外国人が求める「5つ星ホテル」、日本に28軒とは足りなすぎる!

外国人が心底失望する「日本のホテル事情」 〜日本には「高級ホテル」が足りなすぎる〜
(ダイヤモンドオンライン 2017年07月07日)
http://toyokeizai.net/articles/-/179175?utm_source=Irodori+Mail+Magazine&utm_campaign=6db6d23325-201707FH&utm_medium=email&utm_term=0_7434297140-6db6d23325-143160005&ct=t(201706SH_20170627)


『新・観光立国論』著者デービッド・アトキンソン氏の新著、『世界一訪れたい日本のつくりかた』を紹介したレポート。
人口減少社会を迎えるなかで「観光」こそが大きな希望になりうるを提言し、重視すべきは「観光客数」より「観光収入」だと述べている。
「5つ星ホテル」は、世界139カ国に3236軒あり、そのうち日本は28軒しかない。
外国人観光客が年間2900万人訪れるタイに110軒、3200万人訪れるメキシコ93軒、世界一がアメリカが755軒、フランスは125軒。
フランスは世界で最も外国人観光客が訪れているが、国際観光収入では第4位、1人当たり観光客収入で見ると、アメリカは世界第6位なのに対し、フランスは世界第108位にすぎない。ちなみにタイは第26位だ。
1泊数千円の宿より、1泊10万円のホテルを利用する富裕層のほうが稼げるのは当たり前。「5つ星ホテル」を早急に増やす必要があるという。

【ポイント】
2015年に『新・観光立国論』が6万部のベストセラーとなり、山本七平賞も受賞したデービッド・アトキンソン氏。
日本の観光をさらに発展させ、「本当の観光大国」の仲間入りを果たすために必要な取り組みをご紹介した『世界一訪れたい日本のつくりかた』が刊行された。
『新・観光立国論』のなかで、日本がもつ観光のポテンシャルが極めて高いことを指摘し、「観光」こそが大きな希望になりうることを提言してきた。
ただ、その一方で「まだまだこの程度で満足してもらっては困る」というのも率直な感想。
「国際観光収入」ランキングで日本は、2013年に世界第19位が、2015年には第12位、トップ10入りが目前となっている。
しかし「上」を見れば、アメリカ、中国、スペイン、フランス、イギリス、タイ、イタリア、ドイツ、香港などの「観光大国」があるという厳しい現実。
日本のポテンシャルをどうすれば正しく引き出すことができるのかを、『世界一訪れたい日本のつくり方』という本にまとめた。
これから人口減少が加速するので、観光戦略はその日本経済の対策のひとつ。重視すべきは「観光客数」より「観光収入」です。

Five Star Allianceという「5つ星ホテル」の情報サイトは、世界139カ国に3236軒あり、日本は28軒しかない。
外国人観光客が年間2900万人訪れているタイには110軒あり、バリ島だけでも42軒です。年間3200万人訪れるメキシコ93軒。日本はベトナムの26軒を少し上回る程度。
タイの外国人観光客は2900万人、物価水準も先進国の半分以下であるにもかかわらず、タイの観光収入は世界第6位。
タイが稼げる理由のひとつに、110軒の5つ星ホテルの存在があります。
年間2400万人の観光客が訪れる「経済大国」の日本に、タイの4分の1、メキシコの3割しか「5つ星ホテル」が存在しない。
これは、日本が国際観光ビジネスを重視してこなかった結果。
世界のお金持ちには「予算の最低基準」があり、それを下回ると訪日すらあきらめる人が多い。
今まで日本は観光産業に力を入れてきませんでした。今後「観光大国」になるため、高級ホテルを整備して単価を上げることが必要です。
日本には「一流」と言われる旅館が多くあるが、スタイルが非常に独特で、短期滞在に合わせた限定的なサービスなので、やり方を変えないかぎりグローバルスタンダードには合わない。

139カ国に3236軒ある「5つ星ホテル」を訪れた外国人観光客は11億4907万人(2015年)で、1軒当たりの外国人観光客は35万5090人になる。
2020年に4000万人の訪日観光客を目指している日本は、最低113軒の5つ星ホテルが必要となります。
世界各国の国際観光収入と「5つ星ホテル」数の相関関係は91.1%です。
1泊数千円の宿にバックパッカーが1人来るより、1泊10万円のホテルを利用する富裕層が来た方が稼げるのは当たり前。
富裕層は、ホテルに限らず、あらゆる観光資源にたくさん支出してくれる。
アメリカは国際観光客数では世界一のフランスに及ばす第2位ですが、国際観光収入では圧倒的な世界一です。
フランスは世界で最も外国人観光客が訪れているのに、国際観光収入では第4位に転落している。
1人当たり観光客収入で見ると、アメリカは世界第6位なのに対し、フランスはなんと世界第108位にすぎないのです。ちなみに、タイは第26位です。
アメリカには755軒の「5つ星ホテル」があり、これは、全世界の「5つ星ホテル」の23.3%を占め、断トツの世界一なのです。
フランスの「5つ星ホテル」はタイよりも少し多い125軒しかありません。
つまり、渡航先で多くのおカネを費やす「富裕層」を迎え入れる体制の差が、そのまま1人当たり国際観光収入の差になっている。

日本の国際観光収入はベスト10入り目前ですが、「1人当たり国際観光収入」で見ると世界で第46位です。
東京にある5つ星ホテルは18軒で、世界21位です。東京は観光都市ランキングでは世界17位です。
日本には2400万人の外国人観光客がやってきているものの、それほどおカネを落としていないという問題が浮かび上がる。
あまりおカネを使いたくない観光客でもそれなりに楽しめるようにするのと同じように、富裕層にも、気兼ねなく「散財」してもらう環境を整備すべき。
その象徴が「5つ星ホテル」です。
「貧乏旅行」をする若者やショッピングと食事目当てでやってくる近隣諸国のツアー客だけでなく、自家用ジェットでやってくる世界の富豪まで、さまざまなタイプの客が楽しめる「多様性」がカギなのです。しかし今の日本の観光には「多様性」がありません。
日本が「観光大国」になるには、「昭和の観光業」の考え方を捨て、観光に「多様性」が必要だという事実を受け入れることが必要です。