香港人が和歌山を好むワケ!

香港人が和歌山を好むワケ 〜地方送客のカギは「ユーザーイン」の視点〜
(日経ビジネスオンライン 11月30日)
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/15/112700055/112700001/?n_cid=nbpnbo_mlp&rt=nocnt


「世界で一番日本好き」が香港で、リピート率は82.2%。昨年訪日した香港人の2割が「10度以上訪日経験がある」と答えている。
その香港の観光スタイルが変わり始めた。
「東京や大阪は見尽くした。日本の原風景が見たい」という。
都心のホテルは高くなったが、地方では宿泊料金がまだ安いこと。さらに、「静けさ」が魅力だという。
「大陸の中国人観光客が大量に押し寄せる都心は「うるさい」と敬遠する香港人が少なくない」という声は、欧米系観光客にも広がっているようだ。


【ポイント】
日本好きの香港人に対して「直行便を飛ばしてほしい日本の都市」調査の結果、トップは函館市。2位に毎回つけるのが和歌山県だという。
2014年に和歌山県を訪れた外国人は30万3574人。前年(21万1754人)から43.4%増加した。2003年(6万1283人)に比べて約5倍になる。
1位が香港7万7621人、2位が台湾6万9262人、3位が中国本土が3万7373人、4位が韓国が9692人と続く。

和歌山は1990年代後半には旅行客が伸び悩むようになる。問題意識を持った白浜の温泉旅館共同組合や自治体が、外国人観光客の獲得に向けて動き出した。
現地の人々が何を求めているのかを知り、そこから少しながら和歌山の魅力を発信していくようになった。
「プロダクトアウト」の発想をやめ、市場や顧客のニーズに応える「マーケットイン」「ユーザーイン」の発想に切り替えた。

海外の旅行博に出店する自治体も多いが成果が出ていないという。
「名産や名所を掲げているが、正直ほかの自治体との違いが分からない。『△×県に来てください!』と言われても、それだけでツアーを1つ作るほどの魅力には欠けるため、プランを組むのは難しい」と旅行会社の社員はいう。

香港や台湾の人の旅行の動機には「食」が大きな部分を占める。欧米の人は歴史や文化、自然を好む傾向が強い。
和歌山県は早い段階で気づき、それぞれ別のプロモーションを推進した。
顧客の嗜好が分かれば、それに合わせて自らが持つ資源を精査して効率的にアピールできる。
ミカンや柿など、全国屈指の果物の産地である和歌山県は、香港や台湾の人々向けに果物狩りツアーを企画して好評を得ている。
「和歌山マリーナシティ」にある「黒潮市場」では、連日3回「マグロの解体ショー」が行われて、海鮮好きな香港人や台湾人、中国人にも人気だ。
「マグロの解体ショー」は毎日必ず、3回やるというのが大事。せっかく来たのに見られなかったという声が出ると評判が下がる。
和歌山電鐵貴志川線貴志駅の「たま駅長」の「訃報」は海を越えて香港でもニュースで報じられるほど知名度は高かった。

香港人の訪日動機は 「東京や大阪は見尽くした。日本の原風景が見られる地域」にシフトしているという。
日本人の国内旅行で人気が高くない地域が外国人にとっては人気の高いスポットになる可能性がある。
理由の一つは、都心のホテルの価格の高さだ。その点、地方では宿泊料金がまだ安い。さらに、売りになるのが「静かさ」だという。
従来は東京や大阪など、都心でにぎやかな地域が好まれたが、今は日本の歴史を感じる原風景が見られる地域が人気している。
大陸の中国人観光客が大量に押し寄せる都心は「うるさい」と敬遠する香港人が少なくない。