訪日観光客の潜在需要と持続可能な観光を考える!

なぜ欧州の観光客は日本よりタイを選ぶのか
(東洋経済オンライン 5月20日)

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160520-00118361-toyo-bus_all
デービッド・アトキンソン氏は有能なアナリストなんだろう。
記事のなかの数字の積み上げから、訪日観光客への潜在需要が大きいことが読み取れる。
ただ、急激に伸びる訪日観光客に日本は追いつけていない。
京都市内や心斎橋商店街や黒門市場などでは、明らかに生活者への弊害が出始めている。
宿泊場所が足りない、観光バスが足りない、駐車場が足りない、通訳ガイドが足りないと、あらゆる分野で問題が出ている。
このような状況のなか、「2020年に4000万人を目指す」という政府の目標は間違っているのではないかと思う。
勿論、方向性として「訪日観光客の増加」を目指すことに異論はない。
ただ、今しなくてはいけないことは、今の2000万人の訪日観光客に満足度を上げてもらうことだ。
訪日観光客と旅行消費額だけに目を奪われるのではなく、将来、確実な果実となるような観光行政を望みたい。

熊野古道のホームページは、英語・フランス語・中国語・韓国語に対応しており、内容も素晴らしい!
アトキンソン氏はドイツ語がないことを指摘している。
ドイツの人口は欧州の先進国の中で最も多いので、本来は対応しなければならない。「なぜドイツ語に対応しないのですか」と質問したら、「ドイツ人はあまり来ないから」という答えが返ってきた。そして少ないからこそ「攻め」の姿勢が求められるという。
優先順位の問題でもあるが、訪日観光客の多いところだけでなく、海外旅行を楽しむ国民が多い国の言語は網羅しなければならない。
海外にプロモーションをかけるには費用がかかる。プロモーション費の一部で翻訳は可能だ。基本情報だけでも翻訳すべきだろう。

 
【ポイント】
2014年の国際観光客は11億3300万人。
そのなかで最も割合が高いのは欧州発の観光客で5億7500万人(約51%)、次にアジアの2億6790万人(約24%)
観光客の約8割は近隣諸国を観光する。
日本にやってくる可能性のある観光客の総数=「来日潜在市場」は、欧州から地域外へ観光する5億7500万人×20%=約1億1500万人、南北アメリカからは2億6790万人×20%=3784万人。
一方、アジアは同じ地域ですので、2億6790万人×80%=2億1432万人。これが、日本の「来日潜在市場」となる。

これを構成比で置き換えると、欧州からが29.7%、南北アメリカからで9.8%。そしてアジアからは55.3%となる。
アジアからの来日潜在市場は2億1432万人なのに対し、実際にはその8.0%の1707万人しか来日していない。

欧州からの観光客は世界の国際観光客の50.8%、来日潜在市場の比率でみても29.7%という潜在能力があるにもかかわらず、現実に日本を訪れているのは124万5000人足らずで、全体の約6.3%に過ぎない。

現在の訪日外国人観光客数は、全世界の国際観光客数の1.7%に過ぎない。