外国人が心底うらやむ日本の最強観光資源は『自然』!

外国人が心底うらやむ「最強観光資源」とは? 〜日本は「最も稼げる武器」が宝の持ち腐れに〜

(東洋経済オンライン 2017年07月28日)
http://toyokeizai.net/articles/-/182174
デービッド・アトキンソン(小西美術工藝社社長)のレポートの続編です。
アトキンソンさんは、経済の低迷から脱却するためには、「観光の産業化」は不可欠だとの視点を基本においておられます。
「観光産業国際競争力」のランキングが、2009年の第25位から、2017年は第4位まであがった。しかしこの評価は、観光において日本は新興国というポジションに過ぎない。
日本の観光は「文化」を積極的に発信してきたが、「自然」という強みをさらにアピールすれば、日本の観光はまだまだ大きく成長する。

日本の自然は多様性に満ちている。そして自然は客層の幅が広く、長期滞在が期待できる。

自然を保護するためにも、観光により原資を稼ぐ必要があると論じられている。
【ポイント】
2年に1度のペースでWorld Economic Forumが発表している「観光産業国際競争力」のランキングによると、日本は2009年に第25位だったが、2017年は第4位まであがっている。「この2年、世界で最も改善している」という評価も受けている。
これは、日本が「観光の産業化」という世界の流れに乗り遅れた分を取り返しているだけです。
観光産業の競争力が改善したトップ15カ国のなかで日本は第1位ですが、第2位はアゼルバイジャン、第3位はタジキスタン、第4位がベトナムとなっている。第9位の韓国までは「観光」というイメージが確立していない国ばかりです。
ビザの緩和や国の観光整備予算が増えたことなどを反映して、「国際開放度」が121ランク上がって第10位になった。
政府による「観光に対する優先度」も、32ランク上がって第18位になっている。
多くの課題も浮かび上がっている。
観光地にはレンタカーが欠かせませんが、その普及率は世界第85位。
日本の航空インフラも観光産業的に見ると足りておらず、世界第97位。
観光インフラの整備に関しても、世界第29位となっている。

「自然」は世界のなかで最も誘致能力が高い観光資源だといわれている。
「観光大国」というのは、自然・気候・文化・食という4条件を満たしている。また、この4条件の順番は観光誘致に力のある順番に並んでいる。
1.「客層の幅」が広い
2.長期滞在が期待できる
 文化財は半日程度しか滞在しないが、自然観光は、トレッキングは丸1日、スキーやスキューバダイビングは何日も宿泊して楽しむのが一般的。
3.日本の自然は多様性に満ちている
 日本ほど「自然の多様性」に満ちている国は、世界を見わたしてもそれほど多くはない。
 ビーチがある海から3000メートル級の山があり、ヨーロッパなどの森林と比べると、日本の動植物の多様性には目を見張るものがある。
 南北に長いため、北海道や東北のような豪雪地帯から沖縄のビーチリゾートまで、あらゆる「自然」がそろっている。
World Economic Forumのデータによると、日本は「自然観光」は世界第29位、その整備も世界第66位となっている。
これまで日本は、「日本文化」を積極的に海外に発信してきた。日本の文化資源のランキングは世界第4位という高い評価を受けている。
にもかかわらず、観光客数も他の先進国と比べると不十分ですし、最も大事な観光収入もまだかなり少ない。
文化をメインに発信しているフランスは観光客数は多いが、それに比して収入は異常に少ない。日本も「文化」だけでは観光大国にはなれません。
日本の観光PRは富士山、芸妓(げいこ)、茶道、歌舞伎、お能、城、神社が発信の大半を占めており、「文化・歴史」に偏重しすぎている。
「文化・歴史」にくわえて、「自然」という強みをもっとアピールしていけば、日本の観光はまだ大きく成長することができる。
東京都が「都民が外国人観光客に東京で体験してほしいこと」と、「外国人観光客が東京都でやってみたいこと」を調査したところ、最も大きなギャップが出たのが「自然体験」でした。
外国人は、高尾山、庭園、公園など、東京都ならではの「自然」も体験したい。しかし都民は、せっかく遠い国からわざわざ来たのだから、日本の伝統や歴史を学んでほしいと考える。
「観光化」こそ、自然保護の切り札だ
外国人が増えて観光地が混み合っているのに、日本の美しい自然まで荒らされたらたまらないと主張される方がいる。
しかし、文化財問題と同様で、しっかりと「保護」して後世に遺すためにも、「観光」で「原資」を稼がなくてはいけません。
かつて富士山に多くの登山客が訪れたことで、「自然破壊」が問題になりましたが、「観光地」としてしっかりと整備することで改善されました。
中途半端な「手つかずの自然」より、観光地としてしっかりと整備されることで、スタッフや予算がつき、結果、美しい自然が守られる。
それはアメリカの国立公園などをはじめ「世界の常識」です。