成田空港も「LCC活況」で活況を呈しているが、課題も多い!

成田空港「LCC活況」を手放しで喜べないワケ 〜就航5年で定着進んだが、課題も山積〜
(東洋経済オンライン 2017年07月26日)
http://toyokeizai.net/articles/-/181310


羽田空港の国際線が大幅に増便された時、成田空港の存在感の低下が懸念されていたが、今は旅客数は右肩上がりで増えている。
LCC専用第3ターミナルの設置とともに訪日外国人が増加し、国内線利用客も2016年度は721万人に増加している。
そして、早くもLCC専用第3ターミナルは飽和状態にあるという。


【ポイント】
成田国際空港の第3ターミナルはLCC専用として2年前の2015年春から運営されている。
2014年春に羽田空港で国際線が大幅に増便されたのをきっかけに、成田空港の存在感低下が懸念されたが、旅客数は右肩上がりで増えた。
2016年度(2016年4月~2017年3月)の旅客数は3962万人。5年前(2011年度・2885万人)から1000万人以上増え、3割超の伸びを見せている。
成田空港の国際線就航都市数は羽田の3倍以上。
訪日外国人の増加とともに、国内線利用客を見ると2011年度が192万人だったのに対し、2016年度は721万人。

成田空港で国内線のLCCが本格的に就航したのは2012年7月3日。成田空港を拠点にジェットスター・ジャパンの札幌行き初便が飛び立った。
8月には旧エアアジア・ジャパン(現在はバニラエア)が就航した。
就航初日から機材繰りや出発手続きに時間を要し、大幅な遅延や欠航が相次いだ。LCCは他社便への振替も原則行わないため、予約した人がその日のうちに目的地に移動できなかったというニュースが駆け巡った。
結果的に「LCC=遅延する乗り物」というイメージが付いた。

ジェットスター・ジャパンや旧エアアジア・ジャパンの搭乗率が低迷する時期が続いた。
LCC各社は悪いイメージを払拭するべく、Webチェックインや自動チェックイン機を導入。運賃体系をわかりやすくし、新規就航都市を広げ、各路線の便数を増やした。これでLCCの認知度が上がり、リピーターが増えていった。
ジェットスター・ジャパンは今年7月8日に累計搭乗者数2000万人を突破し、2014年夏以降は年間500万人のペースで利用者が増え、就航4年目で初めて黒字化した。

成田空港の第3ターミナルはオープンから2年ですでに人であふれている。
出発が重なる時間になるとチェックインカウンターには長蛇の列ができ、チェックインまでにかなりの時間を要することも珍しくない。
スポット(ゲート)も足りなくなり、前の便が定刻に出発しないと、到着便が着陸してもゲートに入れないことも頻繁に発生している。
成田空港は騒音対策の観点から朝6時~夜23時までしか滑走路が使えず、最後の到着便も現状では22時20分着のスケジュールになっているが、天候要因などで遅延の場合は条件付きで24時まで離着陸が可能で、23時台に到着する便が発生することもある。
そのとき東京方面へ行ける最終便の京成バス「東京シャトル」東京駅行きは、23時10分に第3ターミナルを発車する。
現在、ターミナルに直結している宿泊施設はカプセルホテル「ナインアワーズ」しかない。
羽田空港や関西国際空港などのように成田空港内のホテルが充実していれば、もっと早朝便の集客が可能になるが、物理的に難しい。

成田でLCCが就航した当初、朝6時台の便が多く運航されていたが、交通アクセスやホテルの問題などもあり、バニラエアは朝6時台の便の運航を取りやめている。
ジェットスター・ジャパンも週末以外は朝6時台の出発便がない。
LCCの強みである1機あたり稼働時間を長くさせる為に、ジェットスター・ジャパンではマニラ・台北・上海、バニラエアでは香港・台北線を夜に成田を出発させて、朝成田に戻ってくる機体運用をするなどの工夫をしている。

成田空港が使いにくいという理由で、LCCを利用してみたくても躊躇している人がいる。
LCC各社、成田空港会社も含めて利用者が不満に思っていることを1つずつ解決していくことが求められるだろう。