3000万人時代のインバウンドは「数」から「質」に!

インバウンドは「数」から「質」に 〜3000万人時代へ、案内表示やWi-Fi環境より重要なこと〜

(日経ビジネスオンライン 2月16日)
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/interview/15/238739/021500133/?n_cid=nbpnbo_mlt&rt=nocnt
インバウンドの増加は、世界の海外旅行市場が伸びが根底にあり、そこに円安が呼び水となって、日本の観光地としての魅力が一気に世界中に広がったとの見方が正しいだろう。
これだけインバウンドが増加し、大きな経済効果が示されても、インバウンドに取り組もうとする事業者が少ないのは残念だ。
意識の高い人が増え、地域ぐるみで海外からのお客さまを受け入れる体制を創ることを望みたい。
【ポイント】
日本のインバウンドは2013年に初めて1000万人を超えた。
それまでの10年は、世界の海外旅行市場が伸びていることによる面が大きく、日本そのものが選ばれているわけではありませんでした。
この2年の伸びは、円安ビザの緩和が呼び水になっているが、ここまで数が増えたのは一種の”日本ブーム”が起こっているからです。
大きな理由はICTの進展です。マスメディアによるキャンペーンよりも、一度日本に訪れた観光客が発信した情報が、それぞれの国で一気に圧倒的な量で拡散されて、「日本っていいところだね」ブームを巻き起こしている。
SNSはもちろん「YouTube」「Instagram」も、海外の方たちが日本の情報に触れる機会は圧倒的に増えています。
スマホで写真を見せて指をさせば、英語が通じない日本人にもそれで伝わり、これが日本へのバリアを限りなく低くしている。
政府や自治体によるプロモーションも「特にこれが」というより、絶え間なく続けてきたことがよかった。
予算額は韓国やタイなどと比べるとまだ少ないが、2016年度はすごく増えています。こうしたプロモーションも継続することが重要です。
インバウンド市場は右肩上がりに伸びているが、観光業とか観光地という視点で見ると、日本人相手の方が多いですし、消費額もずっと大きい。
わざわざ外国人客に頼らなくても、日本人観光客の相手だけで何とかやっていけるという観光地も少なくありません。
そんな中でどれだけ本気になって取り組むかという受け入れ側の意識の問題が挙げられる。
言葉の問題というのは特に語学堪能な人が欠かせないというわけではない。
そもそもやろうと思うかどうかの話です。
ですから、観光業者や観光地の店などが本気で外国人客を取り込もうと真剣に取り組めば、受け入れ側の態勢はぐっと高まる。

外国語表記やWi-Fi環境を増やすとか、クレジットカード決済をもっと使えるようにすることがよく指摘されるが、これは次の段階の話ではないか。
これから安定的にインバウンド客を増やすことを考えるなら、地域全体で受け入れる側の意識を変えるべきです。
国内の観光業者のうち、従業員数が4人以下の零細事業者が63.4%と、ほぼ2/3を占めます。年間設備投資額は30万円ほどにすぎない。
地域や観光業者にはあまりカネが落ちないという現実もある。
大型のクルーズ船を寄港地として誘致して、1000人、2000人規模の団体客を呼び込んで、港で免税手続きができるようにして、訪れた人を何十台ものバスに乗せて近くのショッピングセンターなどに送り込んでいるが、地元にはおカネはあまり落ちない。
大きな船で大勢の人に来てもらい、大量に買い物をしてもらうことを否定するわけではなく、利便性も高めていく。同時に、各地の世界遺産などをゆっくりと回って過ごしてもらうといったプランも提供する。
インバウンド政策は「量」ばかりではなく「質」を求めていく、継続的に来てくれるリピーターを増やすというのはとても重要なことです。
地道なやり方がこれからは絶対に必要になってくる。