京都市の観光「量より質」への転換の課題 !

京都市の観光行政を戦略部長に聞いてきた、「量より質」への転換で解決すべき5つの課題
(トラベルボイス 3月23日)
http://www.travelvoice.jp/20160323-62441 
京都市は世界的な観光都市として評価されている。それゆえ課題も多い。
京都市産業観光局観光MICE推進室MICE戦略推進担当部長の三重野真代氏は「京都市は観光客の量より質を求めたい」と話す。
京都市はキャパシティーの観点から「これ以上、観光客を受け入れるべきでない」「ラグジュアリーホテルの誘致」「民泊を否定するものではないが、京都という地域性を考える」「通訳ガイドの育成」「京都府や周辺自治体との広域連携の必要性」という。
まったくもって同感である。これほど明確に今後の観光についてのポリシーを持つのは京都市のみだろう。
【ポイント】
京都市の場合、キャパシティーの観点から「これ以上、観光客を受け入れるべきなのか」と考える京都市民も多いという。
京都市が掲げる「量より質」について、「旅行者の満足度を高めていくこと」「現地消費額を増やしていくこと」「市民生活と共存させていくこと」の3点を挙げる。
京都市では2年前に初めて外国人宿泊者数、年間300万人を目指すと定めた。
門川大作市長は、「観光で稼ぐ仕組み」として観光客から税金を取る、いわゆる観光新税の検討を公約として掲げた。

【その1: ラグジュアリーホテル誘致、民泊は地域性考慮して対応】
最優先課題が宿泊施設不足。

「特に上質な観光客を呼び込むためにラグジュアリーホテルの誘致に力を入れている」、「ホテルの単価を上げて、宿泊業者が利益をもっと出せるようにするため」だけではなく、「国際会議の誘致でも重要なポイントになる」。
国際的な会議を誘致するコンテンツは多いものの、それを受け入れられるレベルのホテルが少ないことから、MICEが伸び悩んでいる。
京都市は「民泊自体を否定するものではないが、地域によって違いはある。京都という地域性を考えなければいけない」という。
国が民泊の新しいルールが定めたとしても、「条例で上乗せ規制を考える必要がある」との見解を示す。
京都市は町家再生の取り組みとして、数年前から町家を宿泊施設として一棟貸しする施策も進めている。
これは、旅館業法のもとで実施されており、民泊とは別次元の話。
【その2: 専門ガイドを育成し、コンテンツを商品化】
京都市が取り組んでいるのが構造改革特区を活用した京都市認定通訳ガイドの育成だ。
第一期の研修では、定員50名に対して555名の応募があった。そのうち、書類選考と面接審査を通過した59名が基礎研修を受講。
今年8月頃には最初の認定通訳ガイドが誕生する予定だ。
2016年度には、京都市認定ガイドや通訳案内士を紹介する通訳人材バンクも立ち上げる計画だ。
【その3: 外国人が消費しやすい買い物環境も改善】
稼ぐ観光のために買い物環境の改善も進めていく方針。
京都市は昨年12月、ビザ・ワールドワイド・ジャパンと地域活性化包括連携協定を結んだ。

【その4: 外国人対応タクシーで満足度アップ狙う】
今年3月1日から訪日外国人向けタクシー(フォーリンフレンドリータクシー)の実証実験を始める。
語学力などで認定を受けた運転手および車両が、京都駅の専用乗り場で外国人旅行者を迎える取り組み。
認定を受けたのは87名、車両は69台。

【その5: 地域観光のカギはDMO、広域連携も模索】
京都市では来年度、文化財の公開を主業務とする「京都市観光協会」を中心としたDMOづくりの検討を始める。
京都府や周辺自治体との広域連携の必要性にも言及。
京都市内は宿泊施設不足が顕在化しているなか、「(京都市が)周辺の宿泊も紹介していくべきではないか」と提案。
「たとえば、大津駅から京都駅までは10分ほどしかかからない。今後は、こうした情報をもっと発信していくことも大切だろう」と訴える。
周辺に宿泊が広がれば、経済効果が波及するとともに、京都市内に泊まるステータスが上がる。