民泊新法に向けた「最終報告書」の解説!

民泊新法に向けた「最終報告書」をやさしく解説、観光庁の元担当官(弁護士)が3つの規制と新制度を整理  【コラム】

(トラベルボイス 6月23日)
http://www.travelvoice.jp/20160623-69113
観光庁の元担当官(弁護士)が民泊新法に向けた「最終報告書」をやさしく解説したコラムの第2弾だ。
民泊新法に向けた「最終報告書」により明確な方向性は見えてきた。
ただ180日規制などが正しく運用されるかについては不明確であり、今後の議論を待たなくてはならない。
いずれにしろ家主不在型の民泊は大きな規制を受けることとなり、ビジネスとして成立するかは不明。
仲介事業者は「登録」が必要とされ、取引条件の表示義務や、行政庁に対する情報提供義務等を課すことが検討されている。
不法行為が行われないため、一定の規制は必要だと思われる。
【ポイント】
最終報告書では、「民泊」を「住宅を活用した宿泊サービスの提供と位置付け、住宅を1日単位で利用者に利用させるもので、『一定の要件』の範囲内で、有償かつ反復継続するもの」と定義し、これを旅館業法とは異なる新たな法制度で整備する。
新制度では、旅館業法に基づくホテル、旅館、簡易宿所と同様、「1日単位」で、有償かつ反復継続して施設を提供することを認める。
国家戦略特区の特例のような連泊要件(最低でも6泊7日以上)はない。
「住宅を活用」することが大前提となるので、ホテル等が原則立地できない住居専用地域に立地する物件も、原則として実施可能とする方向で検討が進められている。
新制度では、民泊について旅館業法の適用を除外し、かつ、ホテル等とは異なる「住宅」として取り扱うため、「民泊」と「旅館業」との間に合理的な線引きを設けることとし、「一定の要件」を設けることが検討されてきた。
「一定の要件」について、「年間提供日数上限による制限を設けることを基本として、180日以下の範囲内で適切な日数を設定すべき」と記載されるにとどまり、具体的な要件設定については、今後の課題として持ち越された。

新制度では、民泊を「家主居住型(ホームステイ型)」と「家主不在型」に区別した上で、「住宅提供者」、「管理者」、「仲介事業者」それぞれに規制を設ける。
「家主居住型」は、住宅提供者が、「住宅内に居住しながら(原則として住民票があること)、当該住宅の一部を利用者に利用させるもの」と定義。
登録管理者を介在させることなく、民泊として住宅を利用することが可能。
居住者がいれば、居住者による管理が可能であり、騒音、ゴミ出し等に関するトラブルが生じるリスクが低く、また利用者や近隣住民等からの苦情の申入先が明確であるため。
家主居住型は、住宅提供者が行政庁に「届出」をすることで、民泊を開始できる。
住宅提供者に課される義務は、利用者名簿の作成・備付け、住宅の見やすい場所への標識掲示、苦情への対応、最低限の衛生管理措置、無登録の仲介業者(プラットフォーマー)の利用の禁止、行政庁への情報提供義務等について、「規定すべき」とされている。
民泊の実施により、利用者や近隣住民に生じた損害を補償するための損害賠償責任保険をかけることを住宅提供者等に義務付けるべきとの意見も示されているが、法令上の措置とはせず、ガイドラインによる保険加入に向けた行政指導を行う。
「家主不在型」は、トラブル防止等の観点から、管理者に管理業務を委託することが求められる。これは事実上普及している民泊代行業者を法制化したものといえる。
管理者は、家主居住型民泊の場合に住宅提供者に課される義務内容を負担し、管理者がこれらの義務に違反した場合には、行政指導、行政処分、刑事罰の対象となる。
管理者は、行政庁による「登録」が必要。
「仲介事業者(プラットフォーマー)」は、「登録」が必要とされ、取引条件(代金額やキャンセル条件等)の表示義務や、行政庁に対する情報提供義務等を課すことが検討されている。
義務違反の疑いのある民泊については、所在地等の情報や、当該サイトを通じた成約泊数等の情報の提供を求める(「一定の要件」として年間提供日数上限を設定する場合)ことで、民泊に利用される住宅を調査しなくても、プラットフォーマーから必要情報を取得することができる。
義務違反が確認された物件は、プラットフォーマーのサイトから削除する旨の命令を発することが検討されている。
仲介事業者規制は、取締りの肝となるので、国内に拠点のない外国法人にも適用することが検討されている。