中国のモバイル旅行市場の現状と今後の動向!

中国モバイル旅行市場の現在を読み解く  - ユーザー行動の変化から3大主力企業の動向まで
(トラベルボイス 8月3日)
https://www.travelvoice.jp/20160803-70468


中国の旅行メディア「トラベルデイリー」のジョセフ・ワン・マーケティング統括責任者(CMO)がまとめた中国モバイル旅行市場の現状分析だ。
中国人の2015年の海外旅行1億2000万人(12.25%増)。2020年には2億人に達すると予測されている。
訪日中国人は2015年499万人と4.2%にすぎない。昨年第三四半期をみると日本(11%)で3位の旅行先だが、1位のタイ(14%)に比べると少ない。
タイは全世界から観光客が訪れる地になっているが、日本の魅力は再発見されたばかりで、今後さらに観光客が訪れることになる。


【ポイント】
中華人民共和国国家旅游局(CNTA)統計の、中国人の海外旅行人口は2015年実績で前年比12.25%増・1億2000万人。
2020年には増加率こそ8%に減速するが、中国人海外旅行者数は実に2億人に達すると予測されている。
昨年の海外旅行訪問先は、約7割がタイ、台湾、香港、日本、韓国などの近隣のアジア諸国に向かった。
昨年第三四半期では、1位:タイ(14%)、2位:香港(12%)、3位:日本(11%)、4位:韓国(9%)、5位:台湾(8%)、だったという。

宿泊施設は、3つ星ホテルが最も多く全体の45%、4つ星(34%)、5つ星(13%)となっている。
個人所有の家やアパートの一室をレンタルするシェアリングエコノミーが10%、B&Bが6%など、利用形態は多様化している。

中国国内でスマートフォンの利用台数は11億8000万台。主に1980年代以降に生まれた世代が利用者のボリューム層だ。
最も利用が高いアプリは「微信(WeChat)」(76.3%)と「QQ」(76.1%)。どちらも中国のSNS最大手テンセント社のアプリだ。
利用者カバー率の上位20アプリには、eコマースや音楽系アプリなど様々あるが、16のアプリが「BATグループ」。バイドゥ(B)3つ、アリババ(A)6つ、テンセント(T)7つ系列のもので占められている。

現在、オンライン旅行事業に最も力を入れているのはバイドゥ。
中国最大手のOTAシートリップ(Ctrip)株を保有し、シートリップ傘下では、フライトやホテル予約OTAの芸龍(eLong)やチューナー(Qunar、去哪)、中国版民泊サイトの途家(Tujia)など、様々な旅行サービスを展開している。

アリババは、中国で最もよく利用されているオンライン決済「アリ・ペイ」も運営しており、ネット消費動向やクライアント・データをよく把握している。
旅行業では2014年、阿里旅行を分社化。アウトバウンド旅行に強い百程旅行(baicheng.com)など複数ブランドを傘下に持つ。

第三勢力はテンセント傘下のOTA。中国版グルーポンと言われる共同購入サイトの美団(Meituan)や、シートリップとの資本関係もある芸龍(eLong)に出資している。


昨年10月末(10月26日~11月1日)のデータ解析によると、中国で旅行関連アプリを少なくとも一つダウンロードしたユーザー数は、2015年実績で3億9000万人と、全人口の3割を占めた。
2016年には、旅行のオンライン予約において、アプリが最大のツールになることが確実視されている。

「2016年旧正月の中国人旅行者によるアプリ利用」データでは、地域別の違いも出ている。
北京の利用者がよく使うアプリは「教育」「ラジオ」関連が最多。上海では「O2O(共同購入)」「交通」、広州では「アプリ・マーケット」「ビデオゲーム」、天津では「ビデオゲーム」「ラジオ」、杭州では「銀行」「写真」という結果になった。

旅行関連アプリの利用状況では、複数のサービスを使い比べている。
最大手シートリップのアプリを利用しているユーザーのうち、約25%がチューナーのアプリもインストール。一方、チューナーのユーザーで、シートリップも利用した人は20%。またブッキング・ドットコムのアプリ利用者で、シートリップも利用した人は全体の3割強、チューナーは同3割弱だった。
シートリップ利用者は金融関係とeコマースの比重が大きいのに対し、ブッキング・ドットコム利用者は旅行関係のアプリの比重が多く、より旅行に関心の強いユーザー層を抱えている。

中国人旅行者の中核となるのはモバイルだ。
消費者が、旅行意欲を刺激される場面に始まり、検索し、計画をたて、予約し、シェアし、経験するというあらゆる局面において、従来とはまったく異なる新しい時代へのシフトが進んでいる。