インバウンドで関西経済「再活性」への道筋 !

インバウンドで関西経済「再活性」への道筋 〜どないやねん?ポスト橋下の大阪・関西〜
(東洋経済オンライン 9月13日)
http://toyokeizai.net/articles/-/134827


政府の訪日外国人「2020年4000万人」という目標に対し、三菱総合研究所は、2020年に3800万人と予測。
しかし、この目標を妨げるボトルネックについてのポイントをまとめられている。

世界の観光地は陸続きが多いが、日本は陸続きでないため空路・水路で受け入れるしかない。受け入れを伸ばすためには相当な工夫が必要になる。
宿泊施設も、大阪市内の2018年までに8500室が新たに供給される見通しだが、まだまだ足りない。
外国人観光客が増え、地域住民とのトラブルので始めている。
外国人観光客の受け入れ環境整備に加えて、多文化共生の地域づくりも今後の重要なテーマである。


【ポイント】
2003(平成15)年のビジット・ジャパン・キャンペーン開始
2007(平成19)年の観光立国推進法の施行などを起点として、観光立国としての取り組みを強化した。
2016(平成28)年度の観光予算は前年比2.4倍の245.5億円。
訪日客数は2003年の521万人から2013年に1036万人、その後も1341万人、1973万人と急激に増加。
2016年も前年同月比20%程度の伸びを続けている。
2016年3月、政府の「明日の日本を支える観光ビジョン構想会議」は、次の時代の新たな目標として「2020年4000万人、2030年6000万人」という大きな目標を打ち出した。

インバウンド成長を妨げるボトルネック
①空港の機能強化
世界各国の外国人旅行者数を入国手段をみると、フランス、米国など上位国の多くで陸路での入国がかなりの割合を占めている。日本は外国人旅行者数全体では世界16位だが、空路・水路での受入量としてはすでに世界トップ10入りをしている。
4000万人という目標は、空路・水路での入国だけで見れば世界トップ3の水準である。
今後、空路での受け入れを伸ばすためには、全国の地方空港の有効活用が不可欠である。
関西においては、伊丹の再国際化や神戸の国際化、24時間化などの検討が必要になる。

②宿泊施設の確保
2016年に入ってホテルの稼働率は対前年比で低下しているが、大阪ではいまだ80%を超える水準。
大阪市内では、既存の全客室数の2割にあたる8500室が2018年までに新たに供給される見通し。
これでもまだ宿泊施設の供給量は長期的には十分でない。
③地域住民との共生
外国人観光客がさらに多くなると、地域住民とのトラブルが表面化するケースも増えてくるだろう。
観光客と地域住民の共生・住み分け、安全性の確保も重要な課題である。
すでに、観光地周辺の住民が観光客の来訪を忌避するようなケースが出始めている。
たとえば観光地に向かうローカル線、嵐山と四条大宮を結ぶ嵐電本線では、ハイシーズンの週末になると駅のホームは人であふれ、周辺住民の利用に支障をきたすような状況が生じている。また、中国人観光客でごった返す心斎橋筋商店街を避ける、日本人の「ミナミ離れ」も指摘されている。外国人観光客の受け入れ環境整備に加えて、多文化共生の地域づくりも今後の重要なテーマである。

④マーケティング機能の強化
固有の地域文化や四季折々の景観、食など、日本にはさまざまな魅力があるが、現状の外国人観光客の訪問先は特定テーマおよび特定エリアに集中しており、多様な楽しみ方を提案できているとは言いがたい。
「シェアが僅少」「定量的に把握できていない」などの理由から、『トレンド変化の早い外国人観光客のニーズを適切にとらえられない』『発地側のマーケティングに着手できない』『観光資源の訴求すべき魅力を特定できない/ブランド化できない』といった状況に陥ってしまう。
インバウンド消費は関西の域内総生産80兆円のうちおおむね1~2%を占める。
それが倍になるということは、域内総生産の成長率を1~2%押し上げる効果が見込まれるということ。
対中国の越境EC市場は年率50%超のペースで成長しており、2018年の中国の購入金額は1兆3943億円になると推計されている。
外国人旅行者の消費額全体が3.5兆円(2015年)であることを考えると、その潜在市場は大きい。
関西からアジア各国への輸出額は、2010年比で酒類は2倍、歯ブラシは3倍、文房具(中国向け)は 2.4 倍、炊飯 器は 2.2 倍、冷蔵庫は 3.5 倍と急激に拡大している。