2016年のインバウンド市場動向総括と今後の展望!

2016年のインバウンド市場動向総括と今後の展望 ~2020年に向けて必要なことは何か~

(アウンコンサルティング株式会社 2017年02月15日)
http://www.dreamnews.jp/press/0000147470/
2016年の訪日客数は、前年比21.7%増の約2,404万人に達した。
中国訪日客の滞在中の支出金額は、2015年と比較して平均購入者単価が約18,000円減少しているが、現地通貨に換算するとほぼ前年と変わらない。買い物代は100万元ほど減少しているが、飲食費・交通費は100万元増加している。
個人旅行はアジアで前年比8%増加している。
今後も訪日客数が増加するが、政府が掲げる目標の2020年に訪日客数4,000万人、消費金額8兆円は厳しいと判断される。
【ポイント】
■訪日外国人観光客の概況
2016年の訪日客数は、前年比21.7%増の約2,404万人(+430万人)(推計値)に達しました。
訪日客が多い地域は、昨年と同様、1位:中国637万人(前年比27.6%増)、2位:韓国509万人(同27.2%増)、3位:台湾417万人(同13.3%増)。
韓国においては人口の約10%、台湾においては約17%が訪日していることになります。
伸び率が上がっている国として、インドネシア27万人(前年比32.1%増)、フィリピン35万人(同29.6%増)、マレーシア39万人(同29.1%増)が挙げられ、東南アジアが今後の訪日客の増加に大きく影響する。
欧米圏についても、米国124万人(前年比20.3%増)、英国29万人(同13.2%増)と増加しているが、アジアだけで訪日客の約84%となる。
▼訪日客の消費金額
「爆買い」は、2016年4月8日、中国において海外で購入した商品を国内で持ち込む際にかかる関税を引き上げたことや為替影響等で買い物量が減少した。
訪日客が多い7月から9月期の中国訪日客の滞在中の支出金額は、2015年と比較して平均購入者単価が約18,000円減少しているが、現地通貨に換算するとほぼ前年と変わらない。内訳として、買い物代は日本円で約50,000円、現地通貨100万元ほど減少していますが、飲食費・交通費は現地通貨換算で合計約100万元増加している。
▼団体ツアーと個人客、リピーターと初訪日者
訪日客全体でみても個人旅行は前年比6%増、アジアだけで見ると前年比8%増です。
欧米は90%以上が個人旅行です。アジア地域も今後、個人旅行比率が伸びる可能性があり、アジア地域の訪日客のリピーターが増える。
▼訪日客が訪れる日本の都道府県
訪日客が訪れる都道府県上位は、東京・大阪といった首都圏や京都や北海道といった観光地が中心です。
そして、観光地の近くで宿泊することが多いと想定されます。
最も稼働率が高いのは大阪府の84%、次いで東京都の79%となります。
2016年と2015年の稼働率上位は大きく変わってはいないが、稼働率3.5%低下している東京都を始め、稼働率が低下している都府県が多数みられる。しかし、2015年から2016年の流れを見ると、首都圏から徐々に地方に宿泊客が流れている傾向が見られます。
■2016年のインバウンド市場で見えた課題と今度の対策
2016年の訪日客数は歴代最高数であり、市場も全体的に拡大途中です。
ひとつの区切りとなる2020年に向けて、一人あたりの消費金額は減少しつつも、訪日客数の伸びがカバーし、最終的な消費金額総額は増加していくことが予想されます。
ただ政府が掲げている目標の2020年に訪日客数4,000万人、消費金額8兆円は、マクロ環境の変化等により伸び率が鈍化したことで非常に難しくなることが予想される。2020年の訪日客政府目標である4000万人を達成するためには、2017年以降、毎年400万人ずつ増加する必要がある。
【 毎年400万人増加した場合の訪日客数想定 】
2016年: 2,400万人(+21.7%)
2017年: 2,800万人(+16.7%)
2018年: 3,200万人(+14.3%)
2019年: 3,600万人(+12.5%)
2020年: 4,000万人(+11.1%)

【 毎年400万人増加した場合の消費金額想定 】
2016年: 3兆7476億円
2017年: 4兆2,000億円(+16.7%)
2018年: 4兆8,000億円(+14.3%)
2019年: 5兆4,000億円(+12.5%)
2020年: 6兆0,000億円 (+11.1%)
訪日客数が政府目標通りになったとしても消費金額は8兆円に届かないという見通しになります。

市場が拡大していくとはいえ、現実的には「訪日客数の目標以上増加」や「訪日客の消化金額増加施策(一人当たりの単価増)」を更に強化していく必要がある。