観光庁の予算と人事のタイミングはこうなっている!

観光庁の予算と人事のタイミングはこうなっている ― 新事業のネタ仕込みは2年前から【コラム】
(トラベルボイス 9月18日)

http://www.travelvoice.jp/20150918-49581


民間企業の方から国(観光庁)の予算のあり方や、人事について質問を受けることも多いのでこのレポートを紹介します。
今年度の観光庁の予算は補正あわせて146億円。他の省庁と比較して多い予算ではありません。
観光分野の予算は、財務省の「インバウンド振興は国策、国内観光振興は自治体と民間企業の役割、海外旅行振興は旅行会社」といった方針があるのですね。


【ポイント】
その年度の実施事業は、国会が国家予算を決定していれば、4月に開始し翌年3月に終了します。

新年度早々には、翌年度に実施する事業の大枠を決めてしまいます。
そして、その事業を実施するための予算折衝の準備に入ります。
8月中に、観光庁内で来年度の事業の大枠と希望する予算を策定して、国交省全体と調整した上で財務省に提出します。
全省庁が8月末までに予算の概算要求を提出します。
財務省は各省庁からの概算要求を厳しく精査し、来年1月に政府の予算案として国会に提出できるように準備します。
政府予算案が固まるまで、各省庁は職位の各レベルごとに財務省の担当主査・主計官に説明を重ねていきます。

各局ごとに企画官がいて、この人を中心に予算業務が進んでいきます。
企画官は課長直前のポストで、各課の課長補佐を束ねています。
まずは課長補佐級で折衝を進め、その後、課長、それ以上の幹部と折衝レベルが上がります。

本予算以外に補正予算があります。補正予算は、当初予算を補う形で組まれる予算で、予備費で対応しきれない社会情勢の変化や財政需要が発生した時に組まれます。
予算は、当初見積もりとの乖離を嫌うので、原則使い切らなければなりませんが、補正予算の場合は残すことはご法度です。
このため、やる気のある主体に金をつけていくというバラマキ系になる嫌いがあります。

観光分野における本予算に関しては、インバウンド振興は国策、国内観光振興は自治体と民間企業の役割、海外旅行振興は旅行会社が頑張ればよい、といった財務省の方針があります。
最近は、政権が地方創生を重視しており国内観光振興予算もつきやすくなっていますし、補正予算も国内観光振興に予算がつくことが多いです。

人事異動の4月の異動は、国家公務員一般職(プロパー職員)や出向職員が戻ってきたり、新しい職員が出向するタイミングに行われます。
7月は主に国家公務員総合職(キャリア)の異動時期です。が、7月と決まっているわけではなく、通常国会が通常通り終了した場合になります。
ちなみに、キャリア職員は1年〜2年のサイクルで異動します。

観光庁の大きな特徴の一つに、民間企業や自治体からの出向者が多いことがあります。
交通事業者、宿泊事業者、シンクタンク、金融会社、外食産業、化粧品メーカー等、弁護士はいます。
身分は、勤務先を退職して、国家公務員に移して仕事をする官民交流という仕組みがあります。
自治体からは出向の形でやってきます。
100数十名の観光庁職員のうち、1/3はキャリア、1/3はプロパー職員、1/3は民間や自治体からの出向です。