台湾から日本に“輸出”されているサイクリング観光「環島」!

台湾から日本に“輸出”される「環島」——新たな日台サイクル交流の誕生

(nippon.com  2017.12.07)
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台湾でサイクリングと観光を兼ねた「環島」というアクティビティが人気だ。台湾一周、およそ1000キロを1週間から10日をかけて走るという。
日本でも愛媛・今治と広島・尾道を結ぶ70キロの「しまなみ海道」で2011年から「環島」始まっている。
琵琶湖を一周する200キロに及ぶコース「ビワイチ」や、四国一周1000キロを「環四国」と名付けた取り組みも始まった。
日本で安心して走れるサイクリングロードの提供は難しいだろうが、可能な地域では整備を進めてほしい。
【ポイント】
スポーツと観光を兼ねたアクティビティとして台湾ですっかり定着している「環島」を、日本に対して「輸出」する動きが本格化している。「環島」とは主に自転車で台湾を一周すること。一周はおよそ900キロから1000キロ。その距離を1週間から10日をかけて走る。
環島スタイルの観光振興は台湾ですでに10年ほど前から本格的に進められ、自転車道「環島1号線」など多くのインフラが整っており、年間数万人が楽しむ国民的な娯楽となっている。
外国人の関心も高まっており、年に1度開催される環島イベント「Formosa900」は参加者の6割が日本単独チームも含む外国人だ。
台湾の環島スタイルの自転車による地域活性化のノウハウを日本へ持ち込もうという動きは、実は2011年に四国の愛媛・今治と広島・尾道を結ぶ70キロの「しまなみ海道」で始まっていた。
環島を引っ張ってきたGIANTの協力の下と、地元自治体も国に働き掛けて、高速道路を自転車が走るという、従来の日本の交通行政では想像できない離れ業を実現させた。瀬戸内の島々を見下ろしながら走る光景が売りで、世界10大サイクリングコースに選ばれるなど、海外から観光客が押しかける日本屈指の人気コースに成長した。
次に動き出したのは、琵琶湖を抱える滋賀県と守山市など周辺市町村である。
琵琶湖を一周する200キロに及ぶコース「ビワイチ」があったが、実際の利用者は決して多くはなかった。取り組みが始まって2年が経過し、自転車乗りの間でも「ビワイチ」の名前は市民権を得つつある。
次に動き出したのは、しまなみ街道を抱える愛媛県を含めた四国4県だ。
四国全体を1周する距離はおよそ1000キロで台湾とほとんど変わらない。その四国一周を、台湾に環島にならって「環四国」と名付けるプロジェクトが今年から立ち上がった。
環島の日本普及への障害は少なくない。サイクリングロードの整備がまだまだ不足している。
日本においては、車道と歩道と自転車道の関係があいまいで、道路と歩道を隔てるコンクリートなどの路側帯の存在も、サイクリストにとっては安全走行の障害となる。
台湾では数百メートルごとに「環島1号線」の看板があり、台湾を1周しやすいようになっている。しかし、日本では、琵琶湖でも四国でも、1周ルートの掲示はまだ十分に行われていない。
休憩して、飲料水や軽食、エア入れなどを提供する「補給所」も一定の距離をおいて設置されることが望ましい。
台湾の場合、その役割を果たしているのが、24時間オープンが原則のサイクリスト用補給・休憩スポット「鐵馬驛站」が、環島1号線沿いにおよそ20キロごとに設置されている。警察署の場合もあれば、使われていない駅舎の場合もある。
「日本には素晴らしいコースがたくさんある。台湾のサイクリングファンが安心して気軽に日本で自転車を楽しめる環境が整備されれば、台湾人の日本観光の中で有力な選択肢になります。基金会もGIANTも協力を惜しみません。日本には自転車人口が多いが、スポーツとして楽しむ人は少ない。環島は自転車の魅力を知るためには格好のチャンスとなるはずです」と語る。