医療滞在ビザの発給件数が4年前の13倍 医療ツーリズムも拡大!

「医療爆買い」切実な事情
(日経スタイル 2016年12月11日)
http://style.nikkei.com/article/DGXMZO10429090Y6A201C1TZD000?201612SH&utm_medium=email&utm_term=0_7434297140-0e984eda5d-143160005&ct=t(201612SH_20161227)


医療滞在ビザの発給件数は、2015年は約950件で4年前の13倍と、医療を目的とする訪日外国人が急増しているという。
かたや、検診目的のツアーは過当競争を招き、日本における医療ツーリズムは難しいともいう。
「医療ツーリズム」は、「医療の産業化」が前面に出たことで日本医師会が反発し下火になったとの背景もある。
医療ツーリズムは単にビジネスで考えるのではなく、患者の立場に立った医療に力点を置かなければならないようだ。


【ポイント】
医療を目的とする訪日外国人が急増している。
医療滞在ビザの発給件数は、2015年は約950件で4年前の13倍になった。
医療滞在ビザがなくても健診や治療は受けられるため実際に医療を目的とする訪日外国人はもっと多い。
外国人支援の日本エマージェンシーアシスタンス(東京・文京)には、ここ数年で1万件超の問い合わせがあるという。

中国人が増えている背景の1つは、経済成長に医療環境の向上が追いついていないこと。
中国にもトップレベルの治療ができる病院はあるが施設数が全く足りていない。医師と国民の信頼関係も薄いという。
渡航費や宿泊費がかかっても、医師への「袖の下」などを勘案すると「日本の方が安心で得」と考える人が多い。

日本側で「医療ツーリズム」を大々的に打ち出したのは09年に発足した民主党政権だった。
しかし「医療の産業化」が前面に出たことで日本医師会が反発し下火になった。
今も政府関係の資料では「医療ツーリズム」という言葉はタブー視され、人道的な意義を前面にした「医療渡航支援」などの言葉が使われる。

それでもこの2、3年で流れが変わってきた。
山形大学医学部は昨年秋、外国人受け入れの協議会を立ち上げた。「重粒子線」を使ったがん治療の最先端装置を呼び込みの目玉に据える。
「患者や家族が地域に泊まり、ご飯を食べて温泉に入れば経済効果は大きい。アジアがこれから高齢化する中、チャンスはある」と話す。
地域を挙げた外国人患者の誘致は、愛知県など全国で芽が出始めている。

医療ツーリズムに先んじる亀田総合病院(千葉県鴨川市)には昨年、健康診断を受けるため約200人の中国人が訪れた。
マンツーマンの体制などの評判が口コミで広がっているという。
VIP向けの待合室には、中国語で書かれた高島屋のカタログが置いてある。「頼めばハイヤーで迎えが来て、東京で買い物できる」評判だという。