訪日客迎える成田空港の「世界一のトイレ」

訪日客迎える「世界一のトイレ」 成田空港で驚き演出 
世界呼び込む日本改造(上)
(日経アーキテクチュア 5月26日)
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO86714840T10C15A5000000/


訪日外国人が初めて踏みしめる日本の地である空港で「日本らしさ」を体感してもらう。
この発想こそ今の日本に求められるものだと思う。
日本の便座が中国人の爆買いにあっているようだが、日本のトイレは世界に売れるのは間違いないだろう。
TOTOの企業戦略としても、空港にショールームが置かれる意味は大きい。


【記事の抜粋】
2014年に1300万人を突破した訪日外国人。半世紀ぶりの東京五輪が開催される2020年に合わせ、目標とする2000万人達成が現実味を帯びてきた。
空港、駅、宿泊施設などが旅客をもてなす空間に変貌しつつある。

訪日外国人にとって、初めて踏みしめる日本の地である空港。玄関口で「日本らしさ」を体感してもらう空間づくりが進んでいる。舞台は、首都・東京への経路となる成田空港と羽田空港だ。

■トイレ文化を世界に発信

 「あの場所はなんだ?」。
影絵のランナーが壁面をびゅんと駆け抜けていく。興味をひかれて近づく。目の前に立って初めてその空間がトイレだと気付いた。
「面白い!」と思わせたならば、この仕掛けはデザイナーの意図通りだ。

世界一のトイレをつくろう――。
成田国際空港の第2旅客ターミナルに2015年4月にオープンした体感型トイレ「ギャラリーTOTO」は、日本のトイレ文化を世界に発信する。
日本は寺社仏閣に代表される静かで繊細なイメージがあるが、外国人が喜ぶのは着物のようにカラフルで大胆な日本だ。
だからこそ先鋭的なデザインにこだわった
トイレの個室もユニークだ。「L字」「T字」など様々な形状が並ぶ。
個室がショールーム機能を果たし、最先端のTOTO製品が記憶に残る空間を演出するためのつくりだ。

成田空港がトイレに力を入れる理由は、外国人から「日本のトイレの清潔さ」への評価が高いためだ。
「日本の公共トイレが自国と比べて清潔だ」と感じた外国人は94%に達した。
空港という国の出入り口で心地良い体験をしてもらう。それが、日本に対する好印象につながるとの狙いがある。


■乗り継ぎ客にも「日本を味わえる空間」

訪日外国人が利用する入国空港では成田空港が約38%と、2位の関西国際空港(約21%)を引き離して圧倒的に多い
連絡通路に滞在できるのは出国審査を済ませた出発客か、セキュリティー検査を受けた乗り継ぎ客だ。

格子や和紙などを多用して和の風合いを出すことは基本だ。
加えて、畳を敷いた2m四方のベンチを6つ組み合わせて「舞台」にする仕掛けを施した。
畳の舞台では折り紙や茶会、書道の体験会を開催する。


■本物演出で空港を観光地に

東京国際空港(羽田空港)も国際線旅客ターミナルにひと工夫を施した。屋内に木造橋を建設したのだ。
欄干に触れるとひやりと冷たいヒノキの感触が伝わってくる。旅客は触覚ではるか江戸の昔を体験するだろう。

実物の約半分といわれる全長25m、幅4mの「はねだ日本橋」は、総ヒノキ造。
海外旅客に『本物』の感覚を味わってもらいたかった」と説明する。

国際線旅客ターミナルの乗降客は4割強が外国人。
東京観光で高層ビルばかりの景観に「がっかりした」と感じる旅客が少なくないという。
空港を最初もしくは最後の「観光地」として日本文化を体験してもらい、再び日本に来たいと感動してもらう仕掛けが大切だと考えた。

2014年9月末にオープンした「ロイヤルパークホテルザ羽田」は、航空機の乗り継ぎで保安エリア(搭乗ゲート付近など空港内で保安検査後の旅客だけが立ち入りできる区域)で待機する旅客が宿泊できるトランジットホテルとした。
日本で初めて空港に併設された。

日本の玄関口である空港は、2020年開催の東京五輪に向けて、着実に迎え入れの体制を整えている。