国連が「サステイナブル観光」に向けて考えるべきこと!

2017年の国連「持続可能(サステイナブル)観光」年に向けて考えるべきこと【海外コラム】

(トラベルボイス 4月18日)
http://www.travelvoice.jp/20160418-64704
このコラムは秀逸だ!
国連の掲げる「持続可能な開発目標」に観光産業が取り上げられているという。
「サステイナブル観光」だ。
今後の観光も、世界中で観光客が増加し、経済効果も世界のGDPの10%を占める産業になるという。雇用効果も大きい。
しかし、観光収入が着地国でなく海外に漏出してしまう「観光リーケージ」が、新興国で40~50%、先進国でも10~20%に達するという。
地元に観光収入が落ちない、地域に貢献しない観光では、着地国にとって社会問題を引き起こすタネにしか過ぎなくなる。
地元に喜ばれる「サステイナブル観光」について真剣に考えなければならない!
【記事のポイント】
国連の掲げる17の「持続可能な開発目標」のうち、観光産業は3目標の中で取り上げられている。
• 目標8:継続的、包括的かつ持続可能な経済成長、すべての人に対する完全かつ生産的な雇用と適切な雇用の促進
• 目標12:持続可能な消費および生産形態の確保
• 目標14:持続可能な開発のための海洋、海浜および海洋資源の保存および持続的な活用
 
観光産業は、2015年に延12億人の人が海外に出かけ、最良のシナリオでは2030年には18億人に達すると考えられている。
観光産業は世界のGDPの10%を占める重要な産業となっている。
雇用は、現在11人に1人が観光産業に従事している計算になるが、2030年には9人に1人にまで拡大する可能性がある。
旅行先で使われる「1ドル」には3ドルの波及効果が生じることから、観光産業がもたらす今後の可能性に注目している。

一方で、世界旅行観光協議会(WTTC)のHelen Marano氏は、「責任を伴った管理を行わないと、成長は私達自身を殺すことになってしまう」と、野放しの成長の危険性を唱えている。
国際連合環境計画(UNEP)によると、観光リーケージ(観光収入が着地国ではなく海外に漏出してしまうこと)が、新興国で40~50%、先進国でも10~20%に達し、本来現地に落とされるべき収益が適正に還元されていない。
有償飛行(商用飛行)においては、3,000億USドルが漏出してしまっていると言われており、その主な要因は、航空運賃、税金、賃金、輸入(品の販売による収益)などが挙げられる。
パッケージツアーにおいては、そのほとんどの金額が出発国に落ちることとなり、リーケージは80%以上と言われている。
 
いくつかの国や自治体は、すでに旅行者の受入停止、割当制度、制限、予防策などの行動を起こし始めている。
例えば、アイルランドのループヘッド観光協会は、持続可能なコミュニティの維持のため、観光客の受入方針を見直した。
歴史遺産近辺への観光バスの乗り入れを禁止したり、長期滞在の旅行客を優先し、日帰りの観光客の立ち入りを制限している。
 
世界の旅行業界および国際団体は、国連が定めた「持続可能な観光発展の年」である2017年までに、その実現のために必要な手段や基準に合意する必要がある。