成田空港を支える「非航空系事業」の知られざる収益力!

成田空港を支える「非航空系事業」の知られざる収益力

(ダイヤモンドオンライン 12月20日)
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仁川(韓国)、浦東(中国)、チャンギ(シンガポール)など、年間旅客規模が1億人というなかで、成田は年間4000万人弱と、日本は貧弱である。
着陸料も、成田空港の半額程度と安価であり、世界の航空機を集めている。
空港の造成費用、施設の維持費などを無視して安価に設定するのは間違っているが、日本に世界のヒト・モノを集めるうえで戦略的な発想は必要ではないか。
関西国際空港の訪日外国人数が47万人とシェアが27%と、成田空港の56万人、シェア33%に迫る勢いで伸びている。
【ポイント】
成田空港は1966年に設立され、2004年に民営化された。民営化後、国際的にも国内的にも競争が激しくなってきた。
国際的には、仁川(韓国)、浦東(中国)、チャンギ(シンガポール)、香港などが、アジアのハブ空港の座をめぐって、安い着陸料を武器に熾烈な競争を繰り広げてきた。
仁川、浦東などは成田空港の半額程度の着陸料とし、競合の多くは年間旅客数1億人ほどを計画している(成田の現状は年間4000万人弱)。

国内的には、羽田空港の国際線化が加速している。
2010年に、D滑走路と新国際線旅客ターミナルが供用開始となり、新発着枠7万回のうち、6万回が国際線に割り当てられた。
2014年には、国際線ターミナルが拡張され、飛行先が格段に増えた。
関西空港や中部空港も、国際線を拡充している。
民営化直後、成田空港の収入の7割弱は航空系収入であった。しかし航空系収入は簡単には伸びない。
旅客機の軽量化と中・小型化である。成田空港の着陸料は飛行機の騒音と重量で決まっているが、2004年以前は飛行機の重量で決まっていた。1980年頃のジャンボジェット全盛期は、着陸料も増加していた。
燃費向上のため旅客機が軽量化され、効率を重視した運航により、大型機よりも中・小型機の運航回数が増え、平均単価は低下傾向にある。
これ以上着陸料を上げると、競合する外国の空港にその座をとられてしまうという懸念がある。
成田空港は、LCCを誘致するために、一定の条件を満たせば「着陸料を最大で1年間無料」にしている。
非航空系収入には、リテール事業、施設貸付事業(事務所、駐車場使用料など)、鉄道事業(スカイアクセスなどの鉄道施設使用料)がある。
多くを占めるのがリテール事業であり、物販・飲食収入と構内営業料収入(テナント賃料)から成る
2014年度に非航空系収入が航空系収入を上回るようになった。
ブランド品などの免税品は単価も高いことから、リテール事業を中心とする非航空系収入の利益率は、航空系収入の利益率よりはるかに高い
従来の空港では、「見送りに来る人と会食もできる場」として、店舗は出国手続き前にある方が多かった。
出国手続き後は、搭乗口まで多くのスペースがあったものの、小規模の“売店”しかなかった。
2006年頃から出国審査後のエリアに、免税店、ブランドモールが登場した。
2014年に第1旅客ターミナルの店舗スペースを800m2増床した。
2013年に訪日外国人数が1000万人を越え、2014年には訪日外国人への消費税免税制度が拡大され、円安も進んだ。
成田空港のリテール事業の売上はショッピングセンターのランキング(繊研新聞調査)で、2013年度から3年連続1位となっている。
空港では、いかに早く飛行機に乗れるかが強く求められる顧客ニーズであった。そのためIATA(国際航空運送協会)が進める「ファストトラベル」プログラムを推進した。
これは旅客が空港に到着し、保安検査場や出国審査を経て、免税店エリアに着くまでを10分以内にすることを目標としている。