飲食店が直面する「ハラール食」への希望と高い壁

日本はイスラム圏の観光客を呼び込めるか 
飲食店が直面する「ハラール食」への希望と高い壁
(ダイヤモンドオンライン 9月25日)
http://diamond.jp/articles/-/59569

「ハラール」については、ムスリム認証団体が数多く存在して国際基準もないことを問題視する人もいるが、”ムスリム”は宗教上の儀式であり、日本においても仏教の宗派が多くあり、宗派により戒律が違う面があるのと同じと解釈するのが適切かもしれないと感じるレポートだった。


東京都代々木の服部栄養専門学校でマレーシアのハラール認証機関であるHDC(ハラール産業開発公社)から講師を迎え『ハラール調理のセミナー』が開催された。

【ポイント】
・飲食関係者を対象にした実際的なセミナーは日本ではじめてだ。
・イスラム教徒が『旅行時になにを重視するか』の答は、1位「ハラール食」、2位「費用」、3位「ムスリムフレンドリー」である。
・アルコールが禁じられているのは、身体や精神の健康に悪影響を及ぼすからで、動物の血液なども「バクテリアが増えやすく衛生的に問題」であることが理由として挙げられた。
・豚肉などを調理した鍋や、流通に使うコンテナなどに犬の唾液が付着した場合、「汚染」したとみなされ、イスラム教の「儀式的洗浄(ディバグ)」に則った手順(1.土を水で薄く溶く。2.その泥水を汚染された器具にかける(1回目の洗浄)。3.流水で6回洗う。)による洗浄が必要になる。
・ハラール認証を受けた「儀式的洗浄専用の土」という商品が紹介されたが、日本人が神社の手水で手を清める意味と同一と考えるのが適切である。
・飲食店では、理想はハラール専用キッチンを持つことだが、ハラール用と区別して調理器具等を保管できればハラール対応は可能だ。
・ムスリムの隣でビールを飲み、豚肉を食べていたら、食べる気分にはならないなど、気持ちよく食事をしてもらう工夫も必要。
・マレーシアは国がハラール認証によるビジネスを推し進めており「マレーシアのハラール認証は厳しいが、それを受ければ世界中どこに行っても大丈夫」とのこと。
・消毒用アルコールがイスラム法上認められないため、次亜塩素酸ナトリウムに変更した。
・『マレーシアハラル制度の実務』によると、「消毒に工業用エタノールを使用することは認められる」とあるが、認証機関によって異なる面がある。
・和食では、魚や野菜は大丈夫なので、調理で問題になるのはみりん(醤油など醸造中に自然に微量のアルコールが生成されるものはOKとの解釈)くらいで、なんとかなる。
・京料理の美濃吉では、「ムスリムメニューの牛肉、鶏肉、醤油、砂糖はハラール対応食材を使用いたしておりますが、調理場内ではハラール類以外の料理も調理いたしております」「店内では酒類を販売いたしております。飲酒されているお客様が、お隣になる場合もございます」「食器類はムスリムメニュー以外の料理にも使用いたしております」と明記しており、正しく情報を開示することも重要である。