オンライン旅行業界のキーパーソンが予測する2017年とは?

オンライン旅行業界のキーパーソンが予測する2017年とは? 論客が選んだトレンドTop3 ―WITより(パート2)
(トラベルボイス 2017年1月31日)
https://www.travelvoice.jp/20170131-81569


オンライン旅行業界のキーパーソンが語る、2016年の重大な出来事TOP3と、2017年に要注目の動きTOP 3は興味深い。
民泊紹介サイト大手のAirbnbやGoogleが観光事業に参入を始めたことに注目が集まっている。
ホテルは、「個人所有の宿泊施設」という民泊による新たなライバル出現。
日本路線に乗り入れるLCCがあまりに多くなったなか、関空と羽田など国内での競争も激化するようだ。
「観光」が日本の基幹産業に育つうえで避けて通れない問題である。


【ポイント】
柴田啓氏 ―ベンチャーリパブリック 最高経営責任者(CEO)
2016年の重大な出来事TOP3
• シートリップによるスカイスキャナー買収。
• エアビーアンドビーが「トリップ(Trips)」事業を開始。
• グーグルが新アプリ「トリップ(Trips)」を提供開始。
2017年に要注目の動きTOP 3
• メタサーチやOTAの統合・合併がさらに進む。
• ホテルは、「個人所有の宿泊施設」という新たなライバル出現に悩む。
• AI/チャット・ボットが主流になるには時期尚早。

森井理博氏 ―ピーチ・アビエーション 執行役員・最高コマーシャル責任者(CCO)兼営業統括本部長
2016年の重大な出来事TOP3
• 関西国際空港(大阪)と羽田国際空港(東京)における競争激化。日本路線に乗り入れる格安航空会社(LCC)があまりに多くなってしまった。
• 中国市場におけるEコマースの盛り上がりに伴い、中国人旅行者が日本で消費する金額が徐々に減少。
• 韓国の景気停滞の影響で、座席稼働率が全般的に低下。
2017年に要注目の動きTOP 3
• 原油価格が上昇基調に転じるなか、航空会社の差別化が急務になる。
• データに基づいたマーケティングの強化が、今まで以上に重要に。個人によって異なる「旅の動機」を刺激するためには欠かせない。
• AI、IoT、ディープ・ラーニングなど、新しいテクノロジーが航空会社のプラットフォームにも採用される。

ボビー・ヒーリー(Bobby Healy)氏 ―カートローラー(CarTrawler) 最高技術責任者(CTO)
2016年の重大な出来事TOP3
• グーグルが表舞台に出て、これまでの顧客企業との競争に乗り出す。
     旅行プランニングの流れの中で、最初の入り口部分を自社のコントロール下に囲い込むのが狙いだろう。
• シートリップによるスカイスキャナー買収。これまでにない企業の誕生であり、優良ビジネス同士が手を組んだ。
• 世界中のテクノロジーと車に関わる企業が、5~10年以内に大半の車を完全自動運転化できると言っている。

2017年に要注目の動きTOP 3
• 欧州では、テロなどによる先行き不透明感が増す。
• オン・デマンドでスペースを提供するビジネスの合併・統合。その余波で衰退するところも出てくる。
• 中国系ファンドや企業が中心となり、欧州市場におけるM&Aが加速する。欧州系OTAがターゲットになりそうだ。

ティモシー・オニール-デューン(Timothy O’Neil-Dunne)氏 ―エア・ブラックボックス(Air Black Box) マネージング・ディレクター&共同創業者
2017年の動きTOP3
• 最も懸念していることは、サプライヤー側、特にアジア太平洋地区の航空会社の業績が軟調であること。
• 醜悪なテロリズムにより、欧州は深刻な影響を受ける。
• 米国の新政権は強いドルをもたらすが、反米感情も高まる。
2016年の重大な出来事TOP3
• ノルウェージャン・エア・インターナショナル(NAI)が大西洋路線の運航を認可されたこと。長距離路線に新しい変化の風が吹いた。
• セーバーが裁判でUSエアウェイズに敗訴したこと。GDSのビジネスモデル崩壊を示唆している。
• グーグルもエアビーアンドビーも、旅行業の大手を目指す決意だ。エアビーアンドビーは「トリップ」事業を開始し、次は航空券だろう。
     旅行業という閉ざされた世界へ、外からの侵略がさらに進む。それが日常的な光景になった。
2017年に要注目の動きTOP 3
• ルフトハンザ航空(LH)は、従来型の航空会社グループという事業モデルから脱却し、巨大企業ならではの道を追求する。
• これまでは旅行業界の枠の外にいたプレイヤーたちが、旅行流通に参入し、勢力を増す。ヒントは「中国に注目!」。
• 政府当局による数々の「決断」もとい、「決断をしなかったこと」が追い風となり、大企業が何の規制も受けることなく勢力を拡大。

フィリップ・フィリポフ(Filip Filipov)氏 ―スカイスキャナー プロダクト担当ディレクター
2016年の重大な出来事TOP3
• エアビーアンドビーがレンタル事業からの拡大路線へ打って出た。
• 旅行テクノロジー事業の統合・合併(全般的なトレンド)。
• グーグルがとうとう旅行業に本腰を入れ始めた。
2017年に要注目の動きTOP 3
• 音声を使った購買行動や取引が、消費者にとって、より現実的な選択肢になる。
• ホテルや航空券以外の事業分野で、さらなる合併・統合が進む(ツアー、アクティビティ、レストラン予約など)。
• 決済プラットフォームの進化が、オンライン旅行の採用をさらに拡大する。