インバウンド増に“死角”あり!

インバウンド増に“死角”あり 〜文化面での「富国論」が必要〜
(日経ビジネスオンライン 8月4日)
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/interview/15/238739/080300028/?n_cid=nbpnbo_mlt


デービッド・アトキンソンさんの説を裏づけしたような話だ。
海外旅行をする人の中で、日本を目的地とする人のシェアはけっして多くない。
アジアの中でもタイや中国に後れを取っている。
ここで問題なのは記事に書かれている「ターゲットを明確に定める」ということは可能なのだろうかということ?
欧米系の外国人のみ、富裕層のみとの説を論じる方も多い。
私は大いに疑問を感じる。
富裕層を取り込む戦略は認めた上で、バックパッカーなどの受け入れも進めなければいけないと思う。
観光客も多様であることを認めて戦略を立てないといけないと思う。


【ポイント】
・訪日観光客数は2014年に過去最高の1340万人に達し、今年も上半期だけで900万人を超え、このままいけば過去最高を更新するのが確実だ。

・2025年までに日本の人口はだいたい600万人減る見通しです。これは北海道全体の人口に匹敵するほどの規模です。
2025年になった時に、年齢層で言えば50歳以上の人が5割以上を占め、成人人口の3割近くは70歳以上というくらいに高齢化が進みます。
日本国内でもっとお金を落としてもらうことを考えれば、自然とインバウンド市場が注目すべき大きなポイントの1つになります。

・日本を訪れる外国人旅行者は増えています。ただ、これは世界中で海外旅行をする人の数全体が増えているから増えているということ。
全世界で海外旅行をしている人の中で、日本に来る人のシェアは非常に小さい。

・中国人の中で、日本に来た人を見ると、2010年には約2800万人のうちの5%だったのが、2014年には約5000万人中の3%(予測値)と、シェアに関してはむしろ下がっています。

・欧米などから遠距離旅行に来る方の中で、日本に来る人のシェアを見てもやはり非常に小さい。
米国から東アジア・東南アジアに来る観光客の目的地は中国、タイ、日本の順で、日本のシェアは13%(2013年)です。
英国からではタイ、香港、マレーシアと続き、日本は6番目で6%。
ドイツからではタイ、中国、香港、インドネシアと続き、日本は同じく6番目で6%のシェアにすぎません。

・「ピンタレスト」という画像共有アプリに着目しました。
海外からの旅行者が日本に来て、どんなものを面白いと思って撮影し、アップしているのか。
また、そのアップされた動画や写真に対して、ほかの人がどれくらい「いいね!」を付けているのかを分析してみたんです。
意外に多いのが、日本の神社であったり、お祭りやお花見だったりする。外国人はこうしたものを稀有な体験として捉えている。
これまでインバウンド戦略としてやってきたこととは異なるやり方があるのかもしれません。

・日本食を食べたいというのは皆さん思っているんです。これはこれで出来上がったコンテンツです。
欧米からの観光客の方々は文化とか歴史にすごく興味を持っています。
遠くから来ることもあって、できる限り長く滞在して日本の文化的な資産に触れてみたいという気持ちが強い。

・日本の歴史、自然、素晴らしい体験というものをもっと打ち出すべきだと思います。
神社やお祭りというのは日本中にありますから、これをプロモートしていくことは日本にとってもメリットが大きい。
ただ、それぞれの地方がバラバラに宣伝しているようでは効果は限られます。

・飛騨の高山など、地方にもかなりの外国人客が押し寄せています。ただ、確かにそういうところが点在はしているけれど、線や面にはあまりなっていません。
日本という国のブランドのマーケターが要るのだと思いますね。

・ロンリープラネットを見ると、日本について「英語で会話ができる人を探すことは困難です」だとか、「地方の駅では、ほとんどの券売機で日本語表示しか選択できない」といったことが書かれているんですね。
タイの場合は「国民の32%が基本的な英会話が可能」「交番や公共機関では英語対応が可能なスタッフが配置されていることが一般的」と書かれています。
外国語の表記だけでも、もっと進めるべきだと思います。