小山薫堂さんの「くまもとサプライズ」

小山薫堂さんの『幸せの仕事術』という本を読んだのでご紹介します。
 
  「くまもとサプライズ」という地域振興キャンペーンは、熊本県の依頼を「県民の意識改革キャンペーンをやりたい」と小山さん側が逆提案して熊本県側が受け入れたので、小山さんはキャンペーンの依頼を引き受けた。
  あらゆる地域で観光客誘致しているが、ともかく、外から人を呼べば幸せになるだろうと「おいで、おいで」の大合唱だ。しかし、地元の人は地元の良さを理解していない。
  観光キャンペーンは、一部の人で取り組むのでなく、そこに暮らしている住人みんなで取り組んだほうがよい。
  観光誘致予算を、つまらない一過性のキャンペーンに使うより、住人のためのお祭りを開いたり、遊んだりすることに使い、その様子を外の人が見て「行きたい」と思えば良いと思う。
  昔は、口コミの効果は時間がかかるものだったが、ソーシャルメディアを使えば瞬時に伝わる。自分たちが本当にいいなと思えるものがあったら、必然的に発信されていく。
  地元の人が見落としていた良さを、改めて気付く取り組みにしたかった。
  一番成功したのは県庁職員の意識改革。「人を喜ばせることはこんなに楽しいんだよ」と伝えてきた。
 「くまもとで、まってる。」という1654秒の観光PRビディオがある。
しかしこのビディオには名所旧跡の観光地はほとんど出てこない。球磨村にただ一人残る渡し船の船頭さん、阿蘇の写真を撮り続けるカメラマン親子、山鹿市にある101年の歴史を持つ芝居小屋「八千代座」で踊る101歳のおばあちゃん、熊本の風景を切り絵にする切り絵師、天草市の漁師とその孫、熊本で普通に暮らしている人に焦点を当てたドキュメンタリー映像だ。
この映像を撮る予算も少なかったので、熊本にあるテレビ放送局5社に協力してもらうよう仕掛け、熊本の素晴らしさを伝えることとした。その映像が、国際短編映画祭「ショートショートフィルムフェスティバル&アジア」で観光映画大賞を受賞した。
    http://www.youtube.com/watch?v=gl02kvwAKFE
 
あらためて「くまもとで、まってる。」のビディオを拝見したが、素晴らしい…
熊本における日常生活が、大阪にいる人間には非日常生活なので、その映像の虜になる。関西にも素晴らしい地域がある。そして生活がある。その土地の日常を素直に伝えるだけで、素晴らしい現象が起きるだろう。
小山薫堂さんは「ボクは芸術家ではないので、人を喜んでもらえると嬉しい、それだけです」と語る。このような感性を持ちたいものだと思う。
 
http://www.amazon.co.jp/小山薫堂-幸せの仕事術―つまらない日常を特別な記念日に変える発想法-小山-薫堂/dp/4140815566