『ななつ星in九州』の旅 ⑬

友人Qさんの、「ななつ星in九州」の旅のレポート⑬を転載させていただきます。
今回は、「ななつ星」の晩餐の続きです。
極上の器に、極上の料理を楽しんでおられるのが分かります。ミシュランが料理店のステータスを与える仕組みだとすれば、「ななつ星」で採用される料理も極上のステータスを与えてくれる仕組みです。それにしても、さすが「ななつ星」。こだわり抜いた一品ですね。
 
【ななつ星の晩餐】
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大分市にある「方寸」の料理は、先付け、おつゆと続き、「海の景」という“イカのマリネを本マグロで包んだものが出された。

次にだされたのが「磯の景」、“
アワビにきのこが添えられ塩釜”にされたもので、キッチンペーパーの端を引っ張ると塩釜が
崩れ一気に良い香りが立ってくる。


そして「波の景」、“真鯛と車海老を昆布で蒸し”、昆布を船に見立てて、銀杏、しめじ、白菜が乗せられている。
“秋の食材の宝船”の趣だ。
次は意表を突く鋳物の蓋付器だった。おしながきには「浜の景」“関アジの一夜干しのパスタ”とある。
豊後水道の荒波にもまれて育った関アジは刺身にして食べていいものだが、その関アジを一夜干し、
パスタに和えて出してくるとは驚きだ。

最後は「田の景」、“里”をイメージさせる “ご飯に漬物”、そして「沖の景」の“止椀”で締めくくられた。

適度な量がタイミングよく運ばれたという印象だった。
 
食事が終わるタイミングで超サプライズが待っていた。
 
旅が始まる一ケ月前にJR九州のご担当から連絡が入っていた。
「10月15日は結婚記念日ですね。お花、ケーキ、シャンパンが御用できますが如何いたしましょうか?」
食べるものは用意されているから、お花にしてもらうことにした。
そして、 「その花はどのタイミングにしましょうか?」「メッセージカードのコメントは?」
ピアノが用意されていますので「リクエスト曲は?」とおもてなしのメニューが続いた。
 
これは“サービス”ではない、“おもてなし”である。
この二つの違いは何か? “サービス”には“金銭”が伴い“仕事”と言うべきものだが、
“おもてなし”は、“思いやり”から派生しているもの“人のセンス”が伴うものだと思う。
 
花を出してもらうタイミングは、食後のデザートの前にした。
花が出され、メッセージを読み終えた頃、斎藤和義の「歌うたいのバラッド」がピアノから流れはじめ、それと同時に、妻の頬に涙が伝わっていくのが見えた。
 
(つづく)