訪日するイスラム教徒やベジタリアンに「美食」を!

東京はイスラム教徒やベジタリアンにとっても「美食都市」か
(Newsweek 12月26日)
http://www.newsweekjapan.jp/nippon/olympic/2016/12/183262_1.php


ムスリムやベジタリアンに対応する飲食店は難しい…

厳格なムスリムは、豚肉を原料とした食材や洗剤、そしてアルコールを含むみりんなどの調味料も受け付けない。
そして調理器具、食器も別に揃えなくてはならない。
また、イスラム教の国や地域によっても厳格に戒律を守る方から、旅行先では寛容な対応を取られる方もいる。
厳格なムスリムに対応するお店も必要だが、提供条件や食材の成分表記など判断できる材料を与えることが大切になる。

「認証団体を自称する組織や個人がそれぞれの基準で認証を乱発しては、日本全体の信頼を損ねる」とマレーシア政府公認のハラール認証機関であるNPO法人「日本ハラール協会」(大阪市平野区)は訴え、春にも、任意団体「日本ムスリム評議会(仮称)」が設立される予定だという。
http://www.sankei.com/west/news/170108/wst1701080005-n1.html

【ポイント】
2020年に4000万人、2030年には6000万人の目標達成には、訪日客の上位を占める中国、韓国、台湾、香港以外の地域の掘り起こしが不可欠だ。そのためにはムスリム(イスラム教徒)やベジタリアンなどのニーズにも応えていく必要がある。
ベジタリアンといっても、乳製品を食べる「ラクト・ベジタリアン」、卵と乳製品を食べる「オボ・ベジタリアン」、魚介類を食べる「ペスコ・ベジタリアン」から、一切の動物性食品、ハチミツを食べず、また革製品なども使用しない「ヴィーガン」など、さまざまな人がいる。
ジャイナ教徒はあらゆる生物を殺さないことを戒律としており、肉や卵ばかりか根菜類まで食べることを禁じられている。

「昔はまったく理解されませんでした。例えばエビ入りのサラダを食べられないと話すと、エビだけよけて食べなさいと言われた」
肉や魚を調理した鍋や包丁をそのまま使おうとしたので、別の調理具を使って欲しい、それができないならしっかり洗って欲しいと頼んだ。
20年前と比べれば大きく改善されたが、「実はベジタリアン向けのお店っておいしくないところが多い」という。

「ベジタリアンだっておいしいものを食べたい」 ただ、どうしてもおいしいところが少ないんです。
飲食店で利益率が高いのはアルコール類ですが、ジャイナ教徒の店や正しいハラール・レストランではお酒は出せません。
そうすると、どうしても材料費を減らして利益を出すしかありません。
ただ、それだと儲からない。「開業から8年たった今でも赤字」という店もある。
今では日本全国の主要都市にはハラール食品の店が存在するようになった。ネット通販の普及も大きい。
ただ、さまざまなサービス・情報があるがそれが整理されていないことが問題だ。
日本政府がムスリム向けの情報ポータルを作って宣伝してくれれば、旅行者にとっては大きな助けになるのではないかと提言してくれた。
ムスリムが日本を訪れると、せっかくだからと寿司や天ぷらを勧められることが多いが、みりんにはアルコールが含まれているため食べられない。
天ぷらもそれ自体は魚や野菜でも、豚肉など非ハラール食品を揚げた油が使われている可能性があるため食べられない。
「日本の文化なんだから受け入れろ、郷に入っては郷に従う」と強要してくる人もいますが、宗教的戒律は破れないことを理解して欲しい。
認証を取ったり、なにかのマニュアルに従うというよりも、成分表記の詳細化や英語並記を徹底して買い手の判断材料を与えることが大事。
「肉じゃがなど和食を作る時にみりんを使えない」が、砂糖と醤油で代用して料理を完成させてくれた。
「マニュアルに従えば大丈夫、認証を取ればそれで終わり」という安易な考えではなく、心の余裕に裏打ちされたおもてなしの気持ちこそが必要なのではないか。