「訪日客は迷惑」京都を悩ます"観光公害"  集客より消費を!

「訪日客は迷惑」京都を悩ます"観光公害” 〜「客」よりも「カネ」を集めよ〜
(PRESIDENT Online 2017.7.26)
http://president.jp/articles/-/22664
「観光公害!」、いよいよこの言葉が使われた…
急増する訪日外国人が押し寄せ、地域でのトラブルも増え、京都では27年続いていた夜桜イベントが中止に追い込まれた。
「神戸ルミナリエ」は、いまだに325万人を集客するイベントであるが、無料イベントであり、地元にお金を落とす仕組みになっていない。
イベントで人を集めるだけでは、対応コストは増えるばかりだ。
観光客にカネを落としてもらう仕組みを真剣に考えなければならない。
【ポイント】
現在、訪日観光ブームに沸いており、今年は2700万人に届くのではないかとする観測もある。
一方、急増する訪日外国人観光客によるマイナスの側面も目立ち始めている。
訪日外国人客が大挙して京都に押し寄せており、市民の日常生活の「足」のバスは常に満員、生活圏に違法民泊業者も増えている。
祇園では観光客の急増に伴い、過去27年にわたって行われてきた夜桜のライトアップが中止となった。
「外国人観光客が増え、花見客が多過ぎる状況で、人集めを続けることに不安を感じた。事故の心配もあり、地元では受け切れないと考えた」と語る。

「観光公害」とは、観光客急増による様々な弊害が目立ち始めた現在、使われ始めている新しい造語だ。
観光客は「ただそこに来る」だけでは経済効果は生まず、むしろそれを受け入れる側の地域にとっては、一義的に「コスト要因」に他ならない。
観光客が訪問先でゴミを発生させれば、それを処理するのは地域の自治体であり、その原資は地域に住む住民の治める税である。
観光客が歩く公道、使用する公衆トイレは全て自治体財源によって維持管理される公共物であり、ましてや観光客を迎え入れるために新たなインフラ整備を行うということになれば、当然そこには地域住民の血税が投入されることとなる。

域外から得体の知れない人間が多数来訪し、道端でワイワイガヤガヤと大騒ぎし、私有地や進入禁止地域にまで入り込み、「旅の恥はかき捨て」とばかりにトラブルを巻き起こすなどというのは、地域の住民にとって必ずしも歓迎されるものではない。
観光客というのはそこに根ざして生活する人間にとっては、根源的に厄介者であり、迷惑以外の何ものでもない。
「神戸ルミナリエ」は、1995年12月の第1回は全国から250万人の観客を集め、2004年には538万人と過去最大の集客となった。近年は少し減退してきているが、いまだ10日間程度の短い開催期間中に325万人を集客している。
イベントは地元商業者などからの協賛金減少に伴う財政難に直面しており、2015年からは開催日数、規模ともに大幅な縮小が行われている。
イベントは神戸市および兵庫県の助成と、周辺企業などの協賛金から成り立つ、「参加無料」のイベントである。
会場に向かう道は両側が鉄製バリケードが築かれ、約1.4キロを並んで歩くのみで、来場者は近隣の商店で消費を行うことができない。
観光客が地域に来訪する事は根源的に、そこに居住する市民にとってはコストである。
観光客を多数誘致したにも拘わらず、そこで発生する様々なコストを上回る経済効果が地域に生まれなければ、観光振興施策はただ地域のリソースだけを浪費して、リターンを生まないマイナスの政策になってしまう。
地域で観光振興を主導する人々は、ただ「地域に客を集める」ことだけでなく、「そこからどうやって消費を生み出し、地域にそれを還元するのか」にもっと真剣に取り組む必要がある。