福井県の訪日観光需要を考える!

ジョブズも憧れた「訪日下位県」の最強コンテンツ
ビジネス訪日客の観光需要発掘にも期待
(日経ビジネスオンライン 10月24日)
http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20141021/272835/?n_cid=nbpnbo_mlp

国内延べ宿泊者数43位の福井県(625万人)、外国人延べ宿泊者数47位(1万8980人)から観光需要を考える。


【ポイント】
・2014年1‐8月の訪日外客数は前年同期比25.8%増の863.7万人。
 2014年4‐6月期の外国人延べ宿泊者数は前年同期比32.1%増の1174万人泊となり、延べ宿泊者数全体に占める外国人宿泊者数の割合はついに10%を突破した。
・2013年の宿泊旅行統計によると、全国47都道府県中、外国人延べ宿泊者数が10万人泊に満たない地域は15県。
 5万人泊に満たない地域が7県。ワースト3は、最下位の島根県の1万8980人泊、46位高知県の2万4820人泊、45位福井県の3万360人泊。

・奈良県は国内延べ宿泊者数が46位だが、外国人は16万4570人泊で23位。
 国内宿泊者数は少ないものの、法隆寺地域の仏教建造物、古都奈良の文化財、紀伊山地の霊場と参詣道という3つの世界遺産を有し、大阪や京都に近い地の利もあり、外国人客を増やしてきた。
・和歌山県の外国人延べ宿泊者数は21万1754人泊。高野山はフランス人など欧米の観光客に人気で、高野町の外国人延べ宿泊者数は5万1840人泊(前年比154%)、県内のシェアは24.5%に及んでいる。
・高野山は世界文化遺産に登録され、「ミシュラン・グリーン・ガイド」で三ツ星を獲得し、6ページに渡って紹介している。

・「禅(Zen)」は世界的に認知されており、永平寺も高野山同様に外国人の心を惹きつけると思われるが、永平寺の紹介は一文もない。

・禅宗は特定の教義体系を持たない宗派。
 禅のアイデンティティーは師匠-弟子という人間関係を重視しており、道元の教義や修行方法がほぼそのまま伝えられているのが永平寺。
 同じく日本の禅である臨済宗にはほとんど見られない。
・禅は道元が中国から持ち帰ったが、中国の禅は、アヘン戦争、日中戦争、文化大革命によって一度は完全に壊滅している。
・日本の禅の海外進出は、臨済禅の居士、鈴木大拙と曹洞宗の僧侶、鈴木俊隆の存在が大きい。
 今や曹洞宗系の寺院や禅センターは世界中に広がっている。しかし、海外の禅は欧米化が進んでおり、日本の禅とは乖離している。

・永平寺では夏は朝3時10分振鈴(起床)、夜9時に就寝するまで、読経や坐禅はもちろん掃除や食事も修行の一つと捉えられる。そのすべてに意味があり、ルールがある。
 寺院内にいる参籠(1泊2日)の参加者もそれに従い行動する。
・禅の修行は「ながら」ではなく、食事をする時は食事をする。坐禅は「只管打坐」、ただ坐禅する。「身心一如」、肉体と精神は一体。身体が先で心は後からついてくる。身体を先として行を行えば心はそれについてくるという教え。
・坐禅をすると脳波にリラックスした時に出るα波が現れる。何か心に浮かぶことがあっても流れる雲のように消え、煩わされることはない。
 観光的な禅体験からは、体験することはできない。
・こうした体験は外国人観光客、特にビジネスパーソンを惹きつけるのではないか。

・2013年訪日客のうち、観光・レジャー目的の客は54.6%、業務目的30.2%、その他15.2%。
・一般に業務目的の客は通常の観光旅行者より消費金額が大きい。
 国際会議など「MICE」のアフタープログラムとしても、永平寺の参籠は魅力的ではないか。
 スティーブ・ジョブズも憧れた永平寺の修行、770年不変の禅を体験してもらうことは「日本ファン」作りにもつながる。

・福井県の平成25年の観光入込客数(実数)は1034万人。
 平成25年に福井県を訪れた観光客は関西地区42.0%、中京地区27.1%、北陸地区17.3%、関東地区6.6%と、関東地区からの入込の少なさが原因の一つで、国内観光の弱さが訪日観光の弱さに反映されている。
・福井県には世界三大恐竜博物館の一つ、「福井県立恐竜博物館」や、断崖絶壁の奇勝「東尋坊」、重文8城の一つ「丸岡城」、食では「越前カニ」など、多くの魅力的な観光資源がある。

・福井県の奮起を期待したい。