリーダーシップが大きく、京都市が全国に先駆けて観光統計に取り組み、観光を可視化した積み重ねが大きかったそうです。
成功の秘訣は「戦略」「宣言」「宣伝」「先鞭」と四つの“セン”です。

当時、大学に観光学部がなかったので、京都の全大学に観光学部を作ってくれと交渉されましたが、なかなか設置が認められない中、平安女学院大学が創ってくれることになり、退職後、大学教授になったエピソードなども語られました。
京都市の取り組みが凄いのは、ビルの高さ制限を下げたこと。看板の撤去(屋外広告物条例)。四条通の歩道拡幅です。この歩道拡幅では、商店街の売り上げが倍になったといいます。
これからの観光は「量から質」に転換する必要がある。京都市は2014年と2015年にアメリカの旅行雑誌に連続世界1位に輝いたが、2016年は順位が6位に下がった。理由は「混雑している」だった。VIPへの対応が大事だと語られました。

保津川下りやトロッコ列車で有名は亀岡市の専務理事になられた頃は、亀岡市の河川敷にサッカースタジアムを作って大型バスの駐車場としてパーク&ライドにする構想に取り組まれました。
サッカーをしていない時のスタジアムの稼働率を上げるためにも素晴らしい発想です。

その昔、京都市が「古都税」を導入しようとした時に寺院は観光を拒否し、大変な問題になりました。それも稲盛さんが中に立ち解決させましたが、寺院としても入場料が入らないので運営にも支障をきたしたようです。
京都の弱点の一つに“文化財保護”があります。多数の文化財の補修に回せるお金もなく、老朽化が進んでいます。昔は寄進者、篤志家、檀家、そしてお布施や賽銭で補修の費用も賄われてきましたが、今は賽銭でさえ集まりません。
1998年に稲盛和夫さんとともにデジタルアーカイブの京都宣言を行いました。“人間は、大地と人々の記憶に歴史と文化を刻んできました”に始まり、高らかに ”新しい文化と地の大地の創造”を謳いあげたと言います。

このときの精神を元に、“社会貢献”と“観光”を軸に基金を集め“文化財保護”の構想を思いついたそうです。そしてメビウスの輪のように無限に続く仕組みにこれから取り組むとの決意を表明されました。
京都の世界遺産の仁和寺に無料Wi-Fiを設置して、観光客がスマホでログインすると、仁和寺の歴史や文化財の情報が日本語・英語・中国語で配信するシステムで、広告収入を文化財保護のため仁和寺に還元する実証実験を行うそうです。緊急時は、避難場所情報を母国語で表示するという優れものです。
この構想が、総務省の『ICT活性化大賞2016』の奨励賞を受賞したともいいます。
この構想は、観光客、寺社、企業、投資家にとって四方良しだといいます。これまで起こった問題やこれからの課題などエピソードも交えながら、愉快で、志に満ちたお話でした。

そして、「人生は一度きり、悔いなく生きよう」と今日の講演を締めくくられました。

(配布)170315 ★観光のひろば(資料).pdf
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(変)170315第17回観光のひろばチラシ.pdf
PDFファイル 154.3 KB

『お客様の“あったらいいな”を実現する戦略!』 (講演概要)

(平成29116日)

参加者数:48

 
 
今回は、株式会社 王宮(道頓堀ホテル)の橋本明元専務に『お客様の“あったらいいな”を実現する戦略!』について語っていただきました。

 

集客に苦しむホテル業界をよそに、常時稼働率90%を超える宿泊、キャンセル待ちのビジネスホテルに再建。社員さんに20万円の決裁権を持たせるなど、業界の常識を打ち破る戦略で業績アップを実現されています。

 
 

道頓堀ホテルは客室もシンプルなビジネスホテル。料金も8500円と強気の価格。稼働率90%を超える人気の秘密は“オモテナシ”だといいます。

橋本さんは中国で5年間修行を積み、日本の“オモテナシ”は世界一と実感したといいます。そして日本に帰国した時は、ホテル業界は価格競争の真っ只中。道頓堀ホテルも厳しい経営状況だったといいます。橋本さんは中国での経験と人脈を活かして東アジアをターゲットに戦略を転換。「海外の旅行会社が決定権を持っているので、その旅行会社に日本の魅力をうったえる」必要があると、海外への営業に走られています。

 

お客様を呼び込むポイントは“無料サービス”!

飲み物、インターネット、マッサージチェアー、インターネットを活用した国際電話、レンタサイクルすべて無料。お客様も「なんでも無料で使えて嬉しい」と言います。時には放置された自転車を引き取りに行くこともあるといい、スタッフの負担も少なくはありません。

橋本さんは「ホテルは簡単に値引きをするが、この値引きを経費と考えたら莫大な経費になる。無料サービスにかかる経費はわずか。そして、お客様の満足度は非常に高い」と言いきります。
戦略転換することにより、道頓堀ホテルの業績は急回復。橋本さんの狙いは的中しました。

しかし、成功の秘訣は従業員の“オモテナシの心”だと橋本さんは言います。

ロビーの飾り付けも従業員が自ら考え、オークションなどで安い経費で実現させています。

秘訣は「自分で考えること」。自分で考えてやることは楽しい。楽しいと良いものができる。それが“オモテナシ”に繋がるのです。

道頓堀ホテルでは20万円まで上司の承認不要のオモテナシ予算があると言います。

毎日10時から提供される「屋台ラーメン」、誕生日には人気ケーキ店の「ケーキプレゼント」も従業員から生まれた“オモテナシ”です。毎週火曜日に開催する“にぎり寿司”や“たこ焼き”など「日本文化体験」も従業員のアイデアで運営されています。

橋本さんは「自主性こそ従業員を本気にさせる!」と言います。

そんな道頓堀ホテルの“オモテナシ”とは、「お客様にとって“あったらいいな”を実現していくこと」をやり続けることだと、橋本様は熱く語られました。

 

読売新聞 27年12月31日の記事.pdf
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『国際リゾート戦略! 〜都市とリゾートに賑わいをもたらす〜 』 
(講演概要)
(平成28年11月10日)
参加者数:44名
 
観光カリスマで、有馬温泉 御所坊の主人、有馬温泉観光協会長の金井啓修様。
先日、経済産業省のDMO先進地視察でスイスのツェルマットを訪れた話題も取り入れ、東京オリンピックまでに“有馬温泉を日本一の温泉地にしたい”との野望について語っていただきました。
 
1、有馬温泉は日本一になれるか?
 
有馬温泉は古事記に出てくる希少な温泉。古いことと歴史があるとは違う。有馬温泉には歴史の話が多数ある。舒明天皇(じょめいてんのう)(593年)の頃の話だが、舒明天皇といっても誰も分からない。分かりやすい物語が必要だと思っている。
有馬には火山が無いが、200mの所から98度の湯が出てくる地質学的にも希少な温泉だ。
 
 
2、有馬のインバウンドは台湾から
 
台湾に「哈日族(ハーリー族)」と呼ばれる、日本が好きでたまらない若者たちがいる。
peachもアジアの人が“桃”が好きだから“peach”と命名した。「KANO」という映画がある。日本統治時代の台湾、嘉義(かのう)農林学校の監督として迎えられた日本人の近藤兵太郎によるスパルタ式訓練により、甲子園球場で行われた全国中等学校野球大会で準優勝する。2014年の台湾で最もヒットした映画。今も、甲子園ミュージアムを訪ねる台湾人が多い。
有馬に「KANO」の主役二人に来てもらった。有名ブロガーに来てもらう取り組みも多いが、台湾をターゲットに選ぶなら、このような取り組みのほうが効果が高い。
台湾を訪問して驚いた。商品のパッケージがダサい。中華系の人は“パッケージをきれいにすると中身が良くない”と感じるという。有馬でも“手ぶら観光”に取り組んだが、荷物を他人が運搬するのを信用できなくて失敗した。学んだことは“中華系の人は人を信用しない”ということ。
赤色も、日本人が好む赤色、韓国の赤色、中華系の赤色と違う。このようなことも合わせて外国人目線で見ることが大切になる。
 
 
3、三次交通について
 
富山の光岡自動車が製作しているトライクという100kgまで積載する2人乗り電気自動車。1台160万円。月3万円程度のレンタルなら1時間千円程度で貸し出すことも可能と考えて、4人乗れるように改造し採用した。超小型モビリティより効率的だ。すると他の旅館も欲しいということで6台購入。LOTAS CLLBのメンバー資格を取り、保険料80%offにもなった。
有馬のように道の狭い所の三次交通に適したコンパクトカーを自ら開発する意気込みで、陸運局とも交渉して、トライク運行にこぎつけた。
 
 
4、山椒は小粒でピリリと辛い
 
有馬の料理といえば山椒を使った料理だった。しかし、かつて生育されていた有馬山椒が地域から消えていた。「有馬山椒を復活させよう」と活動し、有500本に増やした。
絶滅危惧種を復活させて登録し、プレシディア(特別な場所)と認定されると、プレシディアを使用したメニューが開発され、スローフードインターナショナルに登録される仕組みがある。有馬山椒はこのプレシディアに認定されたことにより、ステータスにしていくことができる。
各地で伝統野菜の復活に取り組んでいるが、このように戦略を持って、プレシディアに登録する取り組めばよい。
 
 
5、DMO
 
スイスのツェルマットには170万人の観光客が訪れており、有馬と同規模になる。
ツェルマットのDMOを訪問して驚いた。宿泊税の7億円をDMOの合議で観光開発に使っている。7億円あればロープウェイでも何でも建設できる。
また支配人クラスでフェラーリーに乗っている。48室程度のホテルでシーズン中の従業員は21人、オフシーズンは18人という。有馬で同規模のホテルなら従業員は100人。提供するサービス、オペレーションが違う。日本の宿泊施設もサービスを効率化しなければならない。
人を教育するのに時間がかかるが、スイスはマイスター制をとっており、ホテルであれば3年以上の経験を積んで1段階の認定を得る。何段階かの経験を積み、さらにマネージメントを学ぶ学校を経て支配人になる。このようなマイスターの制度も学ぶところがある。
 
 
 
懇親会では、関西の観光のキーマンを集めた『有馬の湯の談合』を開催しようとの密議も飛び出しました!

 

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『東海道新幹線の歩み! ~開業からリニア建設に至るまで~』 (講演概要)
(平成28年10月4日)
参加者数:63名

 


東海道新幹線が開通したのは昭和39年10月。政府から「東京オリンピックに間に合わせろ」の大号令のなか、突貫工事でなんとか間に合わせた。

しかし路盤が安定せず、安定するまで1年半を要した。当初予算も大幅に超過するなど、鉄道のようなインフラは無理な建設計画は決して良くないと学んだ。
当初の列車本数は60本、乗客数1日平均6万人であったが、現在は323本+臨時便で400本強の運行、乗客数は41万人となっている。 

次の波は、昭和45年開催の「大阪万博」だった。入場者数6400万人のうち、新幹線による輸送は1000万人だった。
入場者の目的は、①パビリオンの見学、②外国の食事を楽しむ、③新幹線に初めて乗ることだった。“ひかり”の16両化など輸送力増強に力を入れた。

経営的には「大阪万博後の乗客確保」が命題であり、乗客確保には「観光」しかないとキャンペーンの検討に入った。
この時、力を発揮してくれたのが電通の藤岡プロデューサー。
旅行キャンペーンどこそこに行こう」と言うようなものでなく、「旅に行きたいなあ」というムードを作ることの理念から、川端康成からとった標語「美しい日本と私」のディスカバージャパンキャンペーンを行い、これが大ヒットした。
昭和47年は岡山までの延伸。昭和50年には博多への延伸があった。

昭和50年代は不景気で、毎年1兆円の赤字になり、運賃値上げも8回行った。
しかし運賃値上げは乗客を減少させ、“こだま”の減便などで対応した。
労働争議も頻発し、ストライキのため検査・補修ができず、半日運休することもあった。

昭和62年、JR東海が東海道新幹線を継承した。“新大阪駅”は新幹線ホームをJR東海、在来線をJR西と分割した。
「そうだ京都へ行こう」などの観光キャンペーンを展開して、“のぞみ”の投入など高速化と輸送力増強に力を入れた。
今や、JR東海の全収益の85%は東海道新幹線が稼ぎ出している。

平成15年、第2世代の新幹線として、品川ターミナル開業。
“のぞみ”中心のダイヤに刷新。最高時速300km/hへの挑戦などが始まった。

鉄道は「安全安定輸送の確保」が絶対条件だ。新幹線は50年間1度も事故を起こしていない。しかし阪神淡路大震災の時に新幹線が走っていたらと考えると恐ろしい。今後、南海トラフ大震災も起きるといわれている。
脱線防止ガイドレールの建設など、震災工事に年間1000億円を投入している。

しかし新幹線の輸送力は限界にきており、50年経過による老朽化も進んである。これらに対応するため、リニア(中央新幹線)によるバイパスラインの建設に着手した。
今後の輸送は、在来線、高速道路、一般道、バス、乗用車など2次輸送を充実させることが重要になる。リニアを念頭にしたまちづくりが求められることになる。


質疑応答も活発に行われ、リニアの建設ルート、構造、新幹線を活用した貨物など多岐にわたる質問にも、明確に、的確に答えられる須田さまの魅力に圧倒される時間だった。
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『1970年大阪万博から今日のインバウンド観光までの流れ!』講演概要


「時代の流れを読む」事業を通じて学んだ事
〜1970年大阪万博から今日のインバウンド観光までの流れ〜
(平成28年9月5日)
参加者数:35名

亀岡育男 様
(株式会社初亀 代表取締役)


亀岡育男さまは、1970年大阪万国博覧会に20歳で出店され、以来45年で国際博覧会・地方博覧会・大規模イベント等に200店を超える飲食店を出展された。

1970年「大阪万博」は、入場予定者数4500万人であったものが6400万人入場され、食単価600円で384億円という食マーケット規模になった。
4500万人のところに6400万人来られたので、本当に大きな成果を上げることができた。
1975年の「沖縄海洋博覧会」は、マーケットとして厳しいことが予想されたので出展しなかった。
1985年の「つくば技術博覧会」は、予定入場者数を2000万人とされているが、4000万人は入るだろうとの思惑のなかで計画され、2033万人しか入場されなかったため、客単価1000円になったが全体の食マーケット規模は203億円と厳しいものになった。 
情報を入手した時は間違いなく大きなビジネスチャンスになると思い、6店舗を応札し、600人を雇用し万全の体制で臨んだが、初日から入場者は少なく、”失敗する”ということを味わった。
それ以降、マーケット予測として、何店舗の出店があり、何㎡あるかを計算し、しっかりとした需要予測をするようになった。

この時期から「地方博」ブームが来て、毎年4ヶ所程度開催された。
1990年、大阪市政100周年を迎え「国際花と緑の博覧会」が開催された。実務者のボランティアとして運営企画に参画することになった。これまでの博覧会では、営業者は金儲けに来ているのだからとヨソ者扱いだったが、「お客様と接するのはコンパニオン、ガードマン、店舗の従業員。これらの意見を大切にしないでどうするのか」との意見が出て、実務者も交えて検討を進めたのが大成功の要因だったと思う。
この博覧会の「マジカルクロス」という遊園地でビアフェスタをやることとなり、ミュンヘンのオクトーバーフェストをモデルに実施することとなった。

この頃「ラスベガスが凄いことになっている」との話が聞こえるようになり、視察に行った。
ラスベガスの歴史は、1931年にギャンブルが合法化され、1946年にマフィアが入り「フラミンゴ」が作られ大歓楽街になった。1966年にはハワードヒューズがマフィアを追い出し健全化した。1989年スティーブ・ウィルがホテル「ミラージュ」を開設してMICEの原型を作った。
当時ショーマンの憧れは、ブロードウェイに出演するかムーランルージュに出演するかだったが、ギャラの高いラスベガスを目指すようになった。
飲食業の視点でも、世界のトップクラスのレストランが並んでおり、食事を楽しむ場所となっていた。
ラスベガスがMICEの方向に進むこととなったが、マカオは賭博シティになっている。これはお客様がその雰囲気を作っているのだと感じた。

2005年、行政もお金がなくなり、地方博も開催されることがなくなった。
博覧会が大きなビジネスだっただけに打撃を受けたが、「国際花と緑の博覧会」で経験したオクトーバーフェストの簡易版を天王寺公園で展開することとした。オクトーバフェストは、ドイツビール、ベルギービールを飲むイベントだが、フォークソングで老若男女が踊る”盆踊り”のようなイベントにしたいと思い、そのため盛り上げのスタッフを増やしている。

これまでの経験のまとめとして、
①時代の変化に適応する(今良いものが明日も良いとは限らない)
②独自性(オリジナル)と多様性をあわせ持つ(強みの育成)
③攻める (常に攻めていて現状維持・挑戦により人財は育つ)
④己を知る「知っている事と出来ることは異なる。」(規模の拡大より長寿企業をめざす。幸せな成功を実感する)

博覧会のフードビジネスにおける成功と失敗についてノウハウから、企業の理念まで奥の深いお話を聞く機会になりました。
亀岡さま、ありがとうございました。

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『日本酒3.0 世界化戦略を考える!』講演概要

『日本酒3.0 世界化戦略を考える!』
(平成2872
参加者数:53名

11回「観光のひろば in 白鶴酒造」は白鶴酒造資料館の見学から始まりました。

 

 

豊富な展示物を見学した後、

VISIT JAPAN大使で、日本酒の利酒師の資格を持つ、大阪経済大学・関西国際大学 客員教授の李 容淑(イ・ヨンスク)先生に『日本酒3.0 世界化戦略を考える!』について語っていただきました。



インバウンド観光客は確実に増えており、外国人が日本の伝統文化や日本食、そして日本酒に触れる機会が増え、日本酒の輸出量も確実に増えています。
外国人が評価する日本の魅力は『匠』です。「現代技術」は、車の自動ドア、自動販売機にインバウンドは感動します。さらに焼き物、和紙、日本酒のような「伝統技術」に感動します。
日本酒の輸出先の1位はアメリカ、2位は香港、3位は韓国です。韓国における日本酒の消費量は過去10年間で15倍と飛躍的に伸び、日本酒の海外輸出の22%が韓国です。

韓国人が日本酒を好む理由は飲酒文化の変化があります。マッコリ⇨焼酎⇨ビール⇨ウィスキー⇨ワインと好みが変化し、今、日本酒が人気となっています。それは日本酒の品質の良さ、日本の匠の技や技術への信頼の裏付けがあります。これまでアルコール度の強い焼酎を飲んできた韓国人は、日本酒を健康的、二日酔いがないとして好まれるともいいます。日流ブームで居酒屋などが急激に拡大したのも大きな理由です。

韓国のお酒、「マッコリ」「百歳酒」や、韓国で作った米のお酒「雪花」、野いちごで作った「覆盆子」などのお酒の紹介がありました。またビールととウィスキーを混ぜた「爆弾酒」の動画は圧巻でした。

https://www.youtube.com/watch?v=3uQa6xhsFFk
韓国ではお酒の飲み方も楽しむので、テーブルに置けないお猪口などを日式専門店に投入するなどの提案もありました。
1万円する日本酒と千円の日本酒の違いは飲み比べないと分からないので、利き酒で本当の味を知ってもらう必要があるとのお話でした。

日本酒を作るときに、酒米を使用する理由、精米する理由、精米による品質の違い、数秒を争う洗米、麹による糖化、酵母によるアルコール発酵など、複雑な製造工程を理解してもらわなければ本当の日本酒の良さは伝わりませんと結ばれました。

日本人でさえ知らない日本酒の話をお聞きして、日本人がもっと日本のことを学ばないといけないと気付かされる講演となりました。
(配布)白鶴日本酒3.0.pdf
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『インバウンド時代がやって来た! 〜『観光のひろば』から見えるもの〜』(講演録)

『 インバウンド時代がやって来た! 〜『観光のひろば』から見えるもの〜 』
(6月1日)
 
第10回『観光のひろば』は51名の参加をいただきました。
 
星乃 勝 様 
(NPO法人スマート観光推進機構 理事長)

『観光のひろば』にどうしてこれだけ人が集まるのだろう…
あらためて名簿を見ると参加する人が”多様”なことに驚きます。それだけ『観光』は”多様”であることの表れだと思います。これまでのゲストも”多様”な内容でした。
”多様”な人が『観光』について学び、語り合える場は『観光のひろば』の場のほかでは見当たらないと改めて思いました。
 
講演は「何故、インバウンド観光に取り組むのか」から始まりました。
1940年代は子供が多くて高齢者が少ない時代から2050年には高齢者が多くて子供が少ない時代に人口構造が逆転する。これは労働人口の減少を指し、高齢者を支える人が少なくなることだ。このような時代だからこそ、新しい産業として『観光』に注目が集まっている。
昨年のインバウンド1974万人。アジア83%だが、欧米も増加している。世界中で海外旅行が増え11億8400万人になっている。
ある国際ブランド力調査で日本は6位だった。そのなかで「最先端のアイデア、新しい考え方を生み出すクリエイティブな場所」が1位なのは嬉しい。逆に「豊かな自然があるか」が16位なのは、まだ日本が知られていないからだ。日本に来て「良かった」とのクチコミから、さらに日本の良さが伝わっていくことだろう。

『観光のひろば』のゲストの話を振り返ります。

8月は、観光庁観光地域振興部長 吉田雅彦様に「期待が高まる関西の観光」について、観光統計と地方で頑張っている事例の紹介をいただきました。また、元京都市観光政策監の清水さまには「京都の観光」について語っていただきました。
京都市の観光は中高年の女性が10回以上訪問している。それにはたゆまぬ努力がある。最近の出来事では、四条通りの拡幅工事がある。これにより道路が2車線に減り、歩道が6.5mに倍増した。歩行者が増え、商店街の売り上げが倍増している。カンバンの撤去も素晴らしい。
9月は、李 容淑先生に「日本酒と観光」について語っていただきました。
韓国では日本酒の輸出量が10年で15倍。日本酒の輸出の22%が韓国。日流ブームとアルコールの強い焼酎から日本酒へと変わる健康志向が日本酒の消費量を増やしている。
10月は、関空の石川執行役員には「関空のインバウンド戦略」について語っていただきました。
関空は2014年度に国際線旅客数の外国人利用が日本人を越し、2015年は外国人利用が1100万人。日本人利用が610万人。今年の2月に外国人利用で成田を抜き日本一になった。
関空の案内所「関西ツーリストインフォメーションセンター」は日本一! 王さんという副所長が「台湾の同胞に日本を好きになってもらいたい」と頑張っている。質問で最も多いのは「鉄道パス」の話。「私のプランに一番良い鉄道パスはどれですか」の質問だという。
11月は、(株)シーズの三宅さまに「ムスリムへのおもてなし」について語っていただきました。
2030年、􏰁イスラム教徒が全世界の26%になる。ムスリムの観光客はイスラム教の戒律に厳しい人から、それほど厳しくない方まで個人差が大きい。そして困られているのは食事。豚肉は戒律でも禁止されており口にする人はほとんどいない。しかしお酒は飲まない人もいるが、旅先では飲む方も多い。「私のお店ではこの条件で料理を提供します」と表示する「ムスリムフレンドリー」を提唱されている。
1月は、グーグルの杉原執行役員に「グーグルを使った地方活性化」について語っていただきました。
過去3年でGoogleにおける旅行関連検索数は2倍に増えた。そのなかでもスマホ利用が増えているのは、旅中でスマホを利用する人が多いということ。スマホへの観光情報の提供が重要だ。しかし国や地域によって検索の傾向は異なる。国や地域に合わせたプロモーションが必要になる。
2月は、ぐるなびの杉山執行役員に「ぐるなびの観光戦略」について語っていただきました。
ぐるなびの月間総アクセス数11億PVと右肩上がりに増えている。2013年は日本からのアクセスが59%だったが、2015年には海外からのアクセスが59%と逆転している。トリップアドバイザーやミシュランとの連携でさらに海外からのアクセスが増えるのだろう。
3月は、(株)マイルストーンの谷川様には「中国人の医療ツーリズムの動向」について語っていただきました。
外国人患者を受け入れたことがある病院は79%、訪日外国人の医療が15%、医療ツーリズムという検診と観光を組み合わせたものがが6.4%。
今年の春節期間中に海外で過ごした中国人は600万人という。その2割が健康・医療。美容や健康を求める中国人も増えている。
4月は、エクスポート・ジャパン(株)の高岡様には「インバウンド観光におけるICT戦略」について語っていただきました。
「ジャパンガイド」という日本一の訪日外国人向けの日本情報ポータルサイトを運営しており、「ジャパンガイド」は、47都道府県、179地域、1700ページが掲載されている。これは代表のステファンさんが日本が好きで、自分の足で歩き写真を撮り集めた生地だからこそ成し遂げたもの。CMベースでは地方の情報を掲載することは難しいとのお話でした。
5月は、エール学園の長谷川理事長と西村様に「留学生をインバウンドに活かすため」について語っていただきました
渡日留学生は24万人と増えている。留学生の感性や語学を活かした観光プロモーションや市場調査など『おもてなしプロジェクト』に取り組んでいる。特に効果が高いのは留学生によるSNSによる発信。『国際人財活用ネットワーク交流会』も多様な人の交流を生んでいる。
15年ぐらい前から留学生に地域清掃をさせることによって地域の人の心が開いたという。相手を立てる理念を吸収することによって、関係性が豊かな人材が育成される。この留学生が日本で雇用され、母国に帰るときに「平和の使者」になると語られた。

政府目標の2020年4000万人、2030年の6000万人という数字は、本当にこれを推進しても良いのだろうか?
清水寺の参道は歩けない状態だといいます。もし事故が起こったら… 
宿が足りない、駐車場・観光バス・運転手が足りない、通訳ガイドが足りない、見直す必要があることがたくさんある。
「民泊」に注目が集まっている。ホームステイ型はトラブルも少なく、ホスピタリティが高いが、家主不在型は、騒音などトラブルがあるという。万が一事故が起こった時、誰が責任を取るのか。損害は誰が保証するのか。国で真剣に議論してもらいたい。
『観光』を考える前に、『住民生活の場』であることを認識する必要があると、スマート観光推進機構は考え方をご紹介しました。

最後にスマート観光推進機構の取り組み「インバウンドツアー・体験教室カタログ」「インバウンド村構想」をご紹介しました。
質疑応答の中で『観光』の真の目的は「世界平和」であることも確認されました。

交流会にも多数の方が参加していただけました。
大切なのは、”多様な人”が交流すること。良い話を聞いただけで終わるのは何とも勿体ないと思います。

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『 留学生をインバウンドに活かすために 』
(5月9日)
 
第9回『観光のひろば』は84名の参加をいただき超満員でした。
 
長谷川惠一様 
(学校法人 エール学園 理事長) 
西村康司様 
(学校法人 エール学園キャリア支援室長)
 

訪日外国人の急増で、外国語ができる従業員が求められています。そのようななか留学生の人材育成、雇用に力を入れてこられたエール学園の取り組みをお聞きしました。
冒頭、「何の対策も打たなければ2030年には1300万人の生産人口が減り、GDPも下降していく」、対策は「女性、高齢者、外国人の活用」との問題提起から始まりました。
世界の留学生は増加しており、日本での受け入れも徐々に増加していますが、先進国のなか決して多いとはいえません。
日本にいる外国人人口は2014年で212万人、留学ビザは18・4万人。2030年に留学生を30万人にする計画があり、2015年の入国管理局のデータでは24万人が渡日しているといいます。

専門学校の留学生は、大学入学のための日本語学習と、手に職をつけるため学ぶ学生がいます。職業教育としての留学生は、IT、自動車整備、デザイン、観光、建築などの分野で、海外の大学と提携することができます。日本で就労できない分野は、調理師(2年前から和食が2年間のみ許可)、美容師、医療技師などの分野があり、今後、政府に働きかけたいといわれていました。
エール学園には留学生が1100名在籍しており、中国40%、ベトナム35%、ネパール、台湾、韓国などその他の国25%となっており、なかでもベトナムの留学生が急増しています。

20年前、留学生は生活習慣や文化の違いにより地域から疎外されていました。15年前ぐらいから地域清掃に取り組むようになり、地域の人が心を開くようになったといいます。

エール学園では「おもてなしプロジェクト」として、留学生が外国人の感性を活かした地域貢献に取り組んでいます。
商談会の通訳や覆面調査、観光プロモーションやファムトリップのお手伝いなどがあります。3ヶ月以上の長期インターンシップもあり、関西空港観光案内所などはとても忙しいそうです。
(インターンシップは授業時間に実施するので無償で、交通費の支給だけお願いしているとのお話でした)
留学生の観光への貢献は、外国人の目線の気付き、提案・アドバイスも貴重ですが、何といっても母国語でSNSに発信してくれることです。地方創生の取り組みも始まっているといいます。
そして地場産品などの輸出のお手伝いもしたいともいいます。
これらの取り組みは、エール学園だけで取り組むことは不可能であり、産学官連携で取り組む必要があります。そのため「国際人財活用ネットワーク交流会」を開催されており、前回は493名も参加したといい、次回は6月23日だそうです。
http://www.ehle.ac.jp/blog/archives/1785

「国際人財活用ネットワーク交流会」の動画
https://www.youtube.com/watch?v=NBVmtpAhLbU

留学生の就職率は全国平均で30%ですが、エール学園はインターンシップの効果もあり100%を達成しているといいます。


エール学園における留学生のボランティア活動やインターンシップの取り組みは本当に素晴らしい。
留学生にとっても日本文化を知りきっかけとなり、人生の良き教訓を学んでおられます。
それらの成果が、就職率100%につながっているのだと強く感じました。

 

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HP掲載160509長谷川(エール学園).pdf
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HP掲載160509西村(エール学園).pdf
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『インバウンド観光におけるICT戦略』
(4月6日) 

 

エクスポートジャパン株式会社

代表取締役
高岡謙二様


8回「観光のひろば」41名の参加をいただき超満員でした。

 訪日外国人の「おもてなし」不満ランキングの1位は「外国語サービスが少ない」、2位「無料Wi-Fiの整備が遅れている」、3位「食券システムが分からない」、4位「食べ方を教えてくれない」、5位「現金しか使えない」となっています。
鉄道の時刻表も赤字、黒字、マークを付けて特急や普通電車などが分かるように作られていますが、英語で説明を加えても複雑すぎてわかりません。“QRコード”を使って翻訳・読み上げをする「QR Translator」で世界を言語バリアフリーにすることを高岡さまは目指しておられ、関空、伏見稲荷神社、セブン-イレブンなどで展開されています。
セブン-イレブンでは、おにぎりの具材やラッピングの外し方を絵と文字で提供されており、単なる翻訳でないコミュニケーションの取り方を工夫されています。
聴覚障害者には手話で答える工夫も考えているとのことでした。

訪日外国人向け日本情報ポータルサイトでNo1の『ジャパンガイド』を1996年から運営(UU:184万人、月間PV:920PV)されており、47道府県179地域1700ページにも及ぶと言います。
利用者は10代から30代で79%。訪日経験6回以上が51%というから驚きです。当然、個人旅行が89%を占めます。
観光ウェブサイトは広告収入で成り立っており、地方では広告収入が取れないため取り扱わないメディアが多いが、ジャパンガイドを創業したスイス人のステファンは、“日本が好き”で地方の情報もくまなく発信したため、日本全土を網羅することとなったと言います。
地方の観光サイトのあり方を考えさせられる話でした。

「“関西”を世界にプロモート」するポイントは『食』ではないか。世界中の料理を食べることができ、リーズナブルな料理から高級な料理まである。この多様性こそがポイント。
10年前の訪日客は、アジアはショッピング、欧米は歴史・文化を1位にあげていたが、今は「日本食を食べる」であり、『食』が大きな動機になると語られました。

また、外国人目線の欠如の事例として日本の予約画面の“○”“△”“×”を示され、日本語のインターフェイスは日本独自のもので、世界共通ではない。
プロモーションは、表面的な情報を少しずつ出すより、尖った情報を出したほうが伝わりやすいと締めくくられました。

懇親会場でもデモ機材を持ち込み応援していただいた同社の伊奈さま、黒崎さまにも感謝申し上げます。

 

 

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『医療ツーリズム 〜中国人の動向〜 』 

(3月2日)

 


第7回『観光のひろば』
も44名の参加をいただき超満員のなか、有意義な時間を過ごすことができました。



中国人観光は、黄金ルートの観光と爆買いから、個人旅行に変化し、テーマ性のあるもの、体験、高付加価値のあるものへと変化しています。そのなかに医療・健診、ヘルスケア、美容におけるニーズも高まっています。

日本政策投資銀行のレポートには、2020年における日本の医療ツーリズムの潜在的市場規模は5507億円、経済波及効果を2823億円と試算され、来日する医療ツーリスト数は42万5000人とし、うち中国人は31万2000人といいます。

中国人の中間層・富裕層にとって、海外での医療のほうが、費用対効果も高いので需要は大きいのですが、日本の医療機関は“地域医療優先”や“医療通訳者の問題”“マンパワー不足”から積極的に受け入れる体制とはなっておりません。コミュニケーションの問題も大きく、トラブルや訴訟への対応、食事や宗教への配慮の心配もあります。
中国人患者のマナー不足による問題や、受診料の不払いや値切り交渉、直前の変更やキャンセルなど習慣の違いも大きな問題です。また日本で治療したから必ず治るなど“過剰な期待”による問題もあります。
医療ツーリズムへのリスクコントロールとしては、受け入れフロー確立、医療機関・コーディネート機関・旅行会社が一体となりノウハウ共有、医療通訳者の養成、前払い・キャンセル料の徹底などがあげられますが、これから取り組まなければならない問題がほとんどです。
中国の経済成長や生活水準の向上から、不健康な生活様式に起因する糖尿病が急増しています。糖尿病を日本で治療したいというニーズも高まっています。また、日本の美容へのニーズも高いです。
“医療・健診”だけでなく、“健康・美容”、“日本文化や生活に触れる体験”、“グリーンツーリズム”なども組み込んだ総合的なヘルスケアツーリズムを、ニーズに応じてフレキシブルに提供できる仕組みを構築してまいりたいと締めくくられました。

2016年の春節(旧正月)期間中に国外に旅行に出かけた中国人の数は600万人に達し、その2割が“健康・医療”を目的に出かけたと中国メディアが伝えています。
医療ツーリズムは、「日本再興戦略2015」にも“医療の国際展開の促進、医療・介護・ヘルスケア産業の活性化”が盛り込まれるなど注目される産業の一つです。これからの発展が期待されます。
第7回観光のひろば講演概要(配付) のコピー.docx
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『 ぐるなびのインバウンド戦略 』

(平成28年2月5日)
 
第6回『観光のひろば』は45名の方に参加をいただきました。
今回も、とても評判が良く、内容も充実しておりました。交流会には“ぐるなび”のデモ機を持ち込み、講演内容を実際に体験してもらったり、質問してもらったりと、交流以上に充実した内容になりました。


・・・・・・・・『“ぐるなび”のインバウンド戦略』・・・・・・・・


“ぐるなび”は掲載店舗数が約147,000店、月間総アクセス数11億PV、ユニークユーザー数5,200万人/月、会員数1,363万人という、『食』の一大サイトを運営されています。
インバウンドの訪日目的の1番は「日本食」です。1位「寿司」、2位「ラーメン」、3位「刺身」と並びますが、“ぐるなび”でアクセスが多いのは、英語圏では「寿司」、台湾・香港では「和牛」、中国では「食べ放題」だと国により嗜好が違うといわれました。
しかし、インバウンドの方からは①日本のメニューがよく分からない・食材が分からない。②店の雰囲気が分からない・誰と行ってよいのか分からない。③外国人が行ってもよいのか分からない。との声が多いそうです。
テレビ東京の「ガイアの夜明け」でも、多くの外国人が訪れるようになった街で、外国語メニューがないためコミュニケーションもとれない、食材の説明がないため注文と違うなどのトラブルが紹介されていました。
http://www.tv-tokyo.co.jp/gaia/backnumber3/preview_20151013.html

そこで登場したのが「メニュー情報一元変換システム」でした。日本語で料理名、料理の内容、食材、などを入力すると、外国語に変換されるシステムで900万にものぼり、これでは外国人は理解できないので2500に変換するといいます。
外国語メニューがあるだけで、外国人は大喜びされています。
外国人のアクセスも、2013年は日本でのアクセスが58.7%でしたが、2015年には海外からのアクセスが58.6%と逆転しています。
またネット予約はドタキャンが怖いと、ほとんどの飲食店が導入しておりません。“ぐるなび”ではコンシェルジュが予約代行するサービスを展開しており、実来店99.6%を達成しておられます。

「日本の食文化体験」も人気です。
「にぎり寿司体験」では、最初に紙芝居で説明したうえで、体験指導に入られます。そして、最後に卒業証書が授与れるとのことで、とても満足度が高いといいます。

今、ミシュラン社やトリップアドバイザー社と本格的なコラボレーションが始まりました。
「食」を通じて、充実した訪日観光をインバウンドの方に楽しんでいただき、さらにリピーターになってもらいたいとのお話でした。

観光のひろば 公開資料(株式会社 ぐるなび).pdf
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『 グーグルを使って地方活性化ができるか ?! 』 
(平成28年 1月 8日)

第5回『観光のひろば』は70名の参加を得て賑わいました。
今回も多くの方から「良い講演だった」と好評を博しました。交流会も40名と過去最高!

皆さんに喜んでいただきました。

次回の『観光のひろば』は、2月5日(金)ぐるなびの杉山執行役員様です。
ソールドアウトになる可能性が高いので、早めにお申し込みください。


・・・・・・『 グーグルを使って地方活性化ができるか ?! 』 の講演概要・・・・・

現在、世界のインターネット人口は30億人。2025年には50億人になると予想されています。
そして、Googleの世界中の検索件数は毎月1000億件以上。Googleマップの世界中の検索件数は毎月10億人以上。YouTubeも毎月10億人以上が利用します。
Googleは、「世界中の情報を整理し、世界中の人々がアクセスできて使えるようにする」ミッションを持って活動しています。
Googleにおける旅行関連検索数は、過去3年で2倍に増加し、スマホが大きなけん引役になっています。
世界における「日本」キーワードの検索数は、増加傾向にあり、1位が「食」、2位が「衣」、3位が「観光」です。
地域に応じて傾向は違いますが、一般に欧米は「食」が多く、アジアは「観光」の検索が多いようです。しかし同じ欧米でも、イタリアは「ファッション」への関心が高いなど、国によっての違いも見てとれます。
性別、年代、興味関心、そして居住地に合わせた広告を打つことにより、より効果の高いプロモーションが可能です。
タイの水害のあと観光は大打撃を被りました。
国をあげたキャンペーンで美しい写真が11万枚アップされたことにより、タイへ􏰂訪問客が19%も増加しています。
日本でも伝統文化などの匠の技を伝えることが大切ではないでしょうか。
89%の旅行者が、旅行の検討にインターネット検索を行います。
そして、訪日旅行者の93%がインターネットを活用し、スマホなどのモバイルを活用します。
このような変化を先取りすることが必要です。
旅行者、競合国、日本の現状からも、地域おこし施策にICT(Web)の活用は重要な戦略の柱です。
その為にも、デジタルマーケティングの活用や人材の強化をおすすめします。
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160108 Googleレジメ.docx
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『観光を考える大交流会』

日時:平成27128日(火)

場所:道頓堀ホテル
多様なジャンルの60名が参加

60名の熱気で汗を掻くほどでしたが、皆さまから「良かった」の声をたくさん頂戴いたしました。
内容があり、かつ人間味の溢れた交流会になったと喜んでおります。

「スマート観光推進機構」の新事業も発表させていただき、大きな節目を飾れました。
あの熱気を短い表現でお伝えするのは難しいですね…
ご参加いただいた皆さま、誠にありがとうございました。

 

冒頭、『観光のひろば』の講師の方からメッセージをいただきました。
 大阪経済大学 客員教授、(株)リンカイ 代表取締役社長、VISIT JAPAN 大使  李さま
 新関西国際空港株式会社 執行役員  石川さま
 株式会社シーズ 代表取締役  三宅さま

続いて私どもNPOと関連の高い団体の方からメッセージをいただきました。
 「なにわ名物開発研究会」の野杁会長
 「公益財団法人都市活力研究所」の近藤事務局長、
 「大阪デジタルコンテンツビジネス創出協議会」の山田事務局長、
 「大阪産業創造館」の上田さま、
 「(株)いろどり」の福島さま

「スマート観光推進機構」の新事業の発表
 ・インバウンドビジネス展示会・商談会
 ・インバウンド村構想

乾杯の音頭は、近畿運輸局 観光部長 阪部さま
途中、約10名程のショートプレゼンの時間を持ち、これも有意義でした。

中締めの挨拶はエール学園の長谷川理事長
「なにわ名物開発研究会」の野杁さまの大阪締めで幕を閉じました。


『ムスリム訪日客へのおもてなし対応』 
(平成27年11月2日)

 

2030年に􏰁世界人口􏰂うちイスラム教徒が26%に至るなか、 アジア太平洋地域から􏰂海外旅行者数が2019年まで前年比 10.0%前後􏰂ペースで増加すると言われています。


訪日されるムスリムの方にとっての”おもてなし”とは何か、株式会社シーズの三宅基生様に語っていただきました。

訪日旅行されるムスリムの方は”戒律に厳しい方から、飲酒を嗜む方まで個人の宗教観の違いが大きい”のが特長です。
厳格なムスリムの方は旅行先に日本を選ばないと言われ、旅行先では礼拝の回数を減らすなど宗教観を緩めて、日本の文化を楽しむ方が多いようです。
訪日旅行で困られるのは食事です。ムスリムの方は戒律で豚肉の禁止です。アルコールも戒律では禁止なのですが旅先では嗜む方も多いといいます。ようはムスリムの方に「私のお店では、このような条件で料理を提供できます」と表示することが望まれており、このような表示がムスリムの方に対してフレンドリーだと伝えることになります。
大勢の懇親会の時などは、ハラル料理とハラルでない料理に区別して提供することがポイントのようです。
また、空港や大きなターミナルでは専用の男女別の礼拝所があり、ホテルなどにはお祈りの方角を示すキブラ表示も大切だといいます。

ムスリムフレンドリーは、イスラム教やハラルについて知ること、ムスリムの方の立場で考えること、身の丈にあったおもてなし、正しい情報を伝えること、評価はムスリムの方に委ねようの5か条だとし、「ハラル認証にこだわらない、ムスリムレンドリー」という考え方が必要だと締めくくられました。




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「関空のインバウンド戦略」 

(平成27年10月7日)

 

新関西国際空港株式会社 執行役員、コーポレートコミュニケーション部長の石川浩司様に関西国際空港の現状とインバウンド戦略について語っていただきました。

 

 関空における航空旅客数は順調に推移しており、2014年度、14年ぶりに2000万人を突破しました。国内線旅客数も増加しましたが、特に国際線外国人旅客数は699万人と大幅に増加し過去最高でした。

 理由は、国際線LCCの就航の伸びが大きく、現在16社 21都市 週283便にもなっている点にあります。外国人のうち約75%が台湾・韓国・中国・香港で、2015年度の外国人旅客数は更に増加し1000万人を超える勢いだといいます。

 今後のインバウンド戦略は、成田より1時間近い地理的優位性を活かして、中国・台湾・韓国・香港などの東アジアのさら強化することと、成長が期待できるASEANの強化、アメリカの直行便の増加、ヨーロッパに関西の魅力のさらなる発信があげられていました。

 関空の取り組みとしては、自動チェックイン機の導入、出入国検査場における自動化ゲートの増設、保安検査場ブース増設、優先レーンの設置など出入国手続きを進めておられ、無料WiFiの強化やムスリム対応などおもてなしアップにも取り組んでおられます。

 空港別では、成田の出国外人数が最大ですが、来年にも関空が日本一の空港になる可能性もあるそうです。

 このように関空にインバウンドが押し寄せていますが、ホテルが満杯、観光バスが手配できないなどの問題もあり、関空へのアクセスを含め、総合的にインバウンド対策を立てなければならないとのご指摘でした。

20151007レジュメ.pdf
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2020年オリンピックを目指すインバウンド観光ビジネスと日本酒世界化戦略」

(平成27092)

 

VISIT JAPAN大使で、日本酒の利酒師の資格を持つ、大阪経済大学客員教授の李 容淑様にインバウンド観光と日本酒について語っていただきました。

 

 インバウンド観光に何故、力を注がなければならないのか? それは日本の人口減少とともに鈍化する経済を支える一つの柱に育つところにあります。

 インバウンド観光客は確実に増えており、今年は2000万人を達成。今後3000万人達成も可能です。また2014年の旅行消費額は2兆円を超えました。

 このように順風満帆にみえるインバウンド観光ですが、宿泊施設や観光バスが不足しています。なかでも通訳士の不足は深刻です。訪日韓国人のガイドの99%は韓国人です。日本人ガイドがいないので韓国人がガイドをしますが、日本文化については日本人ガイドでないと十分な説明ができません。

 外国人が評価する日本の魅力は『匠』です。匠には「モノ」と「精神」があり、モノは技術で、「伝統技術」と「現代技術」に分けられます。車の自動ドアや自動販売機にインバウンドは感動します。さらに日本酒のような伝統技術に感動します。その伝統技術は日本の精神が根付いているからです。

 日本酒の需要が低下しています。しかし韓国における日本酒の消費量は過去10年間で15倍と飛躍的に伸びています。

 日本酒は酒米で作りますが、韓国では酒米はありません。なぜ酒米を使用するのか、なぜ精米するのか、精米による品質の違い、数秒を争う洗米、麹による糖化、酵母によるアルコール発酵など、複雑な製造工程をストーリー化して伝えなければ日本酒の良さは伝わりません。

 『観光』と『伝統産業』と『ホスピタリティー』で、インバウンドの3000万人達成を目指してまいりましょう。

150902李先生講演資料.pdf
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第1回『期待が高まる関西の観光』

(平成27年8月1日)


【ゲスト】

観光庁 観光地域振興部長 吉田雅彦氏

元京都市観光政策監    清水宏一氏

 

観光庁 観光地域振興部長の吉田雅彦さんをお招きして、国の立場で観光の最前線で指揮されて来られたをお聞きしました。また、元京都市観光政策監の清水さんから京都市における観光の取り組みについてお話しいただき、中央と現場の双方から見た観光への取り組みについてクロストークしいただきました。 

150801 案内状.pdf
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150801 (清水・配布)地域創生と観光事業創造.pdf
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150801(吉田・配布)期待が高まる関西の観光.pdf
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