2017年

4月

17日

世界の若年層旅行者、2020年には40兆円超の巨大市場に!

世界の若年層旅行者に注目すべき6つのポイント、2020年には40兆円超の巨大市場に ―国連世界観光機関(UNWTO)

(トラベルボイス 2017年4月12日)
https://www.travelvoice.jp/20170412-86432
若年層旅行者(15~29歳)は、世界の海外旅行人口10億人の約23%を占めるという。
市場規模は、2014年は2860億米ドル(約31兆5000億円)。2020年には4000億米ドル(約44兆円)、人数ベースで3700万人に達すると推計している。
滞在期間が非常に長く、旅行一回当たりの消費額は2014年に平均2160米ドル(約23万8000円)に達する。
景気悪化や政治的な事件、感染症の流行などに比較的、左右されにくい傾向にある。
旅行予算の60%以上を訪問先で消費し、「現地の人との交流」を目的とする者が55%を占める。
留学生が、滞在国にもたらす経済効果も拡大しており、ワーキング・ホリデイも増加し、雇用の一翼を担うようになってきている。
【ポイント】
UNWTO(国連世界観光機関)のレポートによると、若年層旅行者(15~29歳)は、世界の海外旅行人口10億人の約23%を占め、お金はないが旅行先に長く滞在するため、消費額は平均以上に高い。
地元の暮らしを求め、他者との交流に積極的。行動範囲が広く、都市部以外にも足を伸ばす。

1. 第一の特徴は「経済インパクト」
若年層旅行市場の規模は、2009年は1900億米ドル(約21兆円)だったが、2014年には2860億米ドルに(約31兆5000億円)増加。
2020年には4000億米ドル(約44兆円)、人数ベースで3700万人に達すると推計している。
 
若年層の旅行は滞在期間が非常に長いため、旅行一回当たりの消費額は平均2160米ドル(2014年調査、約23万8000円)。
これは、海外旅行全体の平均額1097米ドル(2013年調査、約12万円)のほぼ2倍となる。
資金面では、若年旅行者の1/4分弱が、親や友人から援助を受けている。滞在中に仕事をして旅費を稼ぐ形態も、留意すべきポイントだ。
2. 世の中の情勢にあまり影響を受けない
若年層市場は、景気悪化や政治的な事件、感染症の流行などに比較的、左右されにくい傾向にある。
また、需要の減少幅が他市場と比べて小さく、回復も早い。
景気後退の局面では、就職難の中で悪戦苦闘するよりも、長期で海外を旅する好機ととらえ、異国でさまざまな経験を積もうと考える兆候がある。

3. 若年層は地域社会に直接、お金を落とす
若年層は、訪問先の地元コミュニティとの関わりを重視するため、地域社会に直接、お金を落とす傾向が強い。
滞在期間が長いので、旅行予算の60%以上を訪問先で消費する。
2014年の調査では、「最も重視していること」として「現地の人との交流」が最多の55%、次いで「現地の日常生活を体験すること」(45%)だった。
実際、訪問先コミュニティにもたらす文化、社会、経済的なインパクトも顕著だ。
ブラジルのアマゾン地域では、バックパッカー旅行者の増加により、雇用機会が増加。木材切り出しの抑制など、環境面での効果もあった。

4. 「目的志向の旅行」の傾向が顕著に
最近では、レジャー目的から、就労体験や勉強、ボランティア活動などへと、旅の目的がより明確になり、旅行を通じて自身の成長を図ろうとする傾向が顕著となっている。

5. 海外からの留学生が、滞在国にもたらす経済効果も拡大
オーストラリアでは、海外留学生がもたらす「輸出額」は2014年実績で170億豪ドル(約1兆4300億円)に至る。
英国では175億ポンド(約2兆4150億円)。発展途上国の所得水準上昇に伴い、英国への留学生は今後さらに増加すると見込んでいる。
米国では、海外からの留学生と同伴家族は886万52人。268億米ドル(約2兆9500億円)の経済効果と、34万人分の雇用を生み出している。

6.  「ワーキング・ホリデイ・メーカーズ」の存在感が拡大
オーストラリアの場合、2013年までの3年間でWHMビザの発行数は34%増の約24万9231件に拡大。
この状況がもたらす最大の不安要因は雇用問題だったが、政府は対応策として、WHMの負担税率を引き上げ、結果として5億豪ドル(約420億円)以上の税収増を見込んでいる。