五輪のホテル不足せず 新設・改装ラッシュで都市部の客室、3割増!

五輪のホテル、不足せず? 民泊も交えもてなし競争に  〜新設・改装ラッシュで都市部の客室数、3割増の見通し〜
(NIKKEI STYLE 2017/8/10)
https://style.nikkei.com/article/DGXMZO19645610U7A800C1UP2000?channel=DF220420167277


「ホテル不足」の懸念は後退し、今や「供給過剰」がささやかれる時代に移行したそうだ。
昨年、みずほ総合研究所の試算で、20年には東京1万6700室、大阪1万3300室が不足するとされたが、
20年までに、東京は25.6%増の約2万5千室、大阪は34.9%増の約1万8千室、京都は約8千室と36.1%増える見込みだという。
来年1月にも民泊が解禁されるといい、今後の宿泊業界は激しい競争にさらされるのかもしれない。


【ポイント】
2020年の東京五輪・パラリンピックまで3年。折からの訪日外国人客の増加を受けて、ホテルの新設・改装が相次いでいる。
東京、大阪など都市部の客室数は今より3割近く増える見通しだ。
民泊は来年1月にも全国で解禁される。当初の「ホテル不足」の懸念は後退し、いまや「供給過剰」さえささやかれる。
17年から20年ごろまでに主要8都市で既存ホテルの26%に当たる約6万5千室分のホテルが開業する。
東京は25.6%増の約2万5千室、大阪は34.9%増の約1万8千室、京都は約8千室と36.1%増える見込みだ。

当初、20年のオリンピックでは深刻な「ホテル不足」に陥ると指摘されていた。
みずほ総合研究所の試算では、20年に東京1万6700室、大阪1万3300室が不足するとされていたが、新たに生まれる客室数はそれらを上回る。

アパグループは17年から20年までに47ホテル(約1万4500室)の開業を計画。東横インは18年までに25ホテル(約8400室)、ドーミーインは20年3月までに31ホテル(約5800室)つくるという。
最近のホテル増加は、既存ホテルに影響が出始めており、「新しいホテルに客足が流れている」と不安を隠さない。
東京都内では稼働率が伸び悩むホテルが目立つ。

「シングルルームを増やすホテルが多い」という。シングルは収益性が高いため、出張者をうまく取り込もうとする企業は多い。
急増している訪日外国人は、カップルやファミリー層が多くシングルでは泊まりにくい。目先の利益を重視する姿勢が裏目に出ているという。

住宅宿泊事業法(民泊法)が6月に成立し、18年1月にも全国で民泊が解禁される。
民泊は、年間営業日数が180日以下という制限はあるが、ホテルのような大型投資が不要なため、需要に応じてすぐに供給を増やせる。
民泊の貸し手は、訪日客が日本文化を体験できるよう「おもてなし」の準備を着々と進めているという。
海外の旅行者は日本人との交流や現地ならではの体験を求めている。
地元を案内する観光プランも用意し、自宅近くの商店街の地図のほか、お店の人のイラスト付きの紹介文も英語で作成し、外国人と街の人が交流しやすい環境を作り出している。

エアビーに登録する部屋数は5万3000件、利用者は年間で500万人に達している。
日本人の利用は2割程度、利用者の中心は訪日客だ。民泊は五輪期間中の受け皿として期待されるが、質は物件や貸し手により差が大きい。

訪日客の16年の旅行消費額は約3兆7500億円だった。政府は20年に8兆円、30年に15兆円に引き上げたい考えだ。
16年度で約540兆円という世界3位の国内総生産(GDP)を600兆円に拡大するためにも、観光産業は欠かせないエンジン。
需要急増への対応は必要だが、過当競争に陥らない戦略も不可欠となる。