古民家をリノベーションした一棟貸しの宿泊施設の未来!

衰退する旅館、成長するRYOKAN
まちと宿の共生が世界から人を呼び寄せる
(日経ビジネスオンライン 12月19日)
http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20141216/275246/?n_cid=nbpnbo_mlt

京都をはじめ多くの場所で古民家をリノベーションした一棟貸しの宿泊施設が人気しているといいます。
特区法案が施行されたにもかかわらず、地域の理解が得られず、空き部屋を外国人観光客向けの宿泊施設として利用することが難しい状況です。
訪日外国人が2000万人を超えようとするなかで、なんとか理解の得られる方策を見つけてほしいものです。
特に立派な古民家が解体される姿を目にする時には空しくなります。

【ポイント】
・2013年12月に国家戦略特別区域法(特区法)が施行されました。
 国家戦略特別区域では、一定の条件の下で外国人滞在施設経営事業が旅館業法(第3条第1項、旅館業を経営しようとする者は都道府県知事等の許可を受けなければならないという規定)の適用除外となり、マンションやアパートなどの空き部屋を外国人観光客向けの宿泊施設として利用することが可能となりました。
 提供できる日数については旅館・ホテルとの役割分担を考慮、地域の状況を勘案して自治体が条例で期間を定めるとしました。

・東京都ホテル旅館生活衛生同業組合は都議会に反対の要望書を提出しました。
 全国初の条例制定を目指した大阪市では議会がこれを否決しました。

・旅館業法では公衆衛生や善良の風俗の保持、テロ対策などの観点から、宿泊者と面会し鍵の受け渡しを行うフロントの設置、宿泊名簿の記載と備え付け、国内に住所を置いていない外国人のパスポートの複写の保存などが義務付けられており、監督官庁による立ち入り検査の権限や罰則もあります。
 またこれ以外にも建築基準法や消防法、食品衛生法など多くの関連法の規制を受けますが、新たな法律にこれらの規定はありません。

・宿泊業は大型の設備投資やメンテナンスを要する装置産業です。
 そのため社会や消費者のニーズの変化に対応できないまま、苦しい経営を強いられている事業者も多いのです。
 新たな宿泊施設に客が流れることも脅威ですが、既存の施設には厳しい規制があり、空き家はその範疇外ではさすがにたまりません。

・不動産会社と提携し、空き家オーナーと宿泊客を結ぶマッチングサービスの提供を開始しようした事業者などは出鼻をくじかれました。

・もう一つの構造的な問題、全国的に広がる空き家の増加があります。
 2013年10月現在、全国にある空き家の数は820万戸で総住宅戸数の13.5%を占め、過去最高となりました。
 既に管理者がいない空き家も増えており、これが放置されれば、地域の防犯機能の低下や景観の悪化、倒壊の危険なども招きます。


・品川を中心に地域融合型のゲストハウスを展開する「宿場JAPAN」の取り組みを紹介します。
 国家戦略特別区域内でのサービスアパートメントの実験事業をスタート。歴史的価値が認知されていない空き家や古民家をリノベーションして、現代の宿場町の創生を目指すといいます。

・2014年12月、南品川に昭和20年代の五軒長屋をリノベーションした建坪わずか24坪、東京一小さいホテルを謳う「Banba Hotel(バンバホテル)」
 東京では数少ないグループ向け、一棟貸しのデザイナーズホテルです。

・高級レジデンスなどではサービスアパートメントを謳うものもありますが、大半は定期借家法の賃貸借契約で行われています。
 これは現行法(厚労省通達)で、ウィークリーマンションなど1カ月に満たないものは旅館業に該当するとされているからです。
 戦略特区により旅館業法の適用外が認められれば、こうした制限も受けなくなります。

・世界ではすでに空き部屋を貸したいオーナーと借りたい旅人をつなぐマッチングサイトがあり、多くの人が利用しています。
 世界最大手の空き部屋シェアサイト「AirB&B(エアビーアンドビー)」上ではすでに日本での貸し借りも始まっています。
 バンバホテルでもサービスアパートメントの宿泊仲介にはAirB&Bなどを利用し、実験を行う予定です。

・宿場JAPANでは今後、品川エリアを中心に5年で計100ベッドの宿泊施設の拡充を図り、現代の宿場町の創生を目指しています。