訪日観光客の増加の背景と今後取り組まなければならない戦略!

初代観光庁長官の本保さまの講演をお聞きしましたので要旨をご紹介します。 (文責:星乃)
(NPO法人ツーリズム研究機構設立記念シンポ 7月10日)

訪日外国人観光客が増えているのはアジアの観光客が7割を占めているからであるが、欧米と比べて地理的、文化的、経済的距離が近いとの指摘はなるほどと思う。
欧米の観光客が多い地域は欧米に力点を置くべきであろうが、世界的に観光客が増加するアジアに、マクロの視点で取り組まなければならないのは当然だろう。


◎訪日観光客の増加の背景 
・ 世界の観光が拡大している背景は、世界経済発展のなかで、国際的に観光が増加していることだ。
 なかでもアジアが最も高成長しており、現在全世界の30%を占める。
・ 日本のインバウンド急拡大の背景は、円安、ビザの大幅緩和(タイ、マレーシアは数次ビザ→免除。中国 
 はここまで緩和してない)、免税拡大が大きいが、これらは短期的な効果を呼ぶもの。
 東京オリンピック、世界文化遺産登録、日本食の無形文化遺産登録の効果も大きい。
・  これまで日本は観光に全く力を入れていなかったが、安倍政権は力を入れている。
 観光庁の予算が拡大。 2002年は33億円だったが、2015年は146億円になった。
 これに自治体予算を加えると200億を越えるだろう。
 しかし、韓国の予算の1/5にしか過ぎない。
・  LCC時代を迎え、地方都市にも飛ぶ時代を迎えた。
・  首都圏空港は容量がパンクするのが見えてきた。
・  訪日外国人数、今年は1800万人に届くだろう。そして2000万人は達成も視野に入った。

◎近距離の有利さ
・  地理的距離(航空運賃の低下)、文化的距離(現語能力向上)、経済的距離(円安)でアジアの観光客を誘客するうえで有利。
・  東京から1000kmはソウルのみ、パリはヨーロッパの主要国が入っている。地理的距離で世界の観光客数に絶対有利。

◎日本の観光の評価
・  専門家が高く評価する日本の観光(主要な評価で1位、2位)
・  専門家が評価しても誘客に繋がらない。しかし一般の評価も高くなってきている。
・  トラベルアンドレジャー誌のランキング1位に2年連続京都市が1位。
・  アジアの市場が拡大。今後もアジアの市場が拡大するのは変わらない。(日本は地理的距離に有利)
・  韓国は日本とほぼ同じ来客構成(地理的距離が同条件)

◎オリンピックを観光に活用する
・  東京五輪を五輪として成功させるだけでなく、五輪を機会にで日本の素晴らしさを知ってもらうこと。
  観光振興に繋げる戦略が必要。
  シドニーはこの戦略に失敗し、ロンドンは成功している。
  ブランドづくりが最重要。
・  東京と同時に地方を相対化させてブランド価値を上げる。
・  外国メディアにいかにPRするか。彼らは忙しいので、数秒で分かるPR資料を提供すること。

◎最後に
・  国内旅行は低迷している。ピークで40兆円だったものが20兆円にまで減少している。
  業界が提供するサービスがマンネリしている。
・  外国人は長期滞在する。特定地域に宿泊が集中している。(東京、北海道)
・  しかし、外国人宿泊の割合については関西は強い。
・  ガイドブックへの取り上げ方を見ても関西が注目されている。
・  黙っていても関西は訪日観光の勝ち組になる。