文化の本質を語れなければ観光ガイドとは言えない

通訳案内の方向性を感じるレポートをお届けします。
長文ですがお読みいただければ幸いです。

『文化の本質を語れなければ観光ガイドとは言えない』
NPO法人日本文化体験交流塾理事長、米原亮三氏
(米原氏は東京都観光部・部長等を歴任。2008年に都庁を早期退職し、NPO法人日本文化体験交流塾を立ち上げている。)
(日経ビジネスオンライン 8月28日)
http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20140821/270177/?P=1&rt=nocnt

【ポイント】
・日本は施設などのハード面に比べて人材活用やソフト面が非常に弱い。
・米国では会場周辺の観光などのアクティビティが豊富。
・持続的で発展的な観光をやるには、自立した資金で自立して運営すべき。
・国際交流ビジネスの「WAK JAPAN」代表の小川美知さんが京都でやっている「日本文化体験」を、東京でやろうと思った。
・事業の一つの基軸は、語学力のある文化人材の育成とした。琴や三味線が弾けたり寿司が握れる人はなかなか英語が話せず、外国人観光客と接する時には通訳を付けていたので非常にコストがかかった。
・2つ目の軸は、一般の方からの施設提供を“ホームビジット”にしたということ。“ホームステイ”は日本の住宅事情を考えるとプレッシャーが大きいため、2時間程度のホームビジットを基本にして宿泊施設を別に用意した。
 本格的な文化体験を1回100米ドルでサービス提供した。
・3つ目の軸は、通訳案内に時間制を導入した。これまで通訳案内は、1日1時間でも半日とみなす、5時間を超えたら1日とみなすという規定でやってきたので、2時間だけの見学でも1万5000円と高額になる。
 ガイドの主力の年代は子育て中の主婦が多いので、短時間の案内業務の需要があった。
・日本文化体験もクオリティが高くて価格が安くなければならない。
・通訳案内士を中心に会員化している。現在会員数は545人、通訳案内士を抱える団体としては国内で3番目の規模。
・文化体験事業は、家賃や謝金や事務経費を引くとほとんど手元に残らない。利益の確保は、会員制度(年会費1万円)と研修事業です。
 良いガイドになるためには研修を受けて勉強する必要がある。
 ただ研修で終わらせるのではなく、確実に活動の場を提供できる。ガイドの方は、研修を受けてもっと自分の力を高めようとする。
 文化体験事業と研修事業の2つを同時にやっているからこそシステムが成り立つ。
・払った金額以上に納得できる体験をしたらお客様は喜び、提供したガイドや日本文化を教える教師も喜ぶ。
・2011年から3年間まったく外回り営業をしていないが、ユーザーにとって良いことを積み重ねていけば口コミで広がっていく。
・「ガイドだけ提供してほしい」という依頼も寄せられるので、今後はガイド派遣事業も展開していく予定。
・今後の展望として、11泊12日など訪日外国人向けの企画募集型ツアーを企画。従来より2、3割安いが、クオリティは高いツアーにする。
・価格革命をおこすため、ガイドのリレー方式を導入。日本を3地区に分けて、ガイドがバトンタッチしながら最低4日間お客様の面倒を見る。
・関西支部には100人ほどのガイドがいる。
・FIT分野における企業としてはおそらく10年以内に日本最大の組織になる。
・2017年には会員数が1000人を超えると想定している。
・通訳案内士や国際ボランティアガイドは、華道や茶道の本質、日本の食文化の特質について語れないと、外国人を満足させられない。
・伸び盛りの観光地、人気の観光資源は、いつも外国人が発見する。
・日本に不足しているのは観光人材育成です。