訪日外国人に向けた「インバウンド美容」の大きな可能性 

訪日外国人に向けた「インバウンド美容」の大きな可能性

(nippon.com 9月4日)
http://www.nippon.com/ja/features/h00120/?pnum=1


「お店が清潔で衛生的である」「スタッフの施術が上手である」「安心して荷物を預けられる」など
日本人利用者にとっては当たり前の美容室の姿だが、外国人観光客にとっては、まさに「おもてなし」を具現化したサービス分野のようだ。
ネイルサービスは「すでにやったことがある」10% 、「ぜひやってみたい」22.3%、「やってみたい」26.5%となっている。
「日本語が話せないから注文に不安」「サロンへの行き方・予約方法がわからない」などへの対応も求められる。


【ポイント】
外国人観光客の数は2014年1341万4000人、2015年上半期で過去最高の914万人となり、前年同期比46パーセント増を記録した。
「インバウンド消費」は前年比約4割増の2兆278億円だ。

アジア(台湾、韓国、中国、香港)で訪日観光経験のある女性を中心に調査し、「インバウンド美容」の可能性と課題を探った。
「美容サロンへ行きたい」という人が3割近くにのぼっている。人気の定着している「化粧品購入」に加え、美容サロンに対する期待値も高いのではと思われる。

日本の美容サロン(ヘアサロン、ネイルサロン、エステティックサロンなど)を利用した外国人観光客に、店のサービスについてそれぞれ満足した点を聞いた調査では、「お店が清潔で衛生的である」「スタッフの施術が上手である」「自分でイメージした通りの仕上がりになる」などが上位を占めている。また、「安心して荷物を預けられる」などの感想が挙げられている。

ネイルサービスは日本ならではのデザインやきめ細かいケアが人気だ。アニメや「すし柄」といった変わりダネのデザインを施した「痛ネイル」が話題となっており、過去1年以内に日本を旅行したことのある、中国・台湾・香港・韓国・タイ・アメリカの男女600名対象の調査では、「すでにやったことがある」10% 、「ぜひやってみたい」22.3%、「やってみたい」26.5%となっている。

「日本語が話せないから注文に不安」が多い。「サロンへの行き方・予約方法がわからない」なども挙げられ、今後より多くの外国人観光客を受け入れていくためには、接客、情報発信における外国語対応の強化が望まれる。

インバウンド戦略に積極的に取り組んでいる実例としては、全国に27店舗展開している美容サロンの「Forcise」が挙げられる。スタッフへの英会話レッスンはもちろん、外国人カットモデルを活用してカウンセリングから仕上げまですべて英語で行う練習を定期的に実施している。
また、英語のホームページ、情報誌、SNSを通じて情報発信を行う一方で、東京や大阪の観光局や旅行会社に働きかけてサロンでの施術を組み込んだパッケージツアーの「Kawaii Tour」に協力している。

美容サービスにおいても、「ハラル」の理解と対応強化を通じたインバウンド戦略が必要となってくるだろう。
ムスリム女性は近親者以外の男性の前ではヒジャブ(頭に巻くスカーフ)で髪を隠さなくてはならない。施術者も女性に限られる。豚・アルコール由来のヘアケア剤の禁止など、配慮すべきことが多いようだ。