古民家の宿に高まる外国人の関心、 人気の古民家宿のストーリーとは?

古民家の宿に高まる外国人の関心、 人気の古民家宿のストーリーとは?
(やまとごころインバウンド特集レポート 2017.03.23)
前編:http://www.yamatogokoro.jp/report/3292/
中編:http://www.yamatogokoro.jp/report/3304/
後編:http://www.yamatogokoro.jp/report/3373/
古民家の活用は間違いなくヒットの流れだ。
立地と宿泊価格が良ければ、日本文化を感じる古民家の良さの写真が大きな訴求ポイントになる。
前編は、東京は入谷にオープンした古民家宿「toco.」
中編は、富山県の八尾の宿とカフェが一体となった古民家施設「越中八尾ベースおやつ」を紹介
後編は、中編に引き続き、古料亭を古旅館へと改築した、横浜の金沢八景にたたずむ旅館「喜多屋」について紹介されている。
【ポイント】
「toco.」
上野駅から地下鉄日比谷線で一駅の入谷駅から数分歩くと、「toco.」という築90年の古民家ゲストハウスがある。
都内屈指の外国人に人気の宿だ。ドミトリーがメインで、6割が外国人利用だという。
運営は株式会社バックパッカーズジャパンだ。
同社はtoco.の他に、東京・蔵前の「Nui.」、京都の「Len」というゲストハウスを運営しており、いずれも外国人に人気だ。
ゲストハウス業界のトップランナーの一つと言える。
toco.の建物は、古民家で縁側からは庭を望めることができ、風情がある。
植栽、金魚が泳ぐ池、富士山の石で積んだ富士講の塚など、日本文化へ興味を持つ外国人にとっては生唾もの。
一方、他の2軒Nui.とLenは、モダンなデザインになっている。
ここを訪れる人々は、世界の国々をまわる中で日本に来た時に、たまたまこのゲストハウスに立ち寄ったという流れかもしれない。
東京がゲストハウスとしてのニーズが手堅いということ、また駅からのアクセス、空港からの利便性という点も重要なファクターになるという。
通りに面した築50年の建物が入口となり、その奥にひっそりと築90年の母屋があるのだ。
通りからは母屋が見えない配置になっていて、中庭と古民家がオアシスのようにたたずんでいる。
自由にリノベーションをしてよいという許諾をオーナーからもらい、ゲストハウスにすることが決定した。
さっそく簡易宿泊所の申請のため、保健所と消防署に相談をして、改善点を教えてもらった。
2010年の8月~10月の3か月間でリノベーションを行った。
母屋の古民家はなるべくそのままの雰囲気にして、入口の建物にBarを併設した。
ゲストハウスを、人が集まる空間にしたいと考え、ゲストだけではなく近隣の人にも開かれた「場」として、虹色の階段が印象的なBarラウンジにした。
「越中八尾ベースおやつ」
2016年4月に富山市八尾町に「越中八尾ベースおやつ」がオープンした。
この施設は、1872(明治5)年に建築された古民家で、元蚕種・生糸商人の家だった旧数納(すのう)邸を改装したものだ。
当時使用されていた重厚な蔵の扉もそのまま利用している。
「おやつの時間のように人が集まるような施設にしたい」との思いを込めて「越中八尾ベースおやつ」と名付けたという。
宿とカフェが一体となった古民家施設だ。

旅行者と地域の住民をつなぐ「コミュニティースペース」と「町人文化体験施設」の2つの機能を兼ね備えた場所として作られた。
オーナーの原井紗友里さんは、2015年に、富山県が公募した「観光で起業する人材を育成する未来創造塾」を卒業。
原井さんは、富山市の出身だが、地元は八尾ではない。
未来創造塾を受講しているとき、富山県内の観光地を視察してまわり、八尾の街の美しさに感動したそうだ。
三味線や越中和紙作りの体験、日本酒や養蚕の歴史学習、八尾の食文化や生活文化を体験できる外国人向けツアーなどを企画している。
古民家で実施しているため、文化体験の演出効果が大きい。
外国人の宿泊利用状況は、全体の2割程度だという。香港・台湾からのお客様が多い。
「喜多屋」
横浜市にある国の登録有形文化財になっている元料亭が、2016年末に宿として開業した。
「喜多屋」と呼ばれるその施設に、外国人旅行者が宿泊目的でやって来る。
明治期に東京・品川にて建築されたと思われる木造二階建ての日本家屋を移築したものだ。
作家の与謝野晶子や俳人の高浜虚子がここで歌会をしたことで知られ、建築されてから少なくとも100年を超える。
喜多屋は、京浜急行電鉄の金沢文庫駅からバスに乗り、6つ目の停留所を降りてすぐの場所にある。
金沢八景という地名にもあるように、入り組んだ海辺の景色が美しく、海水浴や潮干狩りなどもできるリゾート地として知られていた。
オーナーは、創業100年を期に、国登録有形文化財建造物である日本家屋を残す取り組みとして、同市出身で外国人留学生向けシェアハウスを運営する会社「エー・アイ・ジェイ」の喜多正顕(きたまさあき)社長に、建物を貸した。
訪日外国人消費動向調査結果によると、次回来日した際にしたいことの上位に「旅館への宿泊」がある。
畳の上での裸足の感覚が気持ち良い、靴を脱ぐ際の開放感があるなど、旅館の宿泊自体が日本文化体験になっている。
外国人にとって、旅館「喜多屋」という文化財に泊まるということが、最大の目的となると山本氏はみている。
どれだけ「ザ・ニホン」を体験できるかかが訴求ポイントだ。

マッチングサイトで宿を選ぶポイントは3つ、施設の写真、値段、場所だ。
喜多屋は、立地は良いとはいえないが、施設の写真に関しては、特徴を出すことができる。ま
た寝具の準備や片付けなどのサービスを省くことで、価格をおさえることができた。