世界で起きている「オーバー・ツーリズム」 アムステルダムは規制強化!

世界で起きている観光客の増え過ぎ問題「オーバー・ツーリズム」とは? アムステルダムは規制強化へ【外電】

(トラベルボイス 2018年1月12日)
https://www.travelvoice.jp/20180112-102383
「オーバー・ツーリズム」がマスコミで報じられるようになってきた。
確かに、観光客がもたらす収入は経済を潤し、雇用を創出する。しかしアムステルダムの場合、町の人口85万人に対し、訪問客が数百万人規模というインパクトは大きい。
町は観光客だけにあるのではない。
生活者と観光客のバランスを考えないといけない時代に入ってきたことを認識しなければならない。
【ポイント】
アムステルダムなどで昨今、深刻化する「オーバー・ツーリズム」の問題をAP通信が特集記事として報じた。
オーバー・ツーリズムとは、その観光地が受け入れられる許容限度を超えて観光客が訪問している過剰混雑の状態のこと。

アムステルダムといえば、世界遺産に登録された運河や小道、蜘蛛の巣のように張り巡らされた路地がある赤線地区が有名な観光都市。最近、市当局は、観光客にも居住者にも魅力ある街づくりへと方向転換を図っている。
アムステルダム市のホテルの利用宿泊数は、2006年の年間800万泊から2016年は1万4000泊へと拡大。
アンネ・フランクの家への訪問客数は、7年連続で記録を更新中で、昨年は130万人近くとなった。
格安航空会社でやってきて、安いホテルやホステルに宿泊する若者。アムステルダム近郊に停泊中のクルーズ船の乗客が日帰りで訪れるほか、石畳の上でスーツケースをガラガラと騒がしく引いて歩くAirbnb利用客。

週末には、中心街のストリップ劇場や怪しげなバーが、外国人客でごった返す。かれらは売春街では、飾り窓に立つ肌もあらわな売春婦をぼーっと眺め、マリファナが合法的に楽しめるカフェへ繰り出す。
アムステルダムには、もちろん売春街以外にもヴァン・ゴッホ美術館、アムステルダム国立美術館、アンネ・フランクの家などの観光名所はたくさんある。
観光客がもたらす収入は経済を潤し、雇用を創出する。しかし町の人口85万人に対し、訪問客が数百万人規模というインパクトは大きい。

「このままではアムステルダム市が変わってしまう。実際、もうここには住みたくない、と引っ越していく人が増えている地区もある」
「バランスをどうとるかが問題だ。歴史ある古都が、暮らしに必要な店や施設のないゲットーになってしまうのを防ぐ必要がある」

アムステルダムの歴史地区、同心円状に広がる運河沿いは、格安ホテルやAirbnbの進出により変貌してしまった。静かだった自宅前の道は、ダウンタウンと格安宿を行き交う人々で騒がしくなり、近所の憩いの場だった緑地ではAirbnb利用客がパーティーをするように。「かつては、本当にのんびりして美しい運河沿いの住宅街だったのに、騒音がものすごい」と嘆く。
アムステルダム市が制定、または検討中の取り組みには、新規ホテル建設の中止、「ビール・バイク」禁止(移動式バー)、中心部にあるクルーズ船ターミナルの郊外への移転、旧市街と商業地区の一部で観光客のみを対象とした店の営業禁止、などがある。
Airbnbについては、アムステルダム市内での営業は、年間60日の上限を設けること、利用ゲストから観光税を徴収することで合意した。
観光税の徴収は、宿泊料金に対する割合ではなく、定額制に変更することを検討中。
これにより、格安料金で部屋を貸しているところは収益が圧迫され、価格志向の旅行者へは魅力が薄れるかもしれない。

「世界中を見渡しても、解決への糸口すら見当たらない。問題は、今や我々の手におえないほど大きくなってしまった」