「新たな時代の旅行業法制に関する検討会」の作業部会、着地型やランオペで議論!

業法検討会、作業部会を初開催、着地型やランオペで議論

(トラベルビジョン 11月3日)
http://www.travelvision.jp/news-jpn/detail.php?id=75076
旅行業法の見直しを視野に入れた議論が始まった。
これまでの団体旅行と異なり、インバウンドや個人旅行など旅行形態が変わっているなかで、必ずしも新しい観光コンテンツが開発されていない。
地域限定旅行業やランオペも開発の限界があるなかで、規制改革が進むことが望まれる。
消費者保護の観点は大切だが、地域限定旅行業が手配できる旅行の範囲拡大など、ダイナミックな改革も求められる。
【ポイント】
観光庁は11月2日、「新たな時代の旅行業法制に関する検討会」内に設置したワーキンググループの初会合を開催した。
旅行業法の見直しを視野に入れた論点を提示。各団体からの出席者はそれぞれ立場から、制度設計に対する意見を述べた。
WGは11月後半の第2回会合で中間取りまとめをおこない検討会に提案。12月中に検討会の第2回会合で議論し、最終とりまとめをおこなう。
事務局提案内容
・旅行業の区分の見直し。
・地域限定旅行業の規制緩和。
・第3種旅行業と地域限定旅行業の業務範囲の拡大。
・自治体が旅行業をおこなう場合の旅行業登録の必要性や、営業保証金の供託についての再検討。
・旅行会社1社の代理のみ許可されている旅行業者代理業について、着地型旅行商品に限り複数社の商品の取り扱いを可能にする。
ANTA副会長の國谷一男氏
現行制度においては旅行会社が第3種や地域限定旅行業などの業種を自ら選択できる状況にあり、「区分の内容を変更して参入業者を増やそうとする政策は、国内旅行業者全体を疲弊させる。健全な旅行業の発展にはつながらない」と主張するとともに「自治体や観光協会など、(民間ではなく)公が主体となる領域を確保するための政策と受け止めざるを得ない」と批判した。
地方公共団体代表
地域限定旅行業が企画・手配できる旅行の範囲が隣接市町村などに限られており、着地型旅行商品を造成しにくい点を指摘。
地域限定旅行業の営業保証金も、取り扱える地域の範囲が狭く、販売規模も少ないので「第3種の3分の1の保証金は割に合わない。
事務局
地域限定旅行業については、研修のみで旅行業務取扱管理者になれる仕組みや、業務範囲に即した試験の創設などを提案。
管理者の配置も現在の「1営業所に1名」から、1名で複数営業所の兼務を可能とする案を示した。
これに対して國谷氏は「消費者の利益やサービス水準の確保のための制度は必要不可欠」と反論。
JATA理事の原優二氏も、「コンプライアンスの問題に絞った試験は実施すべき」と語った。
管理者の配置については、両者とも消費者保護の観点から現行の仕組みを継続すべきとの考えを示した。

出席者からは自治体と旅行会社がノウハウや人材を共有し、旅行商品の販売で協力する仕組みづくりを求める声が挙がった。
着地型旅行商品が旅行会社のオプショナル商品として販売されるケースが多い現状を踏まえて「商品を造成する側は、より幅広く旅行会社経由で商品を販売できるよう、予約や精算の方法を確立すべきでは」との意見も聞かれた。
事務局は、ランドオペレーターについては、旅行業者とは明確に異なる「旅行業者手配代行業(仮称)」の名称を設けて業務内容を定義するとともに、登録制度を導入することを提案。
業務に関する規制は必要最低限とし、BtoB業務であることから旅行業者には課せられる営業保証金を不要にする案を提示した。
ランドオペレーターには「旅行手配代行業務取扱管理者(仮称)」を置き、旅行業者との契約時に書面交付を義務化する案や、訪日・国内旅行と海外旅行で規制に差異を設けることを検討する案を示した。

OTOA専務理事の速水邦勝氏は、規制にはおおむね賛成との考えを示しつつも、まずはランドオペレーターの実体を把握する必要性を指摘した。
旅行会社が現地の手配をランドオペレーターに委託していることから「我々は旅行の品質を大きく左右する役割を担っている」と重要性を強調。
JATA国内・訪日旅行推進部長の興津泰則氏は、JATAがランドオペレーターの登録制度を長年に渡り要望してきたことを説明。
「旅行業の枠組みのなかでの登録になるのでは」との見通しを示した一方で、「あまり高いバーを設定してしまうと、(悪質なランドオペレーターは)地下に潜って表に出てこなくなる」と語り、実効性のある登録制度を設計すべきと語った。
取扱管理者制度を設けることについては「BtoBであることを念頭に、消費者保護を重視した制度設計を」と訴えた。

議長を務める東京女子大学現代教養学部教授の竹内健蔵氏は、悪質なランドオペレーターが横行する現況を踏まえて「ランドオペレーターが無茶をしない、抑止力としての仕組みが必要」とコメント。
東日本旅客鉄道鉄道事業本部営業部担当部長の高橋敦司氏も「旅館や免税店などが登録したランドオペレーターのみと取引するようにすれば、登録が促進できる」と語り、登録制度を活用するための仕組みづくりの必要性を説いた。