和食ブームだけじゃない、日本の料理教室がアジアで快進撃!

和食ブームだけじゃない、日本の料理教室がアジアで快進撃の理由

(News week 7月6日)
http://www.newsweekjapan.jp/nippon/service/2016/07/173241.php
ABCクッキングスタジオが海外で教室運営も6年間好調に推移してきたという。
訪日してもらって日本食を食べてもらうだけではない。海外のクッキングスタジオで追体験してもらうことにより、日本食が世界に定着していく。
そして、日本食の作り方を学んだ人がグリーンツーリズムとして、日本の農業を体験しにくるという。
このスタイルは6次産業化を超えた企画だ。
【ポイント】
日本を訪れる外国人旅行者の増加に伴い、彼らの関心はモノからコトに移りつつある。
中国人観光客による「爆買い」は鳴りを潜め、日本で美食に舌鼓を打つといったことが訪日の大きな目的になっている。
日本の食文化に、料理教室というビジネスで深く関わってきたのが、1985年創業のABCクッキングスタジオである。
少人数制、ガラス張りのオープンスタイルのスタジオなど、一般的な料理教室の概念を打ち破り、多くの女性の支持を集めてきた。
日本全国に130カ所以上、海外に16のスタジオを展開し、約30万人の会員を抱える(うち海外の会員は約2.5万人)。
海外進出は2010年に上海万博が開催されることになり、上海が海外1号店に決まった。
今では、中国、香港、台湾、韓国、シンガポール、タイという6つの国と地域の8都市に展開している。
クッキングコースで教えるのは、刺身や天ぷらに代表される伝統的な和食だけでなく、肉じゃがや生姜焼きといった家庭料理もあれば、洋食もあり、より身近な日本の食を習うことを目的としている。
20~30代の働いている女性が中心で、比較的裕福な層が多いという。
特徴的なのは、講師を現地で採用していること。
日本の社員が現地へ出向き、日本と同じサービスを提供できるようにノウハウを教え込む。しかし、国や地域によって、現地の人たちがしてもらって嬉しく感じることや親しみを覚える接客は異なるので、そこを徹底的にローカライズしていく。
最も重視しているのは人。スタジオでどのような時間を過ごすかという点に価値を感じてもらっているので、講師の存在はとても重要。
現地の人たちをきちんと教育して、その土地の人たちに最適なサービスを提供できる環境を大切にしている。

2015年に海外での旗艦店として誕生したシンガポールのスタジオ。
ここでは、物販コーナーが設けられ、食に関する日本の商品をPRする場としても機能している。
京都の食材を使ったレッスンを企画すれば、受講の申し込みが殺到するなど、日本の食材に対する期待は以前よりも大きくなっている。
日本の食材を輸出したいと思っている日本の会社や自治体にとっても、貴重な機会として活用されている。
実際のレッスンに食材を使ってもらい、その感想をアンケートで集計して日本へフィードバック。その情報が輸出戦略の元となる。
こうした輸出促進のサポートビジネスの依頼は急激に増えているという。

こうした取り組みをさらに発展させたのが、インバウンド向けのグリーンツーリズムである。
今年2月に、ABCクッキングスタジオと農林中央金庫、農協観光、リクルートライフスタイルの4社が提携し、海外からの旅行者へ向けて、日本での農業体験や旬の食材を使った調理体験を取り入れた旅行ツアーを企画するという。
日本で体験した文化を持ち帰ってもらい、自国でも日本の食材を買って日常的に日本の食を楽しんでもらう。
そうするとまた日本に行きたくなるだろうし、日本の文化を正しく発信するという意味でもとても有意義な取り組み。