民泊の新制度について、現行制度を整理した解説!

間もなく決まる民泊の新制度、元観光庁の担当官(弁護士)が現行制度を整理した  【コラム】
(トラベルボイス 6月17日)
http://www.travelvoice.jp/20160617-68763


本年4月まで2年間、観光庁観光産業課に勤務し、民泊のルールづくりや旅行関連の各種ガイドラインの作成など最前線の業務を行ってきた弁護士の谷口氏が、旅館業法をはじめとする民泊(宿泊)に関する現行制度を解説している。
観光庁と厚生労働省の「『民泊サービス』のあり方に関する検討会」は、6月20日に最終報告書案を提示する。


【ポイント】

現状、①旅館業法、②国家戦略特別区域法、③イベント民泊の3つの制度がある。
旅館業法では、「施設を設け、宿泊料を受けて、人を宿泊させる営業」を旅館業としており、旅館業を行うためには、保健所で営業許可を受けることが必要。
反復継続性なしは営業に当たらず、また宿泊料を受けていない場合も営業許可は不要。
厚生労働省は、「民泊サービスと旅館業法に関するQ&A」を作成。

現状、必ずしも旅館業法が遵守されず、実効的な取締りができないまま民泊が普及している。
このような違法状態の是正や民泊の健全な普及等の観点から検討されてきた。
本年4月、民泊について旅館業法の営業許可の取得を促進するため、「簡易宿所営業」の許可要件を緩和した。
面積要件を見直し、定員が10人未満の場合、3.3㎡×定員数の面積があればよいとした。
簡易宿所の営業許可を取得すれば、一年中、最短1泊から旅行者を宿泊させることができる。
建築基準法や消防法等の関係法に適合することが必要。
住居専用地域に立地する建物は、原則として宿泊施設としては利用できず、同地域上の建物を簡易宿所に転用することはできない。

箱根町のように、建築基準法第49条の特別用途地区の制度を利用して、条例により、住居専用地域においても宿泊施設の立地を認めている自治体もある。
 

国家戦略特区法に基づく旅館業法の特例
条例で定め認定要件として、各居室25㎡以上であり、台所、浴室、便所及び洗面設備を有すること、最低滞在日数は7日~10日(最短でも6泊7日以上)となり、滞在者名簿の記載が求められるなどにより、旅館業法の営業許可は不要となる。
特例が活用されているのは、東京都大田区(本年1月~)と、大阪府(大阪市等の保健所設置市を除く市町村が対象。本年4月~)に限られます。大阪市は、今秋より特例の運用が開始される予定。
最低6泊7日以上の連泊、25㎡以上の居室制限はありますが、年中営業可能。


イベント民泊の特例
イベント民泊は、年1回(2~3日程度)のイベント開催時、宿泊施設の不足が見込まれることから、自治体の要請等により自宅を提供するもの。
「旅館業」に該当しないものとして取り扱い、自宅提供者において、旅館業法に基づく営業許可なく、宿泊サービスを提供することを可能とする。
反復継続しないことを前提に営業性を否定し、旅館業法の適用対象外とするもので、自宅提供者は、年1回、宿泊者の入れ替わりがない態様によってしか、宿泊者を受れることができない。

観光庁と厚生労働省が「イベント民泊ガイドライン(PDFファイル、19ページ)」を作成している。
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11130500-Shokuhinanzenbu/0000120214.pdf