世界に広がるキャッシュレス決済、日本人の現金払いは82% !

日本人に多い「現金払い」は本当に愚かなのか 〜広がるキャッシュレス決済の利点と盲点〜

(東洋経済オンライン 2017年09月05日)
http://toyokeizai.net/articles/-/186758
クレジットカードの取扱高は50兆円を超え、電子マネー決済額は2016年に5兆1436億円と、2010年の3倍以上になる。今後もクレジットカード、電子マネーとも決済額が伸びると言われている。
クレジットカードや電子マネーによる決済額は約18%にしか過ぎない。82%は現金決済が占めている。
理由は、「不便を感じない」「不正使用への心配」が多いようだ。
不安を生じさせない対策が求められるとともに、世界はキャッシュレスの方向に動いており、訪日観光客への対応などグローバルな社会を目指すなかでは、キャッシュレス化を進めなければならない。
【ポイント】
日本クレジット協会の調べによるとクレジットカードの取扱高は2016年に初めて50兆円を超えた。
日本銀行の統計では、電子マネーの決済額は2010年の1兆6363億円から2016年には5兆1436億円と、3倍以上に増加している。
総務省の「平成26年全国消費実態調査(2人以上の世帯)」で消費支出(1カ月当たり)の決済方法をみると、クレジットカードや月賦・掛け買いによる購入は2009年から2014年の5年間で3万2574円(10.8%)から4万6995円(16.0%)、電子マネーによる購入は1244円(0.4%)から4283円(1.5%)と増加している。
おもに被服・履物、家具・家事用品、光熱・水道、教養娯楽、食料の購入方法が現金からクレジットカードや電子マネーにシフトしている。
洋服や靴、家具などは、もともとクレジットカードで支払う機会が多かったが、ネットショッピングの拡大などでキャッシュレス決済が増えたのかもしれない。一方で、家事用品や食料は比較的少額だが、購入金額、割合ともに5年間で大きく増加した。
スーパーやコンビニなどでのキャッシュレス対応が広がったことも影響している。
総務省の「家計消費状況調査」によると、電子マネー利用世帯の割合は2010年の27.4%から2014年の40.4%と増加している。
支払先は、スーパーは6%から11.1%へ、コンビニは4.6%から8.3%へと伸びている。これは最も多い交通機関での利用の伸び(15.3%から18.7%)を上回る勢いになる。
日本人はまだまだ現金主義に偏っている。
総務省「全国消費実態調査」によれば1カ月当たりの消費支出に占める現金決済は、2009年の26万7119円(88.8%)から2014年の24万1604円(82.5%)、いまだに大半が現金決済である。
経済産業省がまとめた民間消費支出に占めるクレジットカードや電子マネーによるキャッシュレス決済額の割合は約18%で、82%は現金決済が占めている。
この水準は国際的にみて低く、韓国54%、中国55%、アメリカ41%の半分にも届かない。

日本政府は2014年からキャッシュレス化に向けた取り組みに着手しており、安倍晋三政権の「日本再興戦略」には2020年までにクレジットカードを中心とした電子決済の環境整備を進めることを掲げている。
東京オリンピックで訪日する外国人を見据えた内容が中心だが、クレジットカードを使用できる店舗を促進するなどの対応策は、日本人の買い物の利便性も向上させる。

クレジットカードの不正使用被害額は年間約141億円(2016年)に上り、2013年以降は増加している。
クレジットカードを積極的に利用したいと思わない人の割合は57.9%を占め、その理由には「日々の生活においてクレジットカードがなくても不便を感じないから(55.4%)」に次いで「クレジットカードの紛失・盗難により、第三者に使用されるおそれがあるから(41.3%)」「個人情報などがクレジットカード会社や利用した店舗などから漏えいし、不正利用されてしまう懸念があるから(35.4%)」が挙がっている。
クレジットカードのセキュリティ対策を義務付けるなどを盛り込んだ「割賦販売法の一部を改正する法律案」を可決した。2018年6月までに施行される本法案では、クレジットカードの偽造防止に効果的といわれる決済端末のIC化、カード加盟店が決済時に顧客のカード情報を保持しない「非保持化」に対応したシステムの整備、などを定めています。

今後はキャッシュレスを取り巻く環境は著しく改善されると考えられる。
インターネットショッピングや仮想通貨の拡大などは、キャッシュレスでなければ購入できない世界も予見させ、買い物のほとんどをキャッシュレス決済で済ませる時代も、そう遠くない。