日本のプロモーション映像、タイのプロモーション映像からみる、その効果!

「日本は退屈な国」欧米人アンケートの衝撃結果に挑む観光庁の勝算
(ダイヤモンドオンライン 2018.2.15)
http://diamond.jp/articles/-/159825


タイのプロモーション映像「Open to the New Shades」を拝見したが、ドラマ仕立てでストーリーを感じるとともに、「お金では買えない経験」「素晴らしい異文化体験ができるでしょう」とナレーションで訴求してくる。
日本のプロモーション映像「Enjoy my japan」は、美しいものを見せるという印象を否めない。
プロモーション映像を比較するとタイの方が優れているように見えるが、タイのムエタイの練習場は外国人観光客を受け入れているのだろうか?
これから大切なのは、ホンモノ体験ができることだろう。


【ポイント】
2017年の訪日外国人観光客は過去最高の2869万人。しかし欧米からの訪日外国人観光客は300万人程度で、「中国やタイにも負けている」
観光庁が、ドイツ、英国、フランス、米国、カナダ、オーストラリアの6ヵ国を対象に、海外旅行に関するアンケート調査を実施したところ、「日本には『富士山』『桜』『寺』があるくらいで、長期間滞在する旅行先としては退屈」だと思われているという。

観光庁は「Enjoy my japan」(https://www.enjoymyjapan.jp/en/)というプロモーションビディオを設けた。サイトを訪れると、「どのような伝統体験をしたいですか」の感じの質問が3回出てきて、個々の興味関心に合わせて、日本の観光スポットや体験できることを紹介した「パーソナライズムービー」が流れる。また、「伝統文化・歴史」「食」「自然」「エンターテインメント」「アート」という7つのコンセプトにあった動画も用意されている。
動画の欧米人旅行者たちは、神社仏閣をめぐって、温泉につかって、雄大な自然をハイキングする。さらに、鉄板焼き料理を楽しんだり、沖縄で三線を奏でたり、座禅に挑戦するなど「体験型観光」も行う。つまり、「Enjoy my japan」の映像は、日本のイチオシとされるスポットや体験ツアーを紹介しているサイトだ。
しかし、「日本ってのは面白い国なんですよ」というアピール面では、やや弱い感は否めない。

日本より多くの欧米人が訪れているタイのプロモーション映像は優れている。
「Open to the New Shades」(新しい色合いへのいざない)(https://www.youtube.com/watch?v=ezNS2blyT74&t=14s)と銘打たれたタイ国政府観光庁のビデオは、日本同様に、幅広い観光客のニーズに応えられるよう、多種多様なスポット、アクティビティをイメージビデオ的に流している。
「タイって面白い国なんですよ」というアピールを、若い女性と年配の男性、2人の旅行客のドラマで描いている。

バッグパックを背負った若い女性の場合、ムエタイの練習場の前を通りかかり、やがて自分も厳しい練習に参加。最終的には試合にまで出場して、母国の家族に「もう少し羽を伸ばすことにするわ」と手紙を書く、というストーリーだ。
年配男性の場合、タイの高級リゾートホテルに宿泊し、運転手付きの高級車で小さな町の横を通りかかる。彼はそこで車を止めて、その小さな町の食堂に入り、手づかみで食事をする。そこで口にした果実に興味を持ち、タイの普通の人たちとも触れ合う。そして、帰国してから会社の同僚と思しき人たちの前で「タイには多様性がある」とスピーチをするというストーリーだ。
タイで「長期滞在」する欧米人旅行者のドラマを柱にして、ナレーションで「お金では買えない経験」「素晴らしい異文化体験ができるでしょう」というメッセージを訴求するという構成だ。

日本のプロモーションビディオは、観光客はこのコースを歩いて見学してください。観光客はこういうコース料理を食べてください。観光客はこういうものを見て喜んでください。「こういう風に日本を楽しんでくれたらいいな」の行動を映像化したものともいえる。

日本という国が、欧米ではできない多種多様な異文化体験ができる「刺激的でおもしろい体験ができる」という映像をつくったらどうだろう。