中国人観光客が押し寄せるラオックス。ドン底から繁盛店への大変身!

黒字化したラオックス、「変わり身経営」の全貌

(日経ビジネスオンライン 10月22日)
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/15/278209/102100005/?n_cid=nbpnbo_mlp&rt=nocnt


訪日中国観光客が爆発的に増加したため、中国人が経営するラオックスが繁盛するのは当たり前と見るのは正確ではないようだ。
追い風はあったものの、いち早くインバウンド向け免税店に切り替え、品揃えを変化させる素早さなど手腕は凄い。
ラオックス店舗で使える割引クーポンを携帯電話利用者に配信するサービスも10月に始めるという。
中国経済が減速したとしても「訪日客の減少はほとんどないか小さい。中長期的に見て、中国からの訪日客は増加傾向が続く」という羅怡文社長の言葉は頼もしい。


【ポイント】
業績低迷にあえいでいた老舗の家電量販店が、14期ぶりに黒字化を果たした。
復活の原動力は、50年前から地道に取り組んできた免税品の販売だった。
中国企業の傘下入りを機に変化するスピードを上げ、移り気な訪日客を取り込んだ。

1930年創業のラオックスは、秋葉原を代表する家電量販店だった。
家電やパソコンの普及で、ピーク時の2001年3月期に売り上げは2100億円を超えたが、2000年代半ばには経営不振に陥った。
中国の大手家電量販店、蘇寧電器集団(現・蘇寧雲商集団)の傘下に入ったのが2009年だ。

日本国内でインバウンド向け免税店として最大規模を誇るまでに復活してきた。
2014年12月期の連結売上高は前年の1.5倍に増え500億円を超えた。純利益は12億円と、実に14期ぶりの黒字を確保した。
今期(2015年12月期)は、その約7倍の83億円にまで拡大する見通しだ。

中国からの訪日客は「ゴールデンルート」をたどる。しかし2度目、3度目の訪日となるリピーターがゴールデンルートに足を向けることはほとんどない。日本の自然や文化に興味を持つからこそ再来するのであり、そうした人々は北海道や九州など地方を訪れるケースが多い。
ラオックスが今、力を入れているのが、地方の人気観光地への出店だ。
8月末時点で全国に24店舗を運営。2018年には50店体制を目指しているが、訪日観光客の流れに合わせて柔軟に店舗網を組み替えていく。

ラオックスは、数百の旅行会社と提携し、観光ツアーのスケジュールにラオックスでの買い物を組み込んでもらい、集客を図っている。
ドコモと協力関係にある中国移動(チャイナモバイル)や韓国KTの携帯電話の利用者が来日した際に、ラオックス店舗で使える割引クーポンを配信するサービスを10月に始める。
観光客がクーポンを使うと購買履歴がデータベースとして蓄積されるメリットもある。

家電製品の割合は既に3割以下となっている。
免税品の販売比率は、家電と時計・宝飾品がそれぞれ3割。化粧品・医薬品が2割を占めるが、その割合はこの1年で2倍に拡大した。
最近伸びているのは化粧品や医薬品で、今後伸ばそうと注力しているのがアパレル製品だ。
独自ブランド「ORIGAMI(オリガミ)」を立ち上げるため自社でデザイナーを採用。国内で生産を委託して、新宿本店の8階に専用売り場を設けた。

中国経済が減速したとしても「訪日客の減少はほとんどないか小さい。中長期的に見て、中国からの訪日客は増加傾向が続く」
常時20カ国語以上に対応できるスタッフをそろえつつある。現状は来店客の6割を中国人が占めるが、中国以外の外国人客に幅広く対応できる体制を着々と築いている。