福岡市の特区における規制緩和で、商店街を活用したMICE事業!

 福岡市における規制緩和の取り組み ~国家戦略特区と天神ビッグバン~

(UIIまちづくりレター 平成29年7月18日)
http://www.urban-ii.or.jp/kou2/_pdf/UII_letter_23.pdf
福岡市のMICE事業で商店街を活用している話は、素晴らしいと思っている。
「福岡市グローバル・雇用創出特区」の指定を受け、目的に適合するイベントであれば、”道路法の特例”で道路上に露店やテーブルを設置することが可能になるという。
これは歩道であっても道路法の規制を受けることに由来するが、2年半で 27 件の事業が行われており、大きな成果を上げている。
MICE誘致の決め手の一つになったといい、外国人からも好評のようだ。
御堂筋での歩行者天国も同じような手法だと思われるが、MICE誘致と商店街の活用を関西でも実現させてほしい。
【ポイント】
福岡市は、英国のグローバル情報誌“MONOCLE”で世界で最も住みやすい 25 の都市ランキングで2016年に 7 位に選ばれている。
2012 年に「スタートアップ都市ふくおか宣言」を行い、2014 年に「福岡市グローバル・雇用創出特区」に指定されました。
2014 年に指定された国家戦略特区では”創業・雇用”を生むということが目標で、第1ステップとしてMICEに着目した。
MICEで優秀な人材や企業が集まり、それによって創業につながるという考え方。
福岡市の国家戦略特区における道路占用事業は、賑わいの創出によってMICEの魅力向上及び更なる誘致促進を図ること。
目的に適合する賑わい創出イベントであれば、”道路法の特例で道路以外の敷地に余地があっても道路上に露店やテーブルを設置する”などの活用が可能になる。

特区の区域計画に認定された事業主体は、博多まちづくり推進協議会、We Love 天神協議会、国際会議の誘致を行う(公 財)福岡観光コンベンションビューロー、地区の歴史・文化を活かしたまちづくり活動の御供所まちづくり協議会など事業主体として 10 団体認定されている。
また事業主体と併せて、活用する道路もそれぞれ認定されている。
これまで 2 年半(平成 29 年 3 月末現在)で 27 件の道路占用事業が行われており、市は共催又は後援としてイベントの開催に関わっている。
博多駅前通りの道路占用事業「ハカタストリートマーケット」「ハカタストリートバル」では、MICEで福岡に来訪された方々のおもてなし空間や新たな都心の賑わいづくり、博多駅周辺の回遊性向上を目的としている。
博多駅の正面に位置しており、MICE参加者が博多駅周辺を訪れた際、公的空間でおもてなしされると、来年も福岡で MICE をやりたいと思ってくれるのではないかと考えている。
福岡市のマスタープランや博多まちづくり推進協議会のガイドラインでは、はかた駅前通りが回遊軸に位置付けられており、市は、歩行者中心の賑わい空間を形成するため、車道を 5 車線から 3 車線に減らし、歩道を拡幅する工事も行っている。

天神地区のきらめき通りの道路占用事業「FUKUOKA STREET PARTY」では、福岡市の MICE の重点分野のコンテンツ産業として音楽やファッションをテーマにしたイベントにより、参加されるアーティスト、クリエイター、ディレクター、バイヤー、メーカーが一堂に会することで、MICEの更なる誘致促進につながるとともにビジネスマッチングの場としても有効に活用されるものと考えている。
このイベントでは、2 日間で 13 万人もの来場者が集まるため、臨時の交通規制(歩行者天国)をかけて道路空間を柔軟に活用しており、市は交通誘導や安全確保などに係る費用の一部を負担金として支出している。

MICE誘致に直接的に働きかけているのは(公財) 福岡観光コンベンションビューローが行う「MICE懇親会」。
国際会議の懇親会を商店街等で行うもので、これまで、新天町メルヘン広場、パサージュ広場、川端商店街の 3 つの公道で実施している。
2014 年 11 月に新天町メルヘン広場において、モデルプランとしてMICE関係者を招待し、商店街を活用した懇親会の有効性をアピールしたのが最 初の取組み。
2015 年 10 月にパサージ ュ広場でMICE主催者を対象にしたセミナーの交流会を行い、それが 2016 年 9 月に実施した日韓有機 エレクトロニクス・フォトニクス国際会議の懇親会に結び付いた。
パサージュ広場で懇親会ができることを主催者が非常に気に入り、福岡でこの学会を開く決め手の一つになった。
川端商店街では、2015 年 11 月にアジア・オセアニア神経放射線学会、2017 年 3 月に天文学会の懇親会が行われた。
MICE参加者のおもてなしを演出する企画として縁日や伝統工芸の実演などを実施し、外国の方から日本の文化に触れることに好評を得た。
道路占用事業では、市(道路管理者)の道路占用許可に加え、警察の道路使用許可も必要になるが、道路使用許可が円滑に下りるよう、警察との事前協議に市も加わり,事業者の支援を行っている。
福岡市での MICE の開催件数が増加するとともに、この取組みがあるから福岡市で学会を開きたいという事例もでてきた。
きらめき通りでの道路占用事業では、2 日間の開催での経済効果が 14 億円という試算結果が出ている。
来場者アンケートでは 96%が好印象を持っており、MICE関係者のみならず、市民をはじめとした一般の参加者からも大変好評を得ている。