2020年の東京ではホテル余剰か? ホテル新設ラッシュ、民泊の影響!

東京ではホテル余剰も みずほ総研、20年予測が一転  〜想定超える新設ラッシュ、民泊の全面解禁も影響〜
(日経電子版 2017/11/6)

https://style.nikkei.com/article/DGXMZO22918220R31C17A0000000?channel=DF280920161011


訪日外国人の急増にホテルが追い付かないと、2016年頃まで予想されていたが、大都市のホテル新設計画が次々と浮上。民泊も18年6月15日に全国で解禁されることが決まるなどの大きな変化を踏まえ、みずほ総研は「東京のホテルは五輪・パラリンピックが開かれる20年に余剰になる可能性がある」と発表した。
オリンピックが開催される2020年8月は、日本人利用が増えるため東京の宿泊施設が足りなくなる可能性があるが、こうした一時的な需給逼迫はイベント民泊のようにコストがかかりにくい方法で対応する必要がある。
オリンピック以降のインバウンド需要についても、従来のトレンドを超えて上振れするとみているという。


【ポイント】
現在の年間2400万人を、2020年に4000万人に増やす政府目標の達成は堅いのではないかという。
所得が増えた東アジアの中産階級は日本文化を好んでおり、採り入れたいという思いが強い。リピーターになる比率も非常に高い。クルーズ船による訪日も増えている。今の状況は『第二の開国』に近い。
みずほ総研は16年8月の試算で、20年に訪日外国人が4000万人まで増えた場合、全国でホテルが4万4000室足りなくなると予測していた。
ホテルの新設・増設計画に加え、民泊やクルーズ船を利用する人の増加見通しを踏まえて、17年9月に改めて試算した結果、全国のどの地域でもホテルが不足しないという結果になった。
不足する可能性がある地域は大阪だけで、訪日外国人の滞在日数が想定より上振れした場合に800室、訪日外国人と日本人の両方が上振れしても3800室が足りなくなる程度で、ホテルや旅館が逼迫するという懸念は大幅に後退している。
東京では超過供給の状態になる可能性がある。
クルーズ船や民泊の利用者が増えれば、余りやすくなります。
宿泊施設の(中価格帯の)ビジネスユース、(高価格帯の)ハイエンドは今後も残りますが、(低価格帯の)バジェットホテルのクラスでは民泊が一定量の割合を占めることになる。

月次でみると、五輪が開かれる20年の8月は東京の宿泊施設が足りなくなる可能性があるが、日本人利用が増えるため。
12年夏のロンドン五輪でも、外国人から自国民への宿泊シフトが起きて、外国人の宿泊者のシェアが下がった。
こうした一時的な需給の逼迫には、民泊のように人手がかかりにくい方法で対応する必要がある。
地方では、ホテルの客室よりも人手不足の方が大きな問題。
中小規模の宿泊施設は従業員が高齢化し、家族経営の宿泊施設は事業の継承もできず、営業を続けることさえ難しくなっている。
だから人手をあまりかけずに宿泊サービスを提供できる民泊は、地方において外国人旅行者の受け皿として重要。
地方は公共交通機関が発達していない。せっかく外国人旅行者を呼び込んでも、周遊してもらえなければ、経済効果は小さくなってしまう。
クルーズ船は空路に比べて滞在期間が短いうえ、(港からの)バスやタクシーが不足しているため、港周辺の景色だけ楽しんで帰ってしまう。
沖縄県での支出額は空路が1人10万円近いのに対し、クルーズ船は3分の1程度しかない。
ウーバーのようなライドシェアのサービスは地方でこそ有効になる。
みずほ総研は東京五輪・パラリンピックの経済効果を20年までの累計で30兆円規模になると14年に試算した。
カジノを中心とする統合型リゾート(IR)の整備など(試算の前提の)一部は実現に至っていないものの、全般としては見誤っていと思われる。