国内外の先駆者たちが熱く語る地域マネジメント事例を聞いてきた!

日本のDMOは世界にアプローチできるのか? 国内外の先駆者たちが熱く議論した地域マネジメント事例を聞いてきた

(トラベルボイス 2017年11月29日)
https://www.travelvoice.jp/20171129-100032
「観光」は地方創生、地域活性化に一つの大きな光明を見出す可能性がある。
新潟県で平成の大合併で、地域の価値をアートで表現して人を呼び込むとして始まった「大地の芸術祭」
熊野古道が世界遺産に指定され、観光客が大挙してやってきたが地域に経済効果が生まれなかった。しかし地域に誇りを持つ人が増え、身の丈にあった観光を実践することができたという田辺市熊野ツーリズムビューロー。
「自分たちのまちは自分たちで経営する。DMOとDMCの両輪体制」が重要と指摘する阿寒観光協会まちづくり推進機構のお話など、傾聴に値する。
【ポイント】
「ツーリズムEXPOジャパンフォーラム2017」において、”日本版DMOの可能性とともに、地域マネジメントとマーケティングについて”熱い議論が交わされた。
◎「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」(2000年~)、「瀬戸内国際芸術祭」(2010年~)のディレクターを務めるアートフロントギャラリーの北川フラム代表取締役社長 〈基調講演〉
「美術による地域づくり」をテーマに語った総合ディレクターの北川氏は「都市生活は刺激と興奮に満ちる一方で、競争が激化し人間の五感が摩滅している。多くの人たちが都市を抜け出して、自分たちが関わることのできる田舎を探し始めた。人が望まれた場所に行くのは本能。それが地域の新しい観光となって芽吹き、新しい観光が生まれている」
「平成の大合併で130以上あった市町村が30になった新潟県。バブル崩壊で行政のコンパクト化が進められるなか、合併された側は役所がなくなり、人が中心地に移動する壊滅的な状況に陥ることも予想された。そこで、十日町市と津南町が選択したのが、地域の価値をアートで表現して人を呼び込むこととして、2000年に大地の芸術祭が始まった。」

◎トリップアドバイザーアジア太平洋地域のサラ・マシューデスティネーション・マーケティング・セールスチーム統括部長
「SNSやブログも”いいね!”の数やレビュー数に意味はない。インターネット上ではエンゲージメント、ユーザーとの結びつきが重要な指標になる」「消費者と地域を明確なメッセージでつなぎ合わせていくことが重要」

◎田辺市熊野ツーリズムビューローの多田稔子会長
「外国人を呼び込むためには外国人の感性が不可欠。カナダ人で熊野、日本が大好きなブラッド・トウル氏に参加してもらい、熊野の魅力再考から翻訳まで彼の視点を通じて見直したのが大きかった」
◎阿寒観光協会まちづくり推進機構の大西雅之理事長
2004年に観光協会とまちづくり協議会を合併し「阿寒観光協会まちづくり推進機構」を設立した。「当時から自分たちのまちは自分たちで経営するというDMO的な発想があった」「DMOとDMCの両輪体制でアイヌ文化や山岳リゾートの独自ツアーを開発したり、財政基盤の弱さを補うために入湯税をかさ上げして値上げ分を基金に積み立てたりするなど、中長期的な地域活性化に取り組んでいる」