2017年のインバウンド市場の動向総括と今後の展望!

アウンコンサルティング「2017年のインバウンド市場動向総括と今後の展望」公開
(MINPAKU Biz  2018.02.22)
http://min-paku.biz/news/auncon-inbound-report-2017.html
インバウンド政府目標の訪日外国人4000万人は達成するものの、消費金額8兆円は難しいとの論調が、最近、増えている。
政府目標は2016年3月に作成されたもので、「爆買い」がすでに始まっており、その後、中国の関税見直しなどの変化があり、「越境EC」が普及、日本製品が容易に手に入るようになるとともに、「モノ消費」は収斂された。
今は、タイ、マレーシア、ベトナムからの訪日客の「モノ消費」も健在だが、同じサイクルを踏むものと思われる。
インバウンド観光を維持し、さらなる発展を遂げるためには、ホンモノ体験など「コト消費」を伸ばす必要がある。

【ポイント】

アウンコンサルティング株式会社は「2017年のインバウンド市場動向総括と今後の展望」を公表した。

政府は2020年までに訪日外国人旅行客(訪日客)4,000万人、消費金額8兆円の目標を掲げている。
政府目標を達成するには、最低でも毎年377万人ずつの訪日客の増加が必要になるが、2017年のインバウンド市場動向と照らし合わせると、毎年377万人をクリアし、消費金額8兆円を達成することは容易ではない。

2017年の訪日客数は、韓国からの訪日客急増が顕著だった。前年比40.3%増の714万人。人数は中国の735万人に劣るが、初めて700万人を超えであった。伸び率が高い国は、韓国のほか、ロシア7.7万人(前年比 2.2万人増、40.8%増)、ベトナム30万人(前年比 7.5万人増、32.1%増)などが高い。ロシアは訪日旅行ツアーの販売が少ないため、ツアーが増えればさらなる訪日客の増加も期待できる。
欧米圏は、訪日客数は増加しているものの、増加率は鈍化傾向にある。

中国・香港などアジア圏の消費金額は減少している一方で、2017年の全国百貨店売上高が3年ぶりに前年を上回っており、タイやマレーシア、ベトナムからの訪日客には一定の「モノ消費」が健在している。
しかし「モノ消費」は、越境ECが普及し、日本製品が容易に手に入るようになれば、「コト消費」に移行すると推測。

2020年までに訪日外国人旅行客数4,000万人、消費金額8兆円という政府目標に対し、仮に訪日外国人旅行客が順調に増加したとしても消費金額は目標額に届かない事態も想定される。
目標達成に向け、アウンコンサルティング株式会社は以下の取り組みを提案。
「インフラ(受入)整備の拡充化継続」「更なるビザ緩和、免除拡大」「リピーター獲得に向けた取組(インフラ整備、地方圏への誘客)」「民泊関連の整備(宿泊施設供給数の増加)」「アジア圏以外の国・地域からの訪日旅行客の増加へ向けた取組(プロモーション強化)」「免税制度の改正(2017年10月改正の影響も今後発生)」「ナイトタイムエコノミーへの取組み」「滞在日数の増加、地方への誘客(+1日の取組み)」を挙げた。

特に2017年6月から施行される民泊新法は、今後のインバウンドマーケットの成長に大きく影響するだろう。
リピーターの地方分散には、民泊などで魅力的な宿泊先を増加させることに加え、地方観光地の魅力をメディアやSNSを利用してアプローチしていくことも有効な手段であるとした。
栃木県の「あしかがフラワーパーク」は、2014年にCNNに「大藤」が取り上げられたことをきっかけに中国、台湾、タイ、マレーシア、ベトナムなど東南アジア地域から多くの外国人旅行客が訪れ、2016年の外国人客数が2015年春の倍となる10万人に達した。

ロケ地を観光資源に活用したロケツーリズムを利用したプロモーション手法も提案している。
佐賀県鹿島市の祐徳稲荷神社(ゆうとくいなりじんじゃ)や、伊万里市南部の大川内山(おおかわちやま)がタイの人気映画のロケ地となったことにより知名度も上がり、28年の1年間で外国人宿泊客が3.6万人(10%増)になった。「君の名は」の聖地巡礼がブームとなったことは記憶に新しい。

政府が掲げた目標の達成は、リピーターを呼び込むなど、一層の努力が必要となっていきそうだ。