インバウンドの課題から民泊まで!

観光のギャップを読み解く – 識者4人が語るインバウンドの課題から民泊まで
(トラベルボイス 3月 8日)
http://www.travelvoice.jp/20160308-62451
訪日外国人の記事は毎日眼に飛び込んでくるようになった。そしてシンポジウムの数も増え、期待と課題が交錯する。
「民泊」については、京都市の三重野氏の意見「観光客の数をもっと増やしたい地域では有効なビジネスになりうる」一方、「すでに年間5,500万人以上の観光客が訪れる京都では、民泊より5つ星ホテルが増える方がありがたい」ただ、実際に需要があることから「難しい問題」」との意見は、見識がある。
訪日客の集中と分散については、「すでに香港、台湾、韓国からの訪日客では地方分散が進んでいる」との意見の通り、これから地方への分散が進むことになる。
【ポイント】
「インバウンド・セミナー」(他言語通訳/翻訳サービスを展開するブリックス社が主催)

<パネリスト>

• 日本政府観光局(JNTO) 海外プロモーション部部長 平田幸氏
• 東洋大学 国際地域学部国際観光学科准教授 矢ケ崎紀子氏
• 京都市産業観光局 観光MICE推進室 MICE戦略推進担当部長 三重野真代氏
• Uber Japan執行役員社長 髙橋正巳氏

<ファシリテーター>
•  トラベルボイス 代表取締役社長CEO 鶴本浩司


◎民泊について


JNTO平田氏
「普及の早さは、便利さと現地交流体験の欲求の高まり」と分析。「日本でもFIT化が進むなか、多くの選択肢が必要ではないか」

京都市 三重野氏
現在約2,600軒がAirbnbに登録している京都市では現在、実態調査を行っており、まもなく報告を取りまとめる予定。三重野氏は、「一般的に民泊に対する住民の反応はネガティブで、マナー、ゴミ、騒音、消防などで不安は大きい」と説明した。
また、民泊については地域性があるとしたうえで、観光客の数をもっと増やしたい地域では有効なビジネスになりうる一方、「すでに年間5,500万人以上の観光客が訪れる京都では、民泊より5つ星ホテルが増える方がありがたい」と話した。ただ、実際に需要があることから、「難しい問題。新しいビジネスとしていい形でルール化して欲しい」との要望を示した。

東洋大学 矢ケ崎氏
矢ケ崎氏は、「農家民宿が生まれた頃は問題も多かったが、現在ではそれも受け入れられている。交流型の民泊はしっかりやっていくべき」と主張。体験をシェアしたいというマーケットが生まれているなか、「新しいビジネスは新しい客を連れてくる」と話す一方、「ルールは必要。ベストプラクティスとしての実例が欲しい」との見解を示した。


◎インとアウトの両輪について
JNTO平田氏
訪日客の集中と分散について、「すでに香港、台湾、韓国からの訪日客では地方分散が進んでいる」とし、ファーストタイマーのゴールデンルートや都市への集中を受け入れながら、「短期と長期にわけて地方分散を促していくべき」と主張した。

京都市 三重野氏
京都はゴールデンルートにあるため観光客が集中している現状をふまえ、「キャパシティーを考えながら、日本全体で訪日客の量ではなく質を変えていくと、もっと新しい結果が出てくるのではないか」と訪日政策の見直しに言及した。

Uber Japan 髙橋氏
2020年をひとつの目安として、「Uberのサービスが日本全国で利用できるようになれば」と希望を話すとともに、「世界のスタンダードをどのように日本で広めていくか。ルールは必要だが、現行法は時代に合っておらず、ITやモバイルを想定していない。その議論をもっと深めていくべき」との持論を展開した。

東洋大学 矢ケ崎氏
観光に携わる企業が連携を深め、産業体として役割を果たしいくことに期待を示した。そのためには安定した需要が必要だとし、「外的要因で需要が減ってもビジネスとして成り立つボトムラインをつくっていくことが大切」と主張。また、「日本人はもっと海外旅行に行かなければいけない。そのなかでもアジア域内での観光交流は重要」としたうえで、「日本の観光産業は、インとアウトが両輪として動き、それを国内旅行が支える強い構造を持つ必要がある」と強調した。