京都府の風俗案内所規制条例の1審は「違憲」判決!

京都府の風俗案内所規制条例は行き過ぎか…1審は「違憲」判決、高裁判断で全国にも影響も
(産經新聞 11月8日)
http://www.sankei.com/west/news/141108/wst1411080039-n1.html

【全文掲載】
京都を代表する繁華街、祇園や木屋町から風俗案内所を一掃した京都府の規制条例をめぐる大阪高裁での控訴審に関心が集まっている。その規制の一部が憲法22条が保障する「職業選択の自由」に反するとして、1審京都地裁が違憲判決を出したためだ。原告、府側双方が控訴し、両者の言い分は真っ向から対立したまま。高裁の判断によっては、風俗案内所の規制を進める全国の自治体にも影響を与えると注目される。

府が平成22年に風俗案内所規制条例を施行したのは、14~22年にかけ、木屋町で19店、祇園で8店と両エリアだけで計27店もの案内所が乱立したためだった。条例によって祇園や木屋町は案内所の営業禁止区域となり、全店閉店した。

条例の特徴は、特定地域で「保護対象施設」と指定した学校や病院などから半径200メートル以内での案内所の営業禁止や、過度な写真や看板の掲示を規制した点で、違反者には罰則(6カ月以下の懲役または30万円以下の罰金)も定め、取り締まりを強化した。

しかし、23年2月、木屋町の営業禁止区域で案内所を営業したとして規制条例違反容疑で逮捕され、起訴猶予となった男性が、同年、府を相手取り「条例は憲法や風営法に抵触する」として営業権の確認を求め、提訴に踏み切った。

1審京都地裁が注目したのは、禁止区域の範囲だった。府が風俗店の出店を規制している風営法施行条例では、「学校や病院などから70メートル以内」の出店を禁じている。条例上、風俗店そのものより、案内所の出店が厳しく規制されていることになる。


1審は、保護対象施設から一定の距離内を営業禁止区域とすることは合理性があると認定したが「200メートル規制」について、風俗店の70メートル規制と比較し、「案内所が提供する情報が接待飲食か性風俗関連なのかを区別せず、風俗店営業よりも大きな距離制限を採用する明確な根拠を認めがたい」と指摘した。

男性の案内所は、保護対象施設から70メートル以上200メートル以内にあったことから、営業規制は「府民の営業の自由を合理的裁量の範囲を超えて制限するもの」とし、「職業選択の自由を定めた憲法22条に違反し、無効というべきだ」と一部違憲の判決を言い渡した。

府側は判決を不服とし、控訴。今年7月に大阪高裁で開かれた第1回口頭弁論では、1審判決で「明確な根拠を認めがたい」と指摘された「学校や病院から200メートル以内」という案内所の営業禁止区域について、実際の風俗店と比較し「案内所は風俗情報を積極的に発信し、多数の客を集めて享楽的・歓楽的な雰囲気を醸し出す」と主張した。

また、提供情報が接待飲食か性風俗関連なのかを区別していないと指摘されたが「接待飲食営業の情報提供のみを扱う案内所であると装いながら、違法な性風俗の案内を実施している店が多い」と反論した。

一方で男性側も控訴し、1審判決が認めなかった「学校や病院などから70メートル以内の場所で案内所を営業する権利」も認めるよう求めている。


案内所の規制条例をめぐっては、18年に大阪府が全国に先駆けて施行。以降、東京都や愛知県、福岡県などの繁華街を中心に少なくとも全国8都府県が導入している。大阪府の場合、性風俗と一般風俗を分け、府内全域での性風俗案内所の営業を禁止し、一般風俗店への案内所も学校や病院などから100メートル以内の出店を禁じている。

関西大の永井良和教授(都市社会学)は「風俗産業は、店を構えるという営業形態から変わってきている。案内所にしても、店に行くよりも携帯電話などで情報を得るというように変化している。出店場所を規制する条例に限界がきているのでは」と話す。

注目の控訴審の第2回口頭弁論は10日、大阪高裁で開かれる。