京町家が1日に2軒のペースで消えている。祇園祭の維持も難しい!

1日に2軒消える京都の町家、市の“奥の手”保全条例の効果は
(訪日ビジネスアイ 2017/12/05)
http://j.sankeibiz.jp/article/id=2126
京都市のホテルの建設が進むとともに、京町家が年800軒、1日あたり2軒姿を消しているという。
「町家を取り壊してマンションへの建て替えが進み、町内の8割がマンション住民になってしまった。今では祇園祭を支えるのはたった1割」という言葉は衝撃的だ。
訪日外国人が京都に集中するのは文化の香りが高いから。将来世代のためにも文化の香りが高い京都であり続けてほしいものだ。
【ポイント】

京町家が姿を消す動きが加速している。訪日外国人の増加により、ホテルの建設用地として売却されるケースが増えているためだ。

京都市は今秋、保全条例を制定。取り壊し時の届け出を努力義務にするなど町家の所有者の責任を明確にし、解体から活用への支援に乗り出した。しかし、所有者たちからは「財政支援の額が少なく、とても維持できない」などの声も上がり、1日2軒の割合で消えている。
京都市は平成20~21年度の調査で、町家が4万7735軒だったが、28年度の調査では4万146軒に減少。
市は少なくとも5602軒が滅失したとみており、年平均800軒、1日あたり2軒の割合で町家が消えている。
空き家率も前回調査の10・5%から14・5%に上昇した。

京町家の定義は、隣地に接して外壁や高塀がある▽道に面した出入り口から長く続く細長い土間「通り庭」がある▽「火袋」と呼ばれる吹き抜けをもつ▽出格子や平格子の「格子」などの伝統的な形態やデザイン-を満たす木造家屋で、昭和25(1950)年の建築基準法施行以前に建てられたものとしている。
京都ならではの歴史や文化、都市生活を反映した建築構造。郊外にある農家住宅などは含まず、上京、中京、下京3区のいわゆる洛中に集中しているのが特徴だ。
木造住宅の耐震改修や空き家を活用する場合、市は京町家であれば通常の助成に30万~150万円を上乗せしているが、京町家に絞った保存支援策は講じてこなかった。
新町通(中京区)の山鉾(やまほこ)町(祇園祭の山鉾を出す町会)に住む男性は、「町家を取り壊してマンションへの建て替えが進み、町内の8割がマンション住民になってしまった。今では祇園祭を支えるのはたった1割」と嘆く。町家の消滅は伝統文化のあり方まで変えてしまう。
市は解体前の届け出制などを盛り込んだ京町家保存継承条例を11月16日に施行した。
全ての京町家に解体前の届け出を義務づける。ただ、努力規定なので届け出をせずに解体しても罰則はない。
さらに条例では、特に重要とされる「重要京町家」や「京町家保全重点取組地区」を指定し、それらを解体する場合には1年前の届け出を義務づけ、届け出をせずに解体した場合には5万円以下の過料の対象にした。