民泊の時代に日本の宿はどうあるべきか ~延べ宿泊者数の減少、利用形態の変化~

民泊の時代に日本の宿はどうあるべきか ~若き宿経営者たちの模索~(前編)

(やまとごころ  2017.09.01)
http://www.yamatogokoro.jp/report/6951/
訪日外国人の数は増えているのに、宿泊者数が伸び悩んでいる。日本のホテルは供給過剰なのか。民泊の影響も否定できない。
今年2月、訪日外客数が前年比15.7%の増加に対して、延べ宿泊者数の前年比は4.5%のマイナスだった。
訪日外国人が宿泊場所以外で「深夜の空港ロビー」「宿泊可能な温浴施設」「深夜高速バス」なども利用されている。
中国人訪日客は、内陸客の団体が伸び悩み、大都市圏からの個人客が増えているが、「安近短」組も増えており、滞在日数も減少するという。
Airbnbに370万人が民泊を利用したとされ、中国発の民泊サイト途家・自在客・住百家も成長している。
外国人は、家族連れや小グループでの訪日が多く、シティホテルに泊まろうとすると2室を予約しなければならない。民泊の場合、部屋がたとえ狭くても、家族で利用すれば割安になる。
これら訪日客の動向を踏まえた、宿泊、食事、体験などを考えていかなければならない。

【ポイント】
宿泊旅行統計調査(2016年版)によると、好調に推移していた外国人の延べ宿泊者数の伸び率が、15年(46.4%)から16年(8.0%)にかけて大きく落ち込んだ。16年の訪日外客数の前年比は21.8%増にもかかわらずである。
16年の国別訪日客数トップ5の、訪日客数伸び率(左)と、延べ宿泊者数の前年比(右)
1位 中国    27.6%増     3.3%増
2位 韓国    27.2%増     15.7%増
3位 台湾    13.3%増      1.3%増
4位 香港    20.7%増      8.2%増
5位 アメリカ  20.3%増    14.3%増

外国客の利用比率が高かった大都市圏のホテルほど、客室を埋めるのに苦心するという事態が起きている。
これらのホテルでは宿泊料金の「高止まり」ではなく、ディスカウント合戦が始まっている。
LCCを使えば、近隣アジアの国々から片道5,000円で日本を訪れることができる時代。なるべくお金をかけずに日本旅行を楽しみたい。
外国客が宿泊場所以外で利用するのは「深夜の空港ロビー」「宿泊可能な温浴施設」「深夜に走る高速バス」などだ。
今年2月、訪日外客総数が前年比15.7%の増加に対して、延べ宿泊者数の前年比は4.5%のマイナスだった。
中国人の訪日客は、昨年秋頃より内陸客が伸び悩み、大都市圏からの個人客やリピーターなど「安近短」組が過半を占めている。団体客が減り、「安近短」の客が増えれば、トータルの日本の滞在日数(延べ宿泊者数)は減少するのも道理だ。
Airbnbには、370万人が民泊を利用したとされ、現在5万件超の民泊物件を掲載している。
途家・自在客・住百家といった中国発の民泊サイトが成長している。
日本の宿と外国客のニーズのミスマッチングが顕在化している。
観光庁は旅館に対して部屋料金と食事料金を別建てとする「泊食分離」の導入を促していく方針を明らかにした。
外国人の個人客は、家族連れや小グループで日本を訪れることが多い。夫婦と子供2人でシティホテルに泊まろうとすると、たいてい2室を予約しなければならない。
民泊の場合、部屋がたとえ狭くても、家族一緒に利用すれば、ホテルの客室を複数室利用するのに比べると割安になる。
日本では家族水いらずで利用できる宿泊施設は、行楽地に限られることが多い。
これが民泊に流れるもうひとつの理由ではないだろうか。
こうした宿泊市場の急変から、民泊は明らかに日本の宿泊相場を押し下げる要因となり始めている。
いまや全国に1,000を超えるといわれる、リーズナブルなホステルやゲストハウスの経営者たちは、これまでにない逆風にさらされ始めている。