世界のラグジュアリー層が求める日本の旅について聞いてみた!

世界の富裕層が求める日本の旅とは? 売り手と買い手の商談に同席して実際の声を聞いてみた

(トラベルボイス 2017年7月13日)
https://www.travelvoice.jp/20170713-92711
富裕層を中心とした「ラグジュアリートラベル」をターゲットとする自治体や企業が多い。
ポイントは物見遊山の観光ではなく、特別な体験を提供できることのようだ。
超豪華列車「ななつ星」に関心を示している点は、ラグジュアリートラベルの新しいポイントになるかもしれない。
大歩危祖谷などの秘境、ラフティングなどのアクティビティ。ファミリー層で楽しむ企画などが求められているようだ。
【ポイント】
日本政府観光局(JNTO)は2017年6月下旬、世界9市場で主に富裕層をターゲットとした旅行会社(バイヤー)と外国人富裕層の取り込みに力を入れる日本の観光事業者(セラー)との商談会(Japan Luxury Showcase)を実施した。
◎米国Travel Store社 ✕ JR九州「ななつ星in九州」
米国カリフォルニアのTravel Storeは、レジャーでは主に富裕層をターゲットし、毎年、富裕者層向け商談会「ILTM」にも参加している。
視察旅行で「ななつ星」にも乗車。
JR九州との商談では「観光列車についての知識はまったくなかったが、最初から最後までスペシャルな体験だった」と大きな感銘を受けた様子だ。由布院では「山荘無量塔(MURATA)」を視察したそうだが、他の老舗旅館にも関心が高く、担当者に情報を求めた。
「顧客の多くはまだ九州を知らない。どこにあるのかも、何ができるのかも。こうした観光列車を紹介することで、九州の魅力も伝えられる」と、鉄道の旅に潜在性を感じたようだ。
◎米国Remote Lands社 ✕ 徳島県・大歩危祖谷

米国ニューヨークを拠点とするRemote Lands社は、FIT富裕層をターゲットにする旅行会社。

日本に送客したなかには7日から10日間にかけて四国を旅した人もいる。
自転車でしまなみ海道を走った人も。アート好きな人も多く、直島に行った人もいる。
徳島県三好市の大歩危祖谷は日本でも秘境、「ナショナルジオグラフィックでも紹介された地域で、日本の伝統的なライフスタイルが体験できる山里」と紹介した。
アレックス・カー氏による古民家再生のプロジェクトも説明したほか、着物の着付け、藍染、郷土料理教室など地元体験も紹介。
吉野川でのラフティングに関心を寄せ、難易度や年齢制限などを質問。それに対し、祖谷側は「ソフトとハードな箇所があり、子供を含めたファミリーなど誰でも楽しめる」とアピールした。

◎ロシアEvroknotakt Tours社 ✕ 岐阜県・下呂温泉「水明館」
ロシア・ウラジオストックを拠点とするEvroknotakt ToursはFIT富裕層を主な顧客とする。
今回の視察旅行で京都、石川、岐阜、東京を訪れたが、下呂温泉は立ち寄っていない。
下呂温泉の老舗旅館の水明館は、ロケーションを説明するとともに、ラグジュアリーな宿泊が楽しめる別館の「青嵐荘」を紹介した。
部屋のサイズ、スイートルームの有無、温泉付きの部屋、懐石料理などを質問。
ファミリー向けのサービスについても関心を示し、「たとえば、アクティビティでキッズパスポートのようなサービスがあるのかどうか」も質問。
近隣にあるアスレチックパーク「ニンジャの森」を紹介。ファミリーで楽しめる温泉であることをアビールした。
◎フランスTapis Rouge社 ✕ 三重県・伊勢志摩ツーリズム
フランス・パリを拠点とするTapis Rouge社は、主にカップルやファミリーなどFITを取り扱う。
日本へは東京、京都、箱根、那覇などに送客しているが、まだ伊勢志摩をはじめ三重県への送客実績はない。
顧客にはアートや建築に関心が高い人が多く、香川県の直島にも送客したことがある。日本に対しては伝統と現代の両方を求めているひとが多いと明かす。
伊勢志摩ツーリズムはロケーションを説明し、東京から大阪や京都に行く途中に訪れることができるし、世界遺産の熊野古道にも立ち寄ることも可能とアピールした。
ローカル体験として海女と一緒にダイビングするアクティビティーや海女小屋での採れたてシーフードの食体験などを紹介した。
ホームステイの機会も紹介したが、ホームステイ先の言語の問題を指摘。これに対して伊勢志摩ツーリズムは「事前にホームステイ先と打ち合わせをすることもできるし、希望するならガイドも一緒に泊まることもできる」と説明した。
伊勢志摩国立公園の高級リゾート「アマネム」にも関心を寄せた。
◎英国Inside Japan Tours社 ✕ 星野リゾート

イギリスに本部を置くInside Japan Toursは、日本に特化したツアーオペレーター。2016年には約7,000人を日本に送客した。そのうち70%がFIT。

一人旅、カップル、ファミリー、シニアなど幅広い層に日本旅行を提供している。すでに星野リゾートの利用実績はある。
最近は箱根への送客が増えている。温泉と旅館、そして富士山も近い。美術館などもありいろいろな楽しみ方ができるので人気があるという。
星野リゾートは全国で「星のや」を5ヶ所、「界」を14ヶ所展開。
箱根への送客が多いという話に対して、河口湖にある日本初となる本格的なグランピングリゾート「星のや富士」を紹介した。
もう一歩先の日本を体験したいリピーター向けに好評。最近では、都市滞在の合間にここに宿泊する外国人も増えてきたと説明した。
今年4月にオープンした伊東の「界 アンジン」、今年12月にリニューアルオープンする大町温泉の「界 アルプス」を紹介。

 

「界 アルプス」は、日本の田舎体験をコンセプトとし、一番近い白馬五竜スキー場までもシャトルバスを運行するので、「訪日外国人にも訴求力は高い」と自信を示した。