国交省が、日本国内で外国人が不動産売買のマニュアル作成!

日本の領土を国交省が“斡旋”…外国人向けにマニュアル作成 中国資本の不動産買収に“お墨付き”

(産経新聞 2017.2.26)
http://www.sankei.com/premium/news/170226/prm1702260032-n1.html
国土交通省が、外国人が日本国内で不動産取引の実務マニュアルを作成しているという。
確かに、日本に在住する人の不動産取引が増えており、トラブル防止のためにマニュアルを作ろうとする意図は理解できる。
ただ外国人の土地所有については、問題が発生する可能性があり、多くの国で土地所有を不可としたり、制限をかけている。
不動産取引のマニュアルが問題なのではなく、外国人の土地所有の問題について議論を深め、法規制の必要性について検討する必要を感じる。
【ポイント】
国土交通省が、外国人が日本国内で不動産取引(売買、管理、賃貸)をする場合の実務マニュアルを作成し、今年度内の実用化を目指している。

訪日外国人や外国人留学生の増加で、外国人による国内不動産の取引が増加している。
マニュアルには、不動産取引の手続きや税制などでの日本と海外の違いの解説や本人確認の手法、物件の引き渡し方法、不動産管理-など外国人向けに不動産取引のポイントが盛り込まれている。
不動産取引の手順や、外国人に説明する際に使える2カ国語のフローチャート、多言語パンフレットへのリンク集、不動産用語の英訳リスト一覧なども備える。
国交省はマニュアル作成について、「現在、個人レベルの取引が増え、トラブルが起きているため、ルールを作ろうというのが狙い」と説明。
「安全保障面での不動産売却は検討すべきで、情報の共有はしている。取引を促進しているものではない。まず立法が本筋だが、(売買が)許されている取引が円滑に進むようにするためで、国防とは別の次元の話」という。
マニュアルには、日本が国際人権B規約や人種差別撤廃条約に批准・加入していることや、憲法のいう法の下の平等の趣旨は特段の事由がない限り外国人にも類推適用されるという最高裁判決をあげ、外国人であることを理由に取引や賃貸を拒絶することは、「人権に基づく区別や制約となることから人種差別となる」「外国人を理由に取引や賃貸を拒絶すると、不動産の所有者等が、損害賠償請求を提起される可能性がある」と明示している。
マニュアルでは、外国人であることを理由に賃貸借契約を拒否され、損害賠償が認められたケースを数例あげているが、すべて賃貸借の場合だ。外国人による不動産売買について明確な法規制が整備されていないわが国にあって、国交省が外国資本に不動産売買を斡旋するようなマニュアルを作成することに、国を売ることにつながりかねないとの批判も出ている。

諸外国では、外国資本の不動産売却の法規制
▽中国▽ベトナム▽タイ▽インドネシア▽フィリピン▽イスラエル▽イラン▽ナイジェリアは外国人の土地所有は基本的には「不可」だという。
▽インド▽韓国▽シンガポール▽マレーシア▽バングラデシュ▽パキスタン▽サウジアラビア▽トルコ▽ケニア▽コートジボワールは審査・許可・地区限定などの規制付きで可能としている。
国境・海岸部や離島に外国人規制を設けている国もある。
▽米国の場合、包括通商法のなかに「エクソン・フロリオ修正条項」が盛り込まれている。これは、政権内に航空、通信、海運、発電、銀行、保険、地下資源、国防、不動産など、安全保障上懸念のある国内資本の買収案件を審査する外国投資委員会(CFIUS)を置き、大統領に対して、米国の安全保障をそこなう恐れのある取引を停止、または禁止する権限を与えている。
また、州法で各州が独自に外国資本の不動産買収を規制しているほか、連邦法の「農業外国投資開示法」は、外国人の土地の取得、移転の際は、90日以内に連邦政府に届けることを義務づけ、怠ったり、虚偽の届けをしたりすると、市場価格の最大25%の罰金を科すと定めている。そのため農務省は、全国から土地情報を収集し、買収した国別の所有面積、増減傾向、地図、州ごとの地目別所有面積などを公表しているという。
▽韓国にも「外国人土地法」があり、外国人や外国資本が文化財保護区域や生態系保護区域、軍事施設保護区域などを取得する際には、事前の許可が必要であると定めている。

日本は外国人土地法の第1条で「その外国人・外国法人が属する国が制限している内容と同様の制限を政令によってかけることができる」と定められている。さらに4条では「国防上必要な地区においては、政令によって外国人・外国法人の土地に関する権利の取得を禁止、または条件もしくは制限を付けることができる」としているが、これまで規制する政令が制定されたことはない。

国家の安全保障は、軍事面だけでなく、食糧面、エネルギー面、流通面、医療面、金融面、対自然災害…と多岐にわたる。中国はその全ての面で日本に攻勢をかけている-ともいえるが、国交省のマニュアルはそうした戦略にお墨付きを与えることになりはしないか。